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1996年東京生まれ。ステキな人やモノを広めるライター。2019年にフリーライターとして独立し、インタビュー記事、地方取材記事、イベントレポート、プレスリリースなどの執筆を手がける。短期間でサクッと行く旅と音楽が好き。普段は多国籍なシェアハウスで暮らしています。

こんにちは、TABIPPO編集部の伊藤美咲です。

この記事は、2022年7月5日に行われたオンラインイベント「旅の定義はどう変わる?コーチングの視点から見る観光の未来」のレポート記事です。

このイベントでは、ゲストに経営コンサルティングを経てプロコーチとして独立、その後コーチングを主軸に様々な事業を展開している株式会社タレントイノベーションCEOの兼若勇基さんをお迎え。TABIPPO代表の清水と、コーチング視点で観光の未来についてトークセッションをしていただきました。

コーチングは、相手に問いかけ、相手の発見を促し、自ら選んでもらうことを促す行為です。兼若さんによる問いかけにより、観光の未来について深掘りできた本イベント。旅の本質的価値に気づける内容になっているので、ぜひ最後までご一読ください。

コーチングの視点から見る観光の未来|Think Tourism

コーチングの視点から見る観光の未来|Think Tourism

(以下、トークイベントより抜粋)

これからの未来、生き残る旅とは?

兼若

まずは、TABIPPOのビジョンを改めて伺いたいです。

清水

TABIPPOはビジョンに「旅で世界を、もっと素敵に。」を掲げ、旅を広めるために活動している会社です。今の時代は旅に価値がないと思う人が多いから、みんな旅に出ないんですよね。

兼若

それは悲しいですね。コロナ禍で観光業界はかなりダメージを受けたと思いますが、観光復興を目指すにあたって、TABIPPOが取り組んでいることって、何かありますか?

清水

これまでの旅はレジャーとして消費する旅でしたが、投資として考えてもらうことが必要だと思っていて。だからこれからは、人を豊かにしたり成長させたりするものだという認識を広めていくことが大事だと考えていますね。

兼若

なるほど。じゃあ、これからの時代、2040年頃には今よりもっとテクノロジーも進んで、社会に影響があると思いますが、旅はどうなっていると思いますか?

清水

テクノロジーの発展が進んだり便利になったりすればするほど、リアルな体験価値が上がると思っています。

旅って、わざわざ行く必要はないけど行ったからこそ体験できることや、不便だからこそ得られる「不便益」がたくさんありますよね。テクノロジーが発展することによって、旅の価値が奪われることは全然ないと思います。

兼若

うんうん。旅と言ってもさまざまな形があると思いますが、この先生き残る旅と生き残らない旅の違いは何だと考えますか?

清水

レジャーとして楽しい旅は、残らないと思っています。楽しいだけの旅は、お金や時間もかかるのに、ストレスも感じるからコスパが悪いんですよね。

今はネットフリックスやYouTubeなど、安価でいくらでも楽しめるコンテンツがたくさんあるじゃないですか。だから、エンタメやレジャーとして消費する旅は消えていくのかなと思います。

人を成長させるのは旅と恋!?旅と教育の関係性

兼若

今日は僕から質問させてもらう機会が多いですが、じゃあ次は、旅で得られるものって色々あると思うので、その観点から教育と旅の関係性について聞きたいなと。

清水

いい話ですね! 僕は、じつは教育学部出身なんですよ。それで、教員免許を持っているので、教育的な思想はベースとして持っています。それでよく、TABIPPO世代の人たちには、生きる力を身につけなければいけないと言っているんですよね。

力を身につけるための手段はたくさんあるけど、日常から抜け出して見たことないものを見たり学んだりすることは間違いなく必要です。世界と比較しても日本は圧倒的に外を見ていないので、教育的視点でも旅は広まった方がいいと思いますね。

清水

別の視点からの話をすると、最近はワーケーションや旅するように暮らすという言葉が普及して、旅と仕事と暮らしの境目もなくなっているんですよね。

そして、教育と旅と仕事と暮らしが混ざった上で、観光や旅行の新しい未来ってなんだっけ?というのが今日兼松さんと話したい大きなテーマでした。

兼若

わかります。これからはたとえば、1か月ごとに住む場所を変えて、旅しているのか住んでいるのかわからない状態、というスタイルももっと当たり前になっていきますよね。

TABIPPOはメディアで記事を出したり、イベントを開催したりと旅の文化を広げるイメージがありますが、今後力を入れていきたいことや事業展開の展望って、どんなところにあるんですか?

清水

僕らが力を入れていきたいことのひとつは、ニューノーマルトラベラーが育つ学校「POOLO」です。POOLOは学校として教育やコミュニティ運営をしている場所なので、今の話と通ずるところがありますよね。

義務教育を変えることはなかなか難しいし、現状の内容もひとつのやり方ではあるので、大人になってからも学べる場所として学校を作りました。

今のPOOLOはオンラインの講義が中心ですが、今後世界中に校舎ができて、旅をしながらいろんな人が学べるようになるといいですよね。いつかは、あの大学の生徒よりPOOLOの学生の方が多いと言われる世界観を作りたいですね。

兼若

なるほど。POOLOでいろんな生き方や価値観を知った人が、親になって教育をしたときに、子どもたちがどうなっているかが大事ですよね。

清水

そうだと思います。今から20年後には、今とはまた違う感性を持った子どもが育っていると思います。2010年にTABIPPOを創業してからの10年で社会がポジティブに動いた感覚もあるので、この先の10年もかなり変わるのかなと。

兼若

旅って一見教育に見えないかも知れませんが、旅先でのさまざまな経験を通じて柔軟な考えになっていくから、じつは教育につながっているんですよね。

清水

僕は昔から「人を成長させるのは旅と恋」って冗談半分で言ってるんですけど、結構本気で思っていて。

人が成長する手段はたくさんあるけど、その中でも大きく人の価値観に影響を与えるものが旅と恋愛だから、旅をすることで揺さぶられる経験を子どもにもしてほしいなと思いますね。

質疑応答[1]:旅を消費ではなく投資と考えると、旅に出るハードルが高くなるのでは?

清水

旅に出るきっかけって、何でも良いんですよね。僕も旅をして人生が変わった身ではありますが、学ぶために旅を始めたわけではなくて。きっかけは、「あの人に会いに行きたい」とか「あそこの料理が食べたい」で良いんです。

ただ、これまでは旅の本質価値が伝わっていなかったのが問題で。「旅をしたら人生が豊かになるんだ」ということを頭に入れておいて、それを旅先で思い出すだけで旅の仕方が変わってくると思います。

質疑応答[2]:親子旅を広めたい。子持ち世代に旅の一歩を踏み出してもらうには?

清水

旅の本質価値をそのまま伝えても伝わりづらいので、わかりやすいメリットやワクワク感も提示してあげることが必要だと思っていて。面白そうと思わせる伝え方をしつつ、本質的な価値もきちんと伝えてあげることが大事だと思います。

例えば先日開催した知床のツアーでは、クマやシャチが見れる世界自然遺産の旅として打ち出しています。でも、実はその裏では本質的価値として現地の方とコミュニケーションが取れたり、いろんな暮らし方を知れたりできるようになっています。僕らもツアーなどの見せ方は常に意識していますね。

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