ライター
Yu Villegas 元パティシエ&日本語教師

娘二人が産まれてからも、旅は引き続き人生の生きがい。格安航空券を見つけては、週末旅に出かける日々。元パティシエ&日本語教師。旅で何よりも楽しみなのは、そこでしか食べられないローカルフードや地元の人々との交流。渡航国数34ヵ国。現在はワーホリ以来12年ぶりにドイツ滞在中。 インスタやブログでも旅情報を発信中。

こんにちは、子連れトラベルライターのYuです。

前回の記事「【旅育のすべて】ライフステージごとに楽しみ方を変えて「旅×子育て」で豊かな人生の土台作りを。」では、「旅育」の基本情報についてご紹介しました。

そして今回はわが家の旅育実践例をご紹介します。

イスラム文化・カタール観光情報と併せて紹介していきますので、子育て世代以外の方もぜひ最後までご覧ください♪

ハプニングが呼んだ「わが家史上最高の旅育」

まずお伝えしたいのはカタールをはじめ、イスラム諸国は旅をしながらで文化の違いを肌で感じられるので、旅育にはもってこいの旅先ということ。

しかし私たちがカタールへ行った時期は、ちょうど「ラマダン」の期間中。「断食月」として知られ、イスラム教徒は日中一切の飲食をせず、店やレストランも閉まり、日中の街はゴーストタウン化します。

到着するまでそのことを知らなかった私たちは、奇しくも空腹と眠気と戦うという新たな旅スタイルを経験することに。

……そんなハプニングもあったカタール旅ですが、なんと最終的には「わが家史上最高の旅育」になったのです。

言葉で学ぶよりも、実際に”体感”して学ぶ


「旅育」とは、旅を通じた子育てのこと。

「旅の特別な体験によって、豊かな人間性を育てる」というのが、広く浸透している考え方です。

旅を通して感じた気持ちや、文化や習慣、言葉、宗教の違いへの学びは、机上ではなかなか習得しづらいもの。


しかし旅先で実際に見て体験して得たものは鮮明に記憶に残り、また心の成長へも大きな影響力に。そして、それらは子どもたちにとって生涯の財産になるのです。

旅は遠くに行くだけでなく、近場でももちろん楽しめます◎。普段とは異なる場所で実際に“体感”して学ぶ「旅育プラン」を実地している旅行会社や国内観光スポットも多くあるので、ぜひ親子で計画はたててみてはいかがでしょうか♪

“体験”して学んだ、ラマダン


まずは今回のカタール旅の経緯から。

そもそも私たちはラマダンの時期を狙って行ったわけではなく、たまたまドーハ行きの激安航空券を発見したのがカタール行きの決め手でした。


しかし、ドーハ初日に悲劇が。

ランチを食べるお店を探すもどこも閉店中だし、そもそも街中に人がいない……。なんだか嫌な予感。

歩き続けること数十分、ついに見つけた警備員さんにどこか開いてる飲食店がないか尋ねると、見るからに「お前らアホか」という顔。

そう、その警備員さんから「現在はラマダンで、日没まで飲食店は開いていない」という衝撃のニュースを聞かされたのです。

こんなハプニング?から始まったカタール旅。

さぁここからは「旅育視点」を入れたラマダンについての情報や、ラマダン中に旅する際の注意点をご紹介していきます。

ラマダンとは?


ラマダンとは、イスラム教で使われている「ヒジュラ暦」の第9月のこと。

このラマダン月の1か月間、イスラム教徒は「断食」をはじめさまざまな禁欲を行います。そのなかには「人の悪口やを嘘を言わない」というようなものまで。

ラマダンの苦行の目的は「空腹や渇きの辛さを味わうことで、恵まれない人々を思いやる」「イスラム教徒皆が同じ試練を共有することで、一体感を持つ」など。


とにかくイスラム教徒にとってのラマダンは、信仰を深めるとっても神聖な行事ということを旅行者も理解しておくことが必要です。(次回はきちんと学んでから行きます……!)

またラマダン月は毎年約10日ずつずれていくので、イスラム教国への旅行前は必ず日程を確認しましょう。

ちなみに、この時期は街中がラマダンの装飾でデコレーションされていてとっても可愛かったです!

旅育例①:親子で一緒に、新しいことを学ぶ


ラマダン期間中のカタールを子連れ旅できるなんて、わが家にとってなかなかない機会。しかし、そもそも自分自身がラマダンについて詳しくないので、娘たちと一緒に「旅しながら学ぶ」貴重な経験になりました。

「ラマダンって何?」「なんで食べちゃいけないの?」というような初歩的な疑問点から「なんで日本にはラマダンがないの?」というような宗教観にまつわるものまで、親子でリサーチしたり話したり。普段の慌ただしい日々では、なかなか時間をかけてひとつのテーマを話し合うことは難しいもの。

親子で一緒に学ぶ時間がたくさん作れるのも、旅ならではの良さだなぁと感じます。

旅育例②:”郷に入っては郷に従え”を実践


ラマダン期間中、日中のカタールはゴーストタウン化します。

というのもカタールはイスラム教を国教に定めているため、他のイスラム諸国に比べてもイスラム教の慣習・決まりを守ることにとても厳格。

期間中は昼間の外出をしない人が大多数で、ほとんどのお店が閉まるカタール。(※スーパーは終日営業、モールは午前中に少し営業し日没後に営業再開するケースが多い)


しかしその反面、ラマダン期間中の夜の賑やかさといったら……!

日没後のアザーン(礼拝への呼びかけ)の合図とともに露店が出始め、飲食店もイートインが可能に。街中どんどん活気が出てきてまるでお祭りのような雰囲気が夜明け前まで続きます。

そう。現地の人はラマダン期間中”夜型”に生活スタイルをシフトし、ラマダン期間中も友人や家族との団らんや街歩きを楽しんでいるのです。


ちなみに、娘たちのいつもの就寝時間は19時頃。しかし「通常運転では、ゴーストタウンを歩きまわるだけで何も出来ずにカタール旅が終わってしまう」ということに気づき”郷に入っては郷に従え=家族で夜型生活にシフト”したのでした。


日中の長〜いお昼寝のあと、19時から行動スタート。娘たちが行きたがっていた「キッザニア・ドーハ」の営業時間だって、なんと19時~0時!

疲れさせるだけかな?との心配は杞憂に終わり、深夜にお出かけすることに特別感を得たようで、今でもこの時の思い出話をしています。

ライター
Yu Villegas 元パティシエ&日本語教師

娘二人が産まれてからも、旅は引き続き人生の生きがい。格安航空券を見つけては、週末旅に出かける日々。元パティシエ&日本語教師。旅で何よりも楽しみなのは、そこでしか食べられないローカルフードや地元の人々との交流。渡航国数34ヵ国。現在はワーホリ以来12年ぶりにドイツ滞在中。 インスタやブログでも旅情報を発信中。

RELATED

関連記事