ライター
川波 恵子 旅する臨床検査技師

旅する臨床検査技師けーちゃん。訪問国数は39ヶ国。臨床検査技師として働く傍ら、出張撮影サービスのカメラマンをしたり、世界一周をしたりアメリカ横断したり、フォトコンテストで世界1位になったり(IPA 2023)。「やりたい事は全てやる、行きたい所は全て行く」をモットーに世界中を旅しています。好きなことはカメラと美味しいチョコレート探し。今の目標は宇宙旅行。

世界で2番目の国土の広さを誇るカナダでは、車は必需品。車がないと買い物に行けない人も多くいます。

観光地であっても電車やバスが走っていなかったりするので、観光の際にも車があるととても便利ですが、日本と交通ルールが違うことで不安に感じる人も多いかと思います。

そんな人に向けて、カナダ随一の観光名所でもあるバンフでツアーガイド兼ドライバーをしており、日本の二種免許に相当する「Class4」の免許を持っている私が、カナダで運転する上で知っておきたいルールを解説します。

慣れるまでが大変、左ハンドル右側通行

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カナダと日本の交通ルールで一番大きな違いは「左ハンドル右側通行である」という点です。

それに伴い、追越車線も日本と反対の左車線。日本もそうですが「中央分離帯のある方が追越車線」と意識するのがいいでしょう。

私自身も初めの頃に、左折後にうっかり逆走してしまったことがあり、慣れるまでは「右側通行、右側通行……」と呟きながら運転する日々でした。

また、ウィンカーレバーとワイパーレバーが日本とは左右逆に付いており、「ウィンカーを出したつもりがワイパーが動いてしまった」という経験も多くしました。

赤信号でも右折OK

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ケベック州のモントリオールを除いては、たとえ赤信号であっても、一時停止をして安全を確認後、右折することができます。

右折レーンで停止していると、後ろからクラクションを鳴らされてしまうことも。

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ただし、赤信号での右折禁止を示す標識がある場合は、停止して青信号になるのを待ちましょう。

日本とは掲示方法が違う、street名標識

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カナダでは、日本以上に細かくそれぞれの道に名前が付いています。

「110 Bear St(Bearストリートの110)」のように、建物に面しているストリート名が住所になることがほとんどで、目的地に行く際には”どのストリートにあるか”を気にすることが多いです。

日本と同じように、信号機の上部にストリート名を表す看板があるのですが、日本とは違い”その看板に並行に走る道路のストリート名”が書かれています。

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例えば上の写真、信号機の横に「SOUTHLAND DR」というストリート名が書かれていますが、これは前方に伸びる道路ではなく、左右に広がる道路の名前を表しています。つまりは、右折もしくは左折すれば「SOUTHLAND DR」の通りを走ることになります。

ナビを使っていれば、ストリート名まで気にしないこともありますが、知っているとより運転しやすくなる大事なポイントです。

スクールバスには要注意

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カナダの運転免許取得のためのテキストにおいて、多くのページ数が割かれているのが「スクールバスについて」。必ずと言っていいほど筆記試験に出題される、とても大事なルールです。

日本にはないルールで馴染みがない人がほとんどかと思いますので、必ず事前に頭に入れておきましょう。

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スクールバスは止まる直前に黄色のライトを点滅させるので、前方にバスが走っている場合は止まる準備をしましょう。

バスが止まると赤色のランプが点滅し、左側から「STOP」のサインが出てくるので、その時点でバスから約20m(車4〜5台分)の間隔をあけて完全に止まらなければなりません。

このルールはバスの後続車だけでなく、隣の車線の車、さらには対向車線(中央分離帯がない場合)にも適用されるので注意が必要です。

スクールゾーン・エリアとプレイグラウンドゾーン・エリア

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「スクールゾーン・エリア」と「プレイグラウンドゾーン・エリア」はカナダでよく見る看板のひとつ。

スクールゾーンの場合、基本的には学校がある日の「登校時間、ランチ時間、下校時間」が対象となります。州などによって時間は違いますが「8:00〜17:00」の間で設定されていることが大半。

学校の近くに設置されており、特に掲示がない限りは「時速30km以下」での走行が義務付けられています。

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プレイグラウンドゾーンは公園などの近くに設置されており、「時速30km以下」で走行しなければなりません。

時間は州により違いますが、BC州では「毎日、夜明けから夕暮れまで」、AB州では「毎日8:30から日没の1時間後まで」が対象となっています。

両者とも、これらの看板が設置されている位置から、「END SCHOOL ZONE」といった終わりを知らせる看板や、「MAXIMUM 50」といった最高速度が上がる看板までが適用となります。

踏切は停止不要

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踏切の渡り方も日本と大きく違います。

日本では「踏切前で一時停止」しなければいけませんが、カナダでは一部の商用車等を除き、基本的には必要ありません。

ついつい癖で一時停止してしまいがちですが、後続車がぶつかるなど、逆に危ないので注意しましょう。

ただし、路面に「×」マークやストップラインが書かれている場合と、踏切を知らせるポールに「STOP」サインがある場合は、一時停止して安全を確認してから渡りましょう。

日本と逆回り!サークル、ラウンドアバウト

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環状交差点は英語で「サークル」「ラウンドアバウト」と呼ばれ、ルールも日本とほぼ同じですが、注意したいのはその回転方向。

日本は時計回りで回るのに対し、カナダは逆の「反時計回り」です。

サークルの中を走る車両が優先なので、入る際は他の車両をしっかり確認しましょう。サークルから出る直前に右ウィンカーを点滅させ、サークルから完全に抜けるまで出し続けます。

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2車線ある場合、右車線からサークルに入る場合はサークル内でも右(外側)車線を、左車線から入る場合はサークル内でも左(内側)車線を使いましょう。サークル内の車線変更は禁止です。

カナダでは環状交差点をよく見かけますので、ルールをしっかり頭に入れておきましょう。

大通りでは注意、Lane reversal signal

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何車線もあるような広い道路で見かけるのが「Lane reversal signal」と呼ばれる信号です。

高い位置に「×」もしくは「○」が表示されている信号で、○の表示がある斜線は通行可、×であれば対向車線が走るので通行不可を表します。

信号は時間や日によって変化するので、この信号を見かけたら必ず確認しましょう。

日本では見慣れない標識

ここでは、カナダでよく見る標識や、日本にはないカナダ特有の標識を紹介します。

Permissive Sign

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緑色の丸で記号等を囲んでいる標識を「Permissive sign」と言い、許されている行為を表しています。

例えば、緑の丸で「P」が囲まれていたら「駐車可」の意味。逆に赤丸に斜線のマークは「禁止」されていることを表します。

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川波 恵子 旅する臨床検査技師

旅する臨床検査技師けーちゃん。訪問国数は39ヶ国。臨床検査技師として働く傍ら、出張撮影サービスのカメラマンをしたり、世界一周をしたりアメリカ横断したり、フォトコンテストで世界1位になったり(IPA 2023)。「やりたい事は全てやる、行きたい所は全て行く」をモットーに世界中を旅しています。好きなことはカメラと美味しいチョコレート探し。今の目標は宇宙旅行。

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