ライター

1994年生まれ。国内の旅行WEBメディアでライター・編集者の経験を積んだのち、2021年よりオアハカに在住。アートシーンやフードカルチャーを中心に、メキシコで見つけた〈おもしろいもの、すてきなもの。〉を取り上げています。

こんにちは!オアハカ在住ライターのHISAKOです。

この記事では、メキシコの焼き物でおなじみ・タラベラ焼きと、この陶器の生産地・プエブラの市内にある、一度は行ってみたい工房を紹介します。

焼き物に目がないあなた、インテリア好き・料理好きなあなたも、一目タラベラ焼きを見ればその可愛さに心奪われるはず。メキシコシティからバスで2時間の距離にあるため、都市部からのアクセスも良好ですよ。

上品さと可愛さにドキドキ。プエブラの陶器・タラベラ焼きって?


メキシコを代表する陶器のひとつ、タラベラ焼き(Talavera de Puebla)。名前だけではわからずとも、写真を見ればピンとくる方も多いかもしれませんね。

タラベラ焼きは乳白色の釉薬を用いた陶器で、スペイン植民地時代にメキシコにもたらされた技術が発展したことによって生まれたもの。ここでは、簡単にその歴史を簡単にみていきます。

タラベラ焼きの歴史


タラベラ焼きのルーツは、9世紀の中東までさかのぼります。当時中東では、中国の磁器からインスパイアされたデザインの陶器が盛んに作られていました。そこから数世紀後、今度はこの陶器の技術が北アフリカを経由してスペイン南部にもたらされます。


現在のメキシコのタラベラ焼きは、スペインの都市・マドリードの南西に位置するタラベラ・デ・レイナという町の伝統を踏襲したもの。タラベラ焼きの呼び名も、この町の名前が由来になっているそう。

タラベラ・デ・レイナはマヨルカ焼き(La mayolica)という焼き物の名産地。陶器を火にかける前に顔料を用いて絵付けを行い、焼き終えるとより発色が鮮やかになるといった特徴があります。しかもその色があせることはないため、使い方次第では一生ものの陶器にもなり得ます。


メキシコのタラベラ焼きは、このマヨルカ焼きの技術と、スペイン植民地時代以前からあった陶器づくりの文化が融合して生まれたもの。本家のマヨルカ焼きとはまた違った、メキシコならではのデザインが可愛らしいですよ。

タラベラ焼きには認証制度や異なる種類があるんです


プエブラの名産品であるタラベラ焼きですが、まず知っておきたいのが、プエブラで生産される焼き物はすべてタラベラ焼きというわけではないということ。

実は、指定された地域および認証機関から認定された特定の工房でつくられる作品のみがタラベラ焼きと呼ばれるのです。


これまでに認定されたタラベラ焼きの工房は全部で9つで、 「Talavera Armando」 、「Talavera Celia」、「Talavera de las Americas」、「Talavera de la Luz」、「Talavera La Reyna」、「Talavera de la Nueva Espana」、「Talavera Santa Catarina」、「Uriarte Talavera 」そして「Talavera Virgilio Perez」。

また、タラベラ焼きにはいくつかのスタイルも存在します。


最上ランクである「セルティフィカーダ(Certificada)」は、青・黒・緑・オレンジ・黄の5色のみの天然顔料を用いた、もっとも伝統的な手法でつくられる陶器。陶器の裏にはプエブラの地名や認証された窯元の称号のサインが書かれており、デザインもシックなものが多い印象です。


上記の色のほかに、赤など指定外の色を加えてデザインしたのが「コロニアル(Colonial)」とよばれるスタイル。見た目やクオリティは「セルティフィカーダ」とほとんど変わりませんが、最上ランクに認定された種類ではないため、お値段は比較的手頃です。


そして「モデルナ(Moderna)」と呼ばれる最新のスタイル。より低価格で広範囲に流通させるため、伝統的な手法は用いません。陶器を焼いたあとに表面をコーティングするように絵付けをしたもので、色やデザインなどはフリースタイル。

このスタイルでつくられた“タラベラ風焼き物”はプエブラ市内のメルカドや認証外のショップなどで多く売られているため、簡単に見つけることができますよ。

プエブラシティのおすすめ工房


ここでは、実際にプエブラへ訪れてタラベラ焼きを買ってみたい!と思った方に向けて、プエブラシティのおすすめ工房を紹介していきます。

ウリアルテ・タラベラ(Uriarte Talavera)


「ウリアルテ・タラベラ(Uriarte Talavera)」は、1824年にプ設立され設立され、メキシコ政府から最初に認証された工房としても知られる場所。メキシコ国内で最も古いタラベラ焼き工房の一つで、16世紀から続く技術でものづくりを続けています。


作品のデザインには、コロンブスが上陸する以前にあったアメリカ大陸の伝統芸術を用いているほか、現代のさまざまなアーティストとコラボレーションして生み出された唯一無二のデザインも。高品質なプエブラ焼きが種類豊富にそろっています。

■詳細情報
・名称:Uriarte Talavera
・住所:Av. 4 Pte. 911, Centro histórico de Puebla, 72000 Puebla, Pue.
・地図:
・営業時間:10:00~18:00, 日曜日のみ10:00~17:00
・定休日:なし
・電話番号:+522222325126
・公式サイトURL:https://www.uriartetalavera.com.mx/

タラベラ・アルマンド(Talavera Armando)


作品の購入だけではなく、実際に工房見学も体験したいなら「タラベラ・アルマンド(Talavera Armando)」がおすすめ。この工房も認証を受けた場所で、「セルティフィカーダ」から「モデルナ」まで幅広いスタイルの陶器が展開されています。


また、毎日9:00〜17:00までの間に有料の工房見学ツアーが行われているのも魅力。製作のプロセスを知れるだけでなく、実際に職人たちが絵付けをしている現場を見学でき、貴重な機会となるはずです。また、タラベラ焼きに関する美術館やレストランも併設されています。

■詳細情報
・名称:Talavera Armando
・住所:Calle 6 Nte 408, Centro histórico de Puebla, 72000 Puebla, Pue.
・地図:
・営業時間:9:00~20:00
・定休日:なし
・電話番号:+522222326468
・公式サイトURL:https://4travel.jp/os_shisetsu/10390970

奥深いぞ、メキシコの焼き物


シンプルなものからカラフルなものまで、デザインも豊富。プエブラへ行けば、きっとあなたのお気に入りのタラベラ焼きを見つけることができるでしょう。 可愛さのあまり、買いすぎないよう要注意!

All photos by Hisako Tanaka

ライター

1994年生まれ。国内の旅行WEBメディアでライター・編集者の経験を積んだのち、2021年よりオアハカに在住。アートシーンやフードカルチャーを中心に、メキシコで見つけた〈おもしろいもの、すてきなもの。〉を取り上げています。

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