ライター
morinohinako Go with the flow.

Writer / Editor. 制作会社で特産品のPRに関わる仕事をしながら、好きなことを見つけては記事にしています。沖縄の離島、九州と東京を行ったり来たり。おいしいもの、美しい自然があるところなら、どこでもかけつけます。旅をすればするほど、愛のある記憶が増えていく。だから私は旅を続けています。

風に揺れる静かな湯船。まだ日のあるうちから湯に浸かることができるのが、温泉旅ならではの贅沢です。

日本には、温泉がない県はないのだそう。旅先にいい温泉があると格段に旅はよくなるし、温泉をメインにした旅もいいものです。


今回ご紹介するのは、別府温泉。由布院温泉や別府温泉など有名な温泉地がある大分県は、なんと湧き出る湯量が日本1位なのだとか。※1

温泉旅行は2人でも大人数でもファミリーでも楽しいですが、今回探したのは、「ひとり」で行きたい隠れ家のような温泉宿。何度も訪れて、わたしの隠れ宿にしたくなる、そんなお宿を探しにいってきました。

※1:出典:環境省「令和2年度温泉利用状況

別府温泉には、泉質・特徴の違う8つの温泉がある


別府温泉には8種の泉質が湧き、8つの湯泉場があることをご存じでしたか?

温泉には、単純温泉、硫黄泉、含鉄泉など全部で10種の泉質があります。そのうち8種が1つのエリアに湧いているのはめずらしいこと。

別府温泉は山も海もあるエリアで、地域によって8つの湯泉場に分けられています。浜脇温泉、別府温泉、亀川温泉、鉄輪温泉、観海寺温泉、堀田温泉、紫石温泉、明礬温泉の8つです。

つまり別府温泉をめぐると、泉質も景色も違う個性的な温泉に出会うことができるということなのです。


街を見下ろせる温泉、海と一体化するようなオーシャンビューの温泉、街中にひっそりたたずむ温泉など。小さなエリアなのにさまざまな表情のある温泉を楽しめるのは、別府の奥深さの秘密です。


さらに、別府の街を歩くと驚くのは、公衆浴場の多さ。さっき通ったのに、数分歩けばまたひとつ、という具合です。

別府に暮らす人にとって、公衆浴場は毎日通う場所。ご近所の人たちと話をする、いわば喫茶店のような意味をもつ場所なのだそう。


公衆浴場は、観光客でも1回数百円で入浴することができます。滞在中にいくつまわれるかな、といろいろな公衆浴場に行ってみるのもおすすめです。浴場に地元の方がいたら、ぜひ「こんにちは」とあいさつを。

宿の魅力は、湯だけじゃない


旅先のお宿を選ぶとき、どんなところを大切にするかは人それぞれ。ひとりひとりに旅のスタイルがあるように、宿もひとつとして同じものはなく、その多様さが旅をもっと豊かにしてくれます。

別府をめぐってみると、ホテルから小さな旅館まで、こだわりを持ってお客様を迎えているお宿に出会えます。


自然の真ん中でお湯に浸かれる、露天風呂があるお宿。

部屋のしつらえに女将や亭主の趣味が垣間見える、おこもりしたくなるお宿。

料理長が地元素材をつかって腕をふるった、お食事が待ち遠しいお宿。

女将やフロントスタッフにまた会いにきたくなる、人が魅力のお宿。

どのお宿も、そこで働く方々が「うちのお宿はここがいいのよ」と誇りを持ってお客様と接しているのが伝わってきます。

わたしの隠れ宿。明礬温泉の「岡本屋旅館」


別府滞在で出会った、山側に位置する明礬(みょうばん)温泉にある「岡本屋旅館」。街から車で10分ほど離れただけなのに、鳥のさえずりが聞こえるほど静かな場所にあります。

「岡本屋旅館」は創業明治8年。女将の個性とセンスが光る、古きよき旅館です。

岡本屋旅館のひとつ目の魅力は、乳白色が美しい温泉。


晴れた日にはブルーの色が濃くなり、よりいっそう美しい湯になります。ほんのり硫黄が香る温泉で、お肌がすべすべに。

露天風呂は木々に囲まれ、開放的でありながら落ち着ける空間。ぬるめのお湯なので、夜は星を眺めながらじっくり長湯ができます。

ふたつ目の魅力は、お部屋や旅館内のしつらえ。


工芸品やインテリア、ちょっとした小物が、歴史ある建物のなかでモダンな雰囲気を放っています。

お部屋は、1、2人がちょうどいいお部屋や、大人数でも宿泊できるお部屋などバリエーション豊か。ひとりで宿泊するなら、遠くに街が見えるお部屋がおすすめです。私は、2階の6畳のお部屋「さつき」に宿泊しました。


部屋ごとに置いてある調度品や家具が違っていて、「かわいい!」とテンションが上がってしまうこと間違いなし。

外を眺めながら、休憩をしたりゆっくり読書をしたり。どんなふうにこのお部屋で過ごそうかと考えるだけで、わくわくしてしまいます。


夜寝るとき、お部屋の雰囲気に魅了されてつい撮ってしまった1枚。旅先でここまでくつろげることがあるのかと思うほど、ぐっすり眠りにつくことができました。

光の差す食堂で、ほかほかの朝ごはん


早めに目が覚めて朝風呂を浴びたら、朝ごはんの時間に。

岡本屋旅館の朝ごはんは、湯気が立つあたたかい和食御膳です。お豆腐やだんご汁、大分産のしいたけなど、地元の食材をいかしたやさしい味。朝の身体にうれしいものが並びます。

食器も作家ものをつかっているそうで、心も満たされる朝ごはんでした。


岡本屋旅館の女将は、笑顔がすてきでエネルギーにあふれるお方。働くみなさんが生き生きとされていて、お宿に誇りをもっていらっしゃるのが伝わってきました。

たった1泊の滞在でも、日ごろの疲れが抜けてぐんぐんと元気が湧いてくるような場所。誰かと来るのはもちろんですが、わたしひとりの「隠れ宿」にさせてもらいたいな、と思うようなお宿でした。

※ひとりでの宿泊を受け付けていない時期もありますので、ご予約の際はご注意ください。

■詳細情報
・名称:岡本屋旅館
・住所:〒874-0843 大分県別府市明礬4
・地図:
・アクセス:東九州自動車道別府ICより車で7分
・電話番号:0977-66-3228
・公式サイトURL:http://www.okamotoya.net/

温泉街の小道でみつけた、地元で愛されるパン屋さん


別府に滞在するなら、ぜひ朝ごはんに行ってもらいたいのが「友永パン屋」。朝8時の開店めがけて地元のひとたちが駆け寄り、どんどん列が長くなるパン屋さんです。テイクアウトのみなので、並んでもすぐに買うことができます。

おすすめは、あんぱん。


こしあんと粒あんがあり、素朴ながらもしっとりおいしいと、朝から10個単位で買っていくお客さんもいます。

あんぱんの他にも、味付けパンやクリームパン、レーズンパンなど、素朴で昔ながらの味わいが残るラインナップ。ぜひ一度、訪れてみてください。

■詳細情報
・名称:友永パン屋
・住所:〒874-0942 大分県別府市千代町2−29
・地図:
・アクセス:別府駅から徒歩10分
・営業時間:8:30~18:00
・定休日:日曜日、祝日
・電話番号:0977212248
・公式サイトURL:https://www.instagram.com/tomonaga_panya/

湯けむりの立つ街角で、足元の大自然を感じて


別府の道を歩いていると、いたるところから湯気がふわり。

自分のすぐ足元で温泉が湧いているのかと思うと、大地や自然のエネルギーの恐ろしさを感じつつ、長年温泉とともに歩んできた別府の歴史に思いをはせてしまいます。

街と温泉地が共存し、観光客と住民が一緒の湯船に浸かる。そんな、他の温泉地では味わえない、温泉と人の深い関わりを感じることができる旅になりますよ。

みなさんもぜひ別府をめぐって、お気に入りの「隠れ宿」を探してみてくださいね。

All photos by Hinako Morino

ライター
morinohinako Go with the flow.

Writer / Editor. 制作会社で特産品のPRに関わる仕事をしながら、好きなことを見つけては記事にしています。沖縄の離島、九州と東京を行ったり来たり。おいしいもの、美しい自然があるところなら、どこでもかけつけます。旅をすればするほど、愛のある記憶が増えていく。だから私は旅を続けています。

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