「いろんな国に行ってみたい」とは思うものの、まとまった期間を旅行に充てるのは難しいという人もいますよね。
ふと気になったのですが、世界一周でいろんな国を周るのと、年に数回の旅行でいろんな国に旅行をすること、その違いはどこにあるのでしょうか…。
そんな疑問と世界一周中のお金にまつわるあれこれを、この方に聞いてみました。
TABIPPOのコミュニティマネジャー・みっちーこと、恩田倫孝(みちのり)。旅大学の学長や、POOLOの立ち上げ人として知られているみっちーさんが、世界一周をしたのは2013年のこと。
いったいどんな世界一周をしたのか、さっそく話を聞いてみることにしましょう。
「TABIPPOにジョインする前に、世界一周をしたい」
ありー
みっちー
しみなお(TABIPPO代表)たちとシェアハウスをしていたんだけど、その中で「世界一周したことある組」と「世界一周したことない組」がいて、僕は後者だったの。
それで社会人3年目のタイミングでTABIPPOがちょうど会社化しようとしていたこともあって、「TABIPPOにジョインする前に、世界一周に行かないと」って勢いよく出発したんだよね。
ありー
みっちー
どこにいても見つけられそうな色の服…
ありー
みっちー
旅の期間は1年と1カ月くらい。まず成田からアメリカ西海岸のネバタ州に行ってバーニングマンに参加してからフィリピンに戻って英語の勉強した。
そこからスペインを端から端まで歩いて、モロッコに行って。エジプトから、ブラジルに行ってカーニバルに参加して、ウユニ塩湖、コロンビア、グアテマラ、ロサンゼルスに移って。
南アフリカに行って、ナミビアからオーバーランドツアーでケニアに向かい、最後はタンザニアからハノイを経由して日本に帰ってきたって感じかな。
ありー
みっちー
出発前に行き先は決めていなくて、旅先で行きたいところが決まったら、その都度、航空券を取っていたからめっちゃぐちゃぐちゃ!
世界一周って、たいてい西周りか東周りだから、どこの国であった人に別の国で会ったとかってよくある話なんだけど、僕の場合は1回もなかったね。
ありー
みっちー
全部で230万円かな。まず、航空券で50万くらい。1年間行ってたから保険もちょっと高めで20万円、バックパックとか旅の準備で10万円。
残ったのは140万円だから月に10万円ちょっとくらいかけて旅をしていた感じかな。
ありー
みっちー
それが貯めようと思って貯めてたわけではないんだよね。新卒で入社したのが外資系の商社だったんだけど、飲み会は全然なくてわりとハードワーカーだったの。
それにボーナスも結構しっかりもらえる会社だったから、社会人3年目で辞めたときに自然と200万円ちょい口座の中にあったんだよね。
ありー
みっちー
あんまり使ってなかったのかな…。
あとは、シェアハウスに住んでたから恵比寿だけど家賃は4万円しかかかってなくて… 固定費を抑えられていたからっていうのはあるかも!
ありー
旅の目的は、自分が体験したことのない経験をすること
ありー
これが奇祭と呼ばれる「バーニングマン」
みっちー
たしかに、なかなかいないだろうね(笑)。
バーニングマンを旅の最初にしたのは、旅の基準にしようと思ったからなんだよ。実は、その前年の2012年にもバーニングマンには行ってて、めっちゃ楽しかったの。
2013年の世界一周が、それよりも楽しかったらこの旅は楽しいと思えるだろうし、つまらなかったらつまらない旅になっちゃうから、最初にバーニングマンを据えておこうって。
しかもバーニングマンの開催が自分の誕生日だったっていうこともあって、初日にふさわしいなって思ったんだよね。
ありー
みっちー
バーニングマンを終えて、英語の勉強したいからフィリピンに戻ったんだけど、次の行き先を全く決めていなかったのね。
それでシェアハウスのメンバーに「バーニングマンを超える何かないかな…」って聞いたら、スペインとフランスの国境からスペインの西果てのサンディアゴ・コンポステーラまで巡礼があるって教えてくれたの。
ありー
みっちー
だいたい800キロくらいの距離で、1カ月ちょいかかったかな。
一応、4キロおきに巡礼宿があるんだけど、同じ宿には2泊できないっていうルールがあるから、とにかく歩くしかないのよ。大きい都市が途中にあるわけでもなく、ずっと田舎町の道を歩いて、宿で出会った人と話して、歩いての繰り返し。
最初の内は、音楽を聴いたり、歌ったりしてたんだけど、それもすぐに飽きちゃってね。途中からはずっと瞑想状態。
ありー
みっちー
いろんなことが思い出されるの。
小学生のころの何気ないことを思い出して悲しくなったり、「なんであのとき、あの人にあんなことを言っちゃったんだろう」って辛くなったり。それで毎日日記を書くようになったね。
ありー
みっちー
ありー
みっちー
年間で20万人くらいの巡礼者がいるから、結構いろんな人とすれ違うんだけど、そんな大荷物なのは僕だけだったな(笑)。
荷物を見たら英語の勉強用に持って行ったスラムダンクの英語版が14巻くらいあることに途中で気づいたから、読み終わるごとに宿に置いて帰ったらだいぶ軽くなった。
ありー
みっちー
巡礼者用の宿はだいたい5ユーロから7ユーロくらいだから、高くても1泊1000円くらい。
食事も田舎町だからレストランはあんまりなくて、スーパーで買って宿で料理することが多かったんだけど、食費は1日1000円もかかってなかったんじゃないかな。ワインを買っても300円くらいだったし。
トータル1日2000円以下、1カ月6万円くらいだったと思うよ。
ありー
みっちー
スペインの街にて
ありー
みっちー
ありー
みっちー
うん。もともとリズム感もなかったし、音楽センス自体がなかったんだけど。そのカーニバルは、8割くらいの参加者が素人だし、自由なブラジルで挑戦したら自分も成長できるかもと思って!
練習中は、日本人宿に泊まらせてもらうんだけど、合宿みたいで楽しかったな。朝からメトロノーム聞いて、ずっと練習してたし、旅中なのにめっちゃ怒られたけどね。
当時の写真。上半身裸で大太鼓を叩いているのがみっちーさん。
ありー
みっちー
ありー
みっちー
エジプトで出会った人が、前年に参加したことあるって教えてくれて、紹介してくれたんだよね。
レッスン料とかはなく宿代は1か月で10万円くらいだったし、仲の良い友達もできたし、楽しかったな。エジプトで一緒だった人たちとは、今でも交流は続いているんだよね。
ありー
みっちー
当時、文章を書くのが好きだったこともあって、なにか変わった経験がないと書けないなと思ってたんだよね。
だから、1か国に長くいようとしていたからというのはあるかも。
ありー
みっちー
ありー
みっちー
月並みかもしれないけど、財布はポケットに入れずに腹巻に全部入れるってことと、切られないバックパックを持つってことかな。
わざわざ切りづらいバックパックを狙ってくる人はいないからさ、狙われすらしなかったのかも。
世界一周の魅力は暮らすように旅ができること
ありー
みっちーさんは、世界一周する前に、バックパッカーとして旅行したことも何度かあったんですよね?
ずばり、世界一周が普通の旅と違って魅力的なところってなんですか?
みっちー
ありー
みっちー
そう。普通の旅だと「うわー!楽しい」って感じたくらいに、すぐに帰国しなくちゃいけないけど、世界一周は周り方次第で、1か所に長く居られるからさ。
1カ月もいれば、その生活圏の人たちと仲良くなれるんだよね。
ブラジルにいたときも、普通のマンションみたいなところだったから、スーパーに毎日行っていると、働いているおばちゃんたちが覚えてくれたりして、仲良くなれたこともあったよ。
ありー
みっちー
みっちーさんは、この経験があって「#今日のおはよう」ツイートをしているそう
みっちー
ありー
みっちー
フィンランドだね!あとは、フィジーとかブータンとか。
「ウェルビーイング」って考えがめっちゃ好きだから、幸せだと言われる国の巡礼をしたいな。
ありー
【まとめ】みっちーさんの世界一周旅は、1か所ごとに生活を体験したじっくり旅
というわけで、今回の「あなたの旅、いくら使ったの?」のゲスト・みっちーさんの世界一周はこんな感じ!
テーマ:その土地の生活を楽しむ。体験できないことを体験し続けた世界一周
・期間:1年1カ月
・かかった金額:230万円
みっちーさんの旅の話、正直言ってお伝えしきれてません。各国での語学留学の話をはじめ、全然紹介しきれませんでした。というわけで、気になる方はぜひ、お酒が大好きなみっちーさんとZOOM飲みを!
All photos by Michinori Onda