ライター
Yu Villegas 元パティシエ&日本語教師

娘二人が産まれてからも、旅は引き続き人生の生きがい。格安航空券を見つけては、週末旅に出かける日々。元パティシエ&日本語教師。旅で何よりも楽しみなのは、そこでしか食べられないローカルフードや地元の人々との交流。渡航国数34ヵ国。現在はワーホリ以来12年ぶりにドイツ滞在中。 インスタやブログでも旅情報を発信中。

こんにちは、トラベルライターのYuです。

最近、旅好きが多いミレニアル&Z世代にもお子さんが生まれ、旅のスタイルが変わったという話を耳にします。

私にも現在8歳と5歳の娘たちがいるのですが、やはり以前とはすっかり旅のスタイルが変わりました。

子連れ旅は、正直大変な場面もたくさん。しかし今となってはどの旅行も「娘たちと一緒に行けてよかった」と心から感じるので不思議なものです。

また、旅を通して娘たちの成長を感じることも多々あり、やっぱり旅って良いなぁと実感することも。

この記事では近年注目を集める「旅育(=旅を通して子供を育てる)」についてや、わが家の旅育をご紹介します。

子連れ旅をお考えの方は参考に、また若い方は「ライフステージごとの旅の楽しみ方がある」「将来子供が生まれても、旅は楽しみ続けることはできる!」ということを心の片隅に入れてもらえれば何よりです。

旅を通して親子で成長する、「旅育」


近年話題の「旅育」という概念。

「旅を通じた子育て」、「旅の体験を通して、豊かな人間性を育む」などが広く浸透している定義で、子育て世代から注目を集めています。

子供に目標設定をさせる、旅のテーマを決める、など様々な旅育アプローチが提唱されているので、旅育のアイデア探しにリサーチしてみてもGood。


しかし「これを学ばせたい!」と意気込みすぎると、親も子供も旅自体を楽しめなくなってしまいそうなのも事実。

個人的には、それぞれの家庭ごとの「旅育」があれば良いと感じています。

わが家の場合は、「世界のおいしいごはんを一緒に楽しむ」「世界を身近に感じながら育ってほしい」、そして将来も旅好きな大人になってくれれば良いなぁと願いながら、旅を続けています。

旅は、子供の成長に良いこと尽くし!


大人になってからも、旅先で見たり体験したりしたことは、後々になっても鮮明に覚えているもの。

それは子供にとっても同じ……いえいえ、それ以上のインパクトがあるのです。

例えば、学生時代の修学旅行や社会科見学って今でも割と記憶に残っていませんか?

これを家族単位でするものが、まさに「旅育」なのです。

机上の勉強よりも、実際に見て体験して得たものは生涯の財産になります。


また、「家族と一緒に過ごせて楽しかった」という体験は、心を安定させて親子関係によい影響を与える結果に。

それだけでなく、親も旅行によって気分転換でき、育児や仕事のモチベーション向上につながるといったメリットもあるそうです。(参照元:村田和子著「家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ 旅育BOOK」)

事前準備から旅育はスタート


さて、ここからはわが家の例も交えつつ、「旅育」の実践方法を紹介していきます。

ただ、各家庭やお子さんの性格・特性それぞれに合った「旅育」があると思うので、あくまで一例として読み進んでみてくださいね。

まず、旅は事前準備からスタート。子供の年齢にもよりますが、旅の準備に少しでも子供を関わらせると、旅の楽しみも増します。


「どこに行きたいか」を先に決めても良いですし、「何をしたいか」を決めてから旅先を選ぶという方法も◎。

「どんなローカルフードや、有名なランドマークがあるのか」等を絵本や動画で一緒に見ておくのもおすすめ。現地でそれを食べたり見つけたりしたときは、子供たちも喜びますし、後々まで覚えていたりします。

海外旅行に行く場合は、現地の言葉で「ありがとう」や「こんにちは」を事前に練習しておいて、旅先で一緒にたくさん使ってみるのも良いですね。


わが家の場合は、4歳ころから自分用スーツケース・リュックを持たせ、旅行中に使う塗り絵やシールブック、おもちゃ、お菓子などを自分で選ばせ詰めさせています。旅行の時にしか食べられないお菓子や、グッズを用意しておくと、子供たちにとってさらに旅の特別感が増すのでおすすめ!

自分で選んだものなので、「これは嫌だ~!」とぐずることもなくなり、移動中やレストランの待ち時間も親子でリラックスして過ごせるようになりました。

きっかけは私が荷造り・荷物運びの楽をするためだったのですが、今や事前準備のハイライトとなりつつあります(笑)

できれば、赤ちゃんの時から旅に連れ出そう


子連れ旅で1番のネックと言えば、「移動時間」に尽きるかと思います。

子供が小さい時は、長距離移動はできれば避けたいと思うところなんですが、個人的には「赤ちゃんの時からたくさん連れ出すべき」と実感します。

赤ちゃんの時から旅(=移動)を繰り返すと、それがその子にとっては当たり前になり、移動が苦にならないという現象が起こるのです……!


わが家の末っ子は通称「生まれた時からイヤイヤ期」というくらい、どんなことにも愚図るかなりの強者なのですが、物心つく前の生後2か月から引越しや日本へ一時帰国など、長距離移動を体験。

その後も旅行を繰り返した結果、車や飛行機などの移動中は愚図ったことがないんです。(普段は場所見知り、人見知りなので、偶然ではないはず……!)


また、親も親で旅先での荷造りやおむつ替え、授乳、移動などにどんどん慣れてくるので、子連れ旅への心持ちのハードルが低くなるという利点も。

子供が小さい時なんて本当に一瞬。そんな特別な瞬間に、家族旅行するのはかけがえのない思い出となるはずです。

旅先では、特別な体験・思い出作りを


旅先での過ごし方、目的は十人十色。そのため、「旅育を意識した旅行では、これをするべき」という概念はありません。

ただ、旅育や観光マーケティングを専門とする森下晶美教授(東洋大学・国際観光学部)が提唱する旅育の定義は、とても参考になるので以下にご紹介しますね。

「子供と一緒に旅をするときに、意識して盛り込むと良い3つのこと」として、頭の片隅に入れておくと◎。

1. 旅の体験(異文化・非日常体験、旅先での交流など)
2. 人との時間共有(家族・友人との共通体験、想い出づくりなど)
3. 旅を教材とした教育(職業教育、郷土教育、地理・歴史教育など)

(引用元:日本国際観光学会|“旅育”の現状と定義を考える


わが家のケースを思い返してみても、娘たちが鮮明に覚えているのは上記の要素が入ったことが多い気がします。

例えば、砂漠でラクダに乗った・お祭りやミュージカルを見た…(=旅の体験)、家族でハイキングをして、みんなヘトヘトだった…(=共通体験)、イスラム諸国で見た服装の違いや、祈祷風景…(=旅が教材)などなど。


ほかにも旅先からポストカードを自分宛てに送らせるのも、とってもおすすめ!

自宅に飾ると、それをきっかけに旅の思い出話が始まったり、子供たちの長期記憶の助けになったり。

現地で印象に残ったことなどを絵や文章で書いたものは、年齢とともに絵のタッチが変わっていき、とても良い思い出になります。


現地の情報(マスコット、地図、言語、ストーリー)の入った、お土産を買うのも◎。

地図パズルや、外国語のアクティビティブック、絵本など知育系も良いですし、ご当地キャラのグッズでもなんでもOK!ポイントは子供が喜んで使うかどうかです。(うちの場合、The勉強!という感じのグッズは、たいてい使ってくれません…泣)

帰宅してからの旅育

子供の吸収・適応力はすごいものがありますが、年齢が低ければ低いほど、忘れるのも早いです。

でもせっかくなら、楽しかった旅の記憶を少しでも覚えていてくれたら嬉しいですよね。

その助けになるのが、旅先で撮った写真やポストカード、お土産など。

一緒に見て思い出話をするのはもちろん、フォトブックにまとめて子供の手の届くところに置いておくのもGood。

また、旅先がロケ地になった映画を見たり、現地で食べたローカルフードを家で一緒に作ったり……自宅でも親子で旅の続きを楽しみましょう♪

ライフステージ別に楽しむ旅

子供ができると、旅へのハードルが上がるのも事実。それでも、子供と一緒だからこそ見えてくる風景や、楽しみ方はたくさんあります。

何より、旅先で楽しんでいる子供たちの笑顔は最高のひと言。

年齢や、ライフステージごとに旅の楽しみ方は変わります。そして、旅は人生のどのステージでも楽しめます。

今回は「子連れ旅」にフォーカスしましたが、いつか「高齢でも楽しめる旅のかたち」を元気に紹介できる日がくれば良いなと夢見ています。

All photos by Yu Villegas

 

ライター
Yu Villegas 元パティシエ&日本語教師

娘二人が産まれてからも、旅は引き続き人生の生きがい。格安航空券を見つけては、週末旅に出かける日々。元パティシエ&日本語教師。旅で何よりも楽しみなのは、そこでしか食べられないローカルフードや地元の人々との交流。渡航国数34ヵ国。現在はワーホリ以来12年ぶりにドイツ滞在中。 インスタやブログでも旅情報を発信中。

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