突然ですが、遠方に住んでいる両親から「今度東京に遊びに行くからどこか案内してよ」と言われたら、あなたならどこへ連れて行きますか?親世代の人が楽しめる場所ってどこだろうと、きっと、悩む方も多いのではないでしょうか。SNSやWEBメディアで観光スポットを探すと、どうしても自分が知っている情報をもとに検索するので、結局どこなら両親に喜んでもらえるのだろう…と悩むこともあると思います。
そんなときこそ、スマホで調べるのではなく「東京観光情報センター」でプロに相談しておすすめスポットに行ってみるというセレンディピティな旅をTABIPPOではご提案します。(東京観光情報センター詳細についてはこちら)※すべて撮影時のみマスクを外しています。
歩いている中で想像していなかった景色に出会うのも旅の醍醐味
セレンディピティとは、偶然の出会いを体験するということ。自分の力だけで探そうとしてもなかなか候補地を絞り込めなくて大変なので、親子で一緒に東京観光情報センターを訪れて、東京を熟知したコンシェルジュに相談しながら、好みや要望に合わせた場所を提案してもらうのがおすすめです。
今回は「東京観光情報センター」を活用した、20代女性と関西から東京に訪れたお母さんの親子旅の様子をレポートします。
今回、東京観光情報センターを訪れたのは、365日旅暮らしをする杉野遥奈さんと関西在住のお母さんの二人。
「久しぶりに東京に遊びに行きたい」と連絡を受けた遥奈さん。旅行経験が豊富な遥奈さんですが、「お母さんと一緒に東京を楽しむにはどこが良いのだろう」とお悩みの様子です。
そんなお二人に、東京観光について相談できる東京観光情報センターからスタートする旅をご提案。杉野さんのお父さんとお母さんは、なんと旅先で出会って結婚したという、筋金入りの旅好きご家族。今回はそんなお母さんを満足させるべく、「遠方から来た親と一緒に東京を楽しむ」ことをテーマに親子旅の様子をレポートします!
新宿で合流し、「東京観光情報センターバスタ新宿」へ
関西から訪れたお母さんとは、バスタ新宿で合流。「東京観光情報センターバスタ新宿」は、新宿駅新南口と直結し、長距離バスの発着地となっているため、待ち合わせしてそのまま相談に行くのに便利な立地です。
施設内には大きなスクリーンや楕円形のカウンターがあり、入口側には東京都内各地のパンフレットがたくさん並んでいます。
「お母さんは東京のどこへ行ったことがあるんだっけ?今日は何したい?」と遥奈さんがリードしながら、パンフレットを読む二人。
東京には観光スポットがたくさんあるので、お母さんもすぐに決められずに迷っている様子。それならば、プロにおすすめスポットも聞いてみようということで、着物姿のコンシェルジュに「関西から遊びに来た母と都内を巡るのにおすすめなスポットはありますか?」と相談してみることにしました。
遠方からの長距離移動を終えたばかりのお母さんは、「まずはランチが食べたい」と希望。さっそくおすすめの飲食店を聞いてみました。
「どんな物がお好きですか?」というコンシュルジュの質問に、「家ではあまり食べないようなものがいいです。洋食以外の気分かな」とお母さん。「最近は新大久保の韓国料理店や、浅草での食べ歩きが人気ですよ」と、パンフレットや電子タブレットの資料などを活用しながら教えてもらいます。
「食べ歩きって楽しそうだね!」と話すお母さんに、遥奈さんも「いいね!私たち食べるの大好きだもんね」と盛り上がっていました。新大久保や浅草は以前に行ったことがあるため、他のエリアでも食べ歩きができるか聞いてみることに。
「では、上野はどうですか?アメ横商店街で食べ歩きもできますし、海外から取り寄せた商品もたくさん並んでいますよ。あとは新しくできたフォトスポットや、海鮮が美味しいお店もあります」と、コンシェルジュからご提案。
「上野は行ったことがないので、行ってみたいです!久々に美味しい海鮮が食べたい!」とお母さんもピンときたようで、この日の行き先が上野に決定しました。
・名称:東京観光情報センターバスタ新宿
・住所:渋谷区千駄ヶ谷5-24-55 バスタ新宿3階
・地図:
・公式サイト:https://www.gotokyo.org/jp/plan/tourist-info-center/index.html#center2
スポット①新鮮な魚介を味わえる!吉池食堂
まずは早めのランチを食べに行くことに。新宿から山手線に乗り、御徒町駅で下車してすぐのところにある「吉池食堂」を訪れました。
創業102年の魚介専門店「魚の吉池」の直営店で、とれたての新鮮な海鮮を使用した料理を堪能できると地元の方からも人気のお店です。
北海飯 ¥1,300(税込)
「吉池食堂」の一番人気は、鮭、カニ、ホタテ、いくらをたっぷり堪能できる「北海飯」!ボリュームたっぷりなのにリーズナブルな価格なのは、鮮魚の卸の直営店だからこそ。絶品だったのは言うまでもありません。二人ともペロリと平らげて大満足でした。
いろんな種類の新鮮なお刺身を存分に味わえる海鮮丼もおすすめです。
食事に夢中になっていると、店員さんから「窓からの景色もぜひ楽しんでみてくださいね。晴れた日にはスカイツリーがきれいに見えるんですよ」と教えてもらいました。
ビルの9階に店舗があるので、アメ横を歩く人の流れや電車が行き来する様子を眺められます。
1階には市場もあり、たくさんの魚介類がずらりと並んでいます。スーパーではあまり見かけないような珍しい魚も多く、杉野さん親子も「この魚なんだろう?」と興味津々でした。
スポット②食べ歩きや買い物が楽しめる!アメ横商店街
続いて訪れたのは上野で外せない観光スポット、「アメ横商店街」。上野駅と御徒町駅の間に位置する商店街で、400軒以上の店舗が並んでいます。
雑貨屋や飲食店などあらゆるジャンルのお店が並ぶなか、まず二人が足を止めたのは100種類以上のドライフルーツやナッツが揃う「小島屋」。
たくさんのナッツやドライフルーツが並ぶ光景は、見ているだけでもワクワクします。旅好きなお二人は、店主が厳選して世界中から取り寄せた商品に目が釘付けになっていました。「味見もできるよ、どれが食べたい?」と店員さんのおすすめもあり、いざ試食。
「こっちのマンゴーは爽やかな味だよ、こっちはちょっとだけ酸味があるよ」とお店の人が説明してくれます。「マンゴーって産地によって味が全然違うんですね!」とお母さん。お店の方とのやり取りをとても楽しんでいました。
気になるものをたくさん味見させてもらって、一番気に入ったマンゴーのドライフルーツをお買い上げ。
「小島屋」を後にし、向かった先はコーヒースタンド「Coffee by Jalana」。新しくおしゃれなコーヒースタンドができたので、休憩も兼ねて立ち寄ってみてはどうかと東京観光情報センターのコンシェルジュに教えてもらったお店です。
老舗のインポートショップ「Jalana」が2021年に新しくオープンしたコーヒースタンドで、西海岸風ガレージのような雰囲気になっています。「ニューヨークの街中にあるカフェみたいでおしゃれ!」と、旅好きな親子ならではの感想も。
インポートショップ「Jalana」
美味しいアイスコーヒーを前に満面の笑みを浮かべるお母さんを、遥奈さんがパチリ。二人ともアメ横の開放的な雰囲気がとても気に入ったようです。お店の前にあるテラス席でオリジナルブレンドのコーヒーを味わいつつエネルギーチャージをしたところで、次のお店探しへと向かいます。
・名称:Coffee by Jalana
・住所:東京都台東区上野6-10-1
・地図:
・公式サイト:https://www.instagram.com/coffee_by_jalana/
続いて遥奈さんが行きたいお店があると立ち寄ったのは、「魚塚」。
ここは、遥奈さんの友人が働いているお店!「せっかく来たんだし、これ食べていきなよ」と言われて、早速また食べ歩きを開始。ここでも珍しいお刺身などを味わっていました。
そして、次は上野を訪れた記念にぜひ立ち寄ってほしいとコンシェルジュにおすすめされた、アメ横センタービルのM2階に設置されたIoTフォトスポットサービス「フォトビーズ!」へ。
QRコードをスマホで読み込むと上空に設置されたカメラが起動して、無料で3枚の写真撮影ができるサービスです。不思議な形をしたオブジェに乗って撮影すると……!
なんと、上空から「アメヨコ」の文字が見えました!これは思い出に残ること間違いなし。「撮った写真、お父さんにも送ってあげてね」と、お母さんも嬉しそうです。
・名称:フォトビーズ!
・住所:東京都台東区上野4丁目9-15 M2F アメ横センタービル
・地図:
・公式サイト:https://quicpigeon.com/photobe-s/spot/m2ameyoko/
他にもアメ横商店街のエリアには、各地域から取り寄せた商品がたくさん並んでいます。初めて見るものやこれまでに行った旅先を思い出すようなものもあり、「これって前に旅行で行った〇〇で食べた食材じゃない?」と、親子の会話も途切れることなく弾んでいました。
さまざまな文化が入り混じるアメ横商店街を堪能したところで、次の観光スポットを探しに行くことに。
「東京観光情報センター京成上野」で新たな観光スポット探し
当初の目的であった食べ歩きや海鮮料理を楽しんだところで、「お腹がいっぱいになったから、景色の良いところでも歩きたいね。上野って他にも観光スポットあるかな?」と話す二人。上野には「東京観光情報センター京成上野」があるということで、再度コンシェルジュに行き先を相談してみることにしました。
雷門のポスターやパンダのぬいぐるみがあり、台東区ならではの特色が感じられる内装です。パンダは季節に合わせてコンシェルジュが洋服を手作りして着せ替えているそうです。「東京観光情報センターバスタ新宿」とはまた違った雰囲気を味わえます。
「御徒町から上野まで歩いて、海鮮料理やアメ横商店街散策を楽しんできたのですが、他に上野のおすすめスポットはありますか?」と遥奈さん。
「そういえば上野って昔ながらの街並みというイメージもあるけれど、このあたりで昔の風景を見られるような場所はあるのかしら」とお母さんも要望を伝えたところ、「それでしたら、古き良き時代の下町文化や歴史に触れることができる下町風俗資料館へ行かれてはいかがですか?来年から休館となるので今がおすすめです。ここからですと、不忍池周辺をお散歩しながら行けますよ」と、コンシェルジュが紹介してくれました。レトロな雰囲気の資料館に、遥奈さんも「行ってみよう!」と大賛成。
・名称:東京観光情報センター京成上野
・住所:台東区上野公園1-60 京成上野駅改札口前
・地図:
・公式サイト:https://www.gotokyo.org/jp/plan/tourist-info-center/index.html#center4
スポット③自然の中でリフレッシュ!上野恩賜公園
コンシェルジュから「上野恩賜公園内の不忍池の蓮の花がちょうど咲き始めた頃なので、池の周りをお散歩するのも気持ちがいいですよ」と、旬の情報も教えてもらいました。
公園内には不忍池(しのばずのいけ)やボート池があり、周りを歩きながら、「スワンボート、小さい頃に旅先で乗ったよね」と親子の会話が弾んでいるようでした。春には桜、夏には蓮や紫陽花など、季節ごとのお花や風景が満喫できるのも、不忍池の見どころです。
通りがかった地元の方から、「この辺は6月には紫陽花が見頃なのよ。桜の時期はちょっと混むけれど、スワンに乗って池から見る桜も格別よ」なんて教えてもらう場面も。「今度は桜の季節にボートの上からお花見したいね」と話しながら不忍池をあとにしました。
都会らしい高層ビルと緑豊かなボート池を眺めながら、親子水入らずのゆったりとした時間を過ごせました。
・名称:上野恩賜公園
・住所:台東区上野公園・池之端三丁目
・地図:
・公式サイト:https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/jimusho/toubuk/ueno/index_top.html
スポット④レトロな雰囲気が堪らない!下町風俗資料館
この日最後に訪れたのは、「下町風俗資料館」。高層ビルの都会ではなく、昔の東京下町の暮らしを知ることができるレトロで落ち着く場所に行ってみたいというお母さんの希望で、コンシェルジュに紹介してもらいました。
古き良き時代の東京・下町の文化や歴史を後世に伝えるべく設立された文化施設です。
テレビドラマでしか見たことのなかった、100年ほど前の下町の長屋や駄菓子屋などが展示されていて、過去にタイムトラベルしたような気分を味わえます。学芸員さんがいらっしゃったので、長屋暮らしの様子や何に使われていた道具なのかなど、展示されているものについてもたくさん質問をしていました。「これ、お母さんが小さい頃におばあちゃんの家にあったのよ」と、懐かしがりながら遥奈さんに思い出話をする場面も。
好奇心旺盛な遥奈さんも、興味深そうに自分が生まれる前の時代について学んでいました。便利ではなかった当時だからこそ味わえる暮らしの素晴らしさや、その時代の生活の知恵が現代にも受け継がれていることを考えるきっかけにもなりました。
・名称:下町風俗資料館
・住所:台東区上野公園2-1
・電話:03-3823-7451
・地図:
・公式サイト:https://www.taitocity.net/zaidan/shitamachi/
※令和5年の春から令和6年度内まで、リニューアル工事のため休館となります。
東京観光情報センターで楽しむ親子旅のススメ
今回は、関西から東京に訪れた母と娘の親子旅で訪れる観光スポットを、バスタ新宿と京成上野の2ヶ所の「東京観光情報センター」で紹介してもらいました。観光のプロに案内してもらった場所を巡ることで、好みに合わせたスポットに行けるだけでなく、自分では見つけられなかった情報を入手できたり、地域の人との素敵な出会いがあったりと、杉野さん親子にとって思い出に残る旅になったことでしょう。
「観光のプロに尋ねて巡る旅は初めてでしたが、自分では探せないような思いがけないスポットも紹介してもらえて、新鮮で楽しかったです」と遥奈さん。「要望に合わせてたくさんの場所を提案してもらえるし、最新の情報を知ることができるので、とてもありがたかったです。東京観光するときは、またぜひ利用したいと思います!」とお母さんも喜んでくださいました。
東京観光情報センターを起点に巡る旅を、ぜひみなさんも体験してみてくださいね。
All photo by Yuki Yamashita