バルセロナからも参加者が!村が一番盛り上がる「チョト」祭り
photo by Tomoya Yamauchi
いつも静かな村に、賑やかな話声が響き渡っています。あれ?こんなにたくさんの人が村にいたっけ?と思って村人に尋ねてみると、どうやらこんなにたくさんの人がいるのは、明日ソルビランでお祭りがあるためらしい。
お世話になっているホストのギエルモに聞くと、「明日はお腹いっぱいおいしいものが食べれるから楽しみにしていな」とのこと。このお祭りのため、普段は仕事で村を離れて別の町に暮らす人々も帰郷しているようです。村の至る所で家族が再会を喜びあっており、この村出身の人々が集まる良い機会なのだとか。
翌日は、待ちに待っていたソルビラン村でのお祭り。村の小さな広場にはたくさんのブースが並び、地面に組まれた薪には火がくべられ、その上には大きな鍋が。
子羊丸ごと一頭がどこからともなく運ばれてきて、細かく切断され、鍋の中へ入っていきます。
photo by Tomoya Yamauchi
村で生産されたワインが飲み比べられるブースもあり、20種類ぐらいの赤、白ワインが並べられています。5ユーロのソルビランマグカップを買えば、そのワインが飲み放題になりました。
お祭りのメインのイベントはチョト(子羊肉のシチュー)のコンテストです。チョトはこの地方に伝わる伝統料理だそう。30チームがそれぞれチョトを調理し、一番おいしいチョトを決めます。
多くの人はソルビラン出身の人たちですが、バルセロナやグラナダなど他の都市からはるばる参加している人々もいました。
ビールやワインを飲み、おつまみを食べ、談笑しながら楽しんでチョトを作っています。
どのように調理しているか気になって歩きまわっていると、「どこから来たの?この村で何してるの?完成したら試食タイムがあるから後で食べに来なさいよ」と声がかかります。そう試食タイムには30種類ものチョトを自由に無料で試食できるのです。
元々このお祭りは、付近の村々で代々続く伝統だそうで、近年有名になりつつあるとか。
photo by Tomoya Yamauchi
午後2:00頃、すべてのチームが調理を終えて、待ちに待った試食タイム。パンも無料で配られ、チョトにちょっとずつ(ダジャレのつもりじゃない)パンをつけながら食べます。少しずつ食べてまわっただけでお腹が爆発しそうですが、おいしくて食べるのを止められません。
photo by Tomoya Yamauchi
広場にはDJブースもあって、大音量の音楽が祭りをヒートアップさせます。人々は再会を喜び合い、チョトをたらふく食べ、ワインを飲んで、踊りまくります。
え?どのチームがコンテストで優勝したかって?そんなのワインを飲みまくって、踊っていたので誰も知りません。
おわりに
スペインのアルプハラ地方の小さな村の暮らし。都市での生活のように毎日が矢のように過ぎていく事はなく、1日を1日と感じる心の余裕があります。
近郊の村でも頻繁に集まりがあり、良いコミュニティが形成されています。村内でも村人たちが互いに家に招待しあって、楽しい時間を共有している様子。
こんな風に、各地にのんびり溶け込んでいくような旅。私の好きな旅の方法です。