プロギングアイキャッチ
ライター
Miyako 旅のコンテンツクリエーター/インバウンドビジネスディレクター

長崎県大村市出身。アメリカ、オーストラリア、スウェーデンに一年以上の居住経験、カナダ・スイスでも就労経験あり。海外生活は5年以上、旅は33か国。フリーランスとして観光を軸に、インバウンド観光や長崎/九州地域を得意とするトラベルライター、SNS運用代行、マーケティング支援、通訳・翻訳、ガイドなどを行っている。

こんにちは、Miyakoです。皆さん、プロギングという新しいフィットネスをご存じですか?実は、私も2020年から個人で行ったり、グループを作って続けているプロギング。環境のために何かしたいという思いと運動不足を解消したいと思っていた時に、以前住んでいた環境大国・スウェーデン発祥の運動であるこのプロギングに出会い、始めました。

今回は、自分の健康だけでなく環境のためにもなり、地域活性にもつながる「プロギング」について紹介します。

プロギングって何?

プロギング(Plogging)は2016年に北欧スウェーデンで始まったゴミ拾いとジョギングをかけあわせたフィットネス。スウェーデン語の「拾う」という意味の“Plocka Upp(プロッカウップ)”と「ジョギング」“Jogging(ヨギング)”の2つの言葉を組み合わせてできた造語です。

SDGsフィットネス・プロギング
ジョギングをしながらゴミを拾うという、自分の健康によく、街のゴミが減るという一石二鳥の活動なのです。

プロギングはスウェーデン人のエリック・アルストロム氏が同国で開始。国内で広がり、2018年頃からSNSを通して世界中に広がっていきました。日本でも2020年に一般社団法人プロギングジャパンが設立され、全国各地でプロギンググループが誕生するなど、活動が広がっています。

ちなみに、私は長崎市で始めたグループが熊本や福岡にも広がり、プロギング九州(Plogging Kyushu)という名のコミュニティを作って長崎を中心に九州内のプロギングに関する情報交換や活動の声かけなどを行っています。

プロギング=サステナブルなSDGsスポーツ!

昨今、SDGsという言葉を耳にすることが多くなってきました。SDGsはSustainable Development Goalsの略で、日本語で「持続可能な開発目標」を意味します。2015年に国連サミットで採択された、2030年までに達成すべき17の目標があり、それを世界全体で積極的に取り組もうという流れがあります。

SDGsロゴ
プロギングはその中の目標3の健康や目標11のまちづくり、目標13の気候変動、目標14の海の豊かさ、目標17のパートナーシップなど、5つの目標にアプローチすることができるんです。

運動をすることで健康にもよく、ゴミを拾って街もきれいになる。一人ですぐにどこでも気軽にできる地域貢献です。他の人と一緒に行えば、コミュニケーションの場が増え、地域のコミュニティを育てることにもなる、サステナブルな運動なのです。

プロギングが生まれた国・スウェーデン

スウェーデンの町並み
プロギングが生まれた自然豊かな北欧・スウェーデンはSDGsの目標達成率世界2位。福祉国家のイメージがありますが、女性の社会進出が進み、国民の環境への意識もとても高い国です。

それはスウェーデンでは環境教育を小学校の義務教育で受け、差別禁止法という法律で性別や人種、宗教や障害、性的指向や年齢などによる差別を禁止していることも関係しているでしょう。SDGsという言葉が出てくる前から、国民一人ひとりが社会問題を考え、意識的に取り組んでいます。

そうした環境や社会問題への意識が、プロギングという新しいフィットネスを誕生させ、広まっていきました。そして、そのスウェーデンでの一人の活動が今や世界中に広がり、そのトレンドが日本にもやってきているのです。

いいことづくめ!プロギングのメリット

SDGsフィットネス・プロギング
通常のジョギングに加え、ゴミを拾うためにかがむプロギング。屈伸運動で筋肉を使うため、ジョギングよりも消費カロリーが高いと言われています。

また、海に流れるゴミの約8割は陸由来。街から出たゴミが風で飛ばされたり雨で流れ、溝から川に、そして、海に流されていきます。ジョギングをしながら街のゴミを拾うプロギングは、街だけなく、海をキレイにすることにもつながるのです。

SDGsフィットネス・プロギング
やってみたいと思ってもなかなか一人では始めにくいかもしれません。その場合は、ジョギングやゴミ拾いに興味のある友人や仲間に「プロギングをやってみよう」と声をかけてみては。また、旅先や住んでいる場所の近くのプロギングイベントを探して参加してもいいでしょう。

プロギングをしながらおしゃべりをしたり、ゴミを拾ったときに「ナイスプロギング!」と声をかけ合ったりすると、きっともっと楽しくなって続けたい、広めたいと思うはず。

実際に一緒にプロギングをやっている人からは、ゴミ拾いや運動もできるのはもちろんいいことだけど、活動を通して新しい出会いや人と色んな話ができること、また街で新しい発見があって楽しい!という声も多いんです。

楽しく続けることで自分も地球もハッピーに!

SDGsフィットネス・プロギング
環境問題やゴミ問題を考えると、どうしてもネガティブな話になりがち。しかしプロギングは、明日からでもすぐに始められる、気軽でポジティブな運動です。自分のペースでゆっくり走っても、歩いてもいいんです。

プロギングを続けていくと、きっと自分の身体も街も、そして心もキレイになっていくはず。誰かと一緒にプロギングをすれば、仲間が増えていくことでしょう。

日本では、プロギングの他にスポGOMI、ガベトレ、ピックウォークのような似たコンセプトの活動やイベントも活発になってきています。気になった方はぜひ試してみては?

All photos by shutterstock

ライター
Miyako 旅のコンテンツクリエーター/インバウンドビジネスディレクター

長崎県大村市出身。アメリカ、オーストラリア、スウェーデンに一年以上の居住経験、カナダ・スイスでも就労経験あり。海外生活は5年以上、旅は33か国。フリーランスとして観光を軸に、インバウンド観光や長崎/九州地域を得意とするトラベルライター、SNS運用代行、マーケティング支援、通訳・翻訳、ガイドなどを行っている。

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