ライター
Mana TABIPPO CARAVAN

カナダ在住。旅と写真に情熱を注ぎ、レンズを通して旅の魅力とカナダでの暮らしを発信。 訪れた土地の風景や日常を、写真と動画で切り取りシェアすることで、見る人に「行ってみたい」と思ってもらえる瞬間を届けます。

皆さんが愛する旅スタイルはありますか?

ひとり旅、家族や友人、恋人との旅。あるいは趣味を極める旅もあります。

美味しい食をめぐったり、有名観光地だけでなく地元の人しか知らない隠れ家スポットを訪れたり。ときには雄大な自然に身をゆだねる旅もあるでしょう。

今回は、私自身の価値観や人生の転機となった旅を通して、カナダ在住の筆者が愛する旅のスタイルをご紹介します。

ひとり旅がくれる成長の時間

私はひとり旅派だ。なぜならひとりで歩く旅は自由な時間をくれ、新しい私に出会わせてくれるからだ。

これまでひとりで訪れた国は韓国、イギリス、デンマーク、イタリア、カナダ国内の複数都市 計5カ国。

初めてひとり旅に挑戦したのは、21歳の時に行った韓国。それまで韓国へはすでに何度か行ったことがあるため、安全面を考慮し最初は土地勘ある場所を選択。

また当時夢中だった買い物や食めぐりにフォーカスするため、効率よくこなせるひとり旅を決意。極寒の真冬だったが、欲しい物を買えた達成感と温かいフードで満足感を得て帰国。

国内旅行でさえひとり旅をしたことない私でも「できる」ことを発見し、次第に「自分がまだ知らない世界でひとり旅を体験したい」と気持ちが芽生えた。

その1年後、すべて個人手配でイギリスひとり旅を決意。

憧れのハリーポッターの世界観と歴史溢れる街に囲まれた日々は、強く心を揺さぶった。当時は全く英語が話せないなか、身振り手振りで買い物や注文を切り抜けた経験は、自分の殻を破る一歩になった。

旅先では、予定通りにいかないことも多い。

それでも自分で選び、動き、感じた時間が、私を成長させてくれる。

その体験があるから、次の旅もまた、ひとりで出かけたくなるのだ。

そんな旅の時間、景色、感情を忘れないように形に残し始めた。

イギリス旅行をきっかけに、英語再勉強しその後カナダへ拠点を移す

カメラを片手に旅する理由

旅をする際に欠かさせない相棒、それは「カメラ」だ。

初めてカメラを手にしたのは19歳のころ。

携帯カメラだけでなく、より被写体をリアルに感じたいことを思いに、就職内定祝いとして父に買ってもらった。

シャッターを切るたび、その瞬間の空気や温度、音までも心に刻まれていく感覚に夢中になったのを覚えている。

それまでは携帯で気ままに撮っていたが、旅先で出会った広大な景色や人々の表情をもっと鮮明に残したくて、本格的にカメラを持ち歩くようになった。

カメラはただ景色を切り取る道具ではない。

私にとって旅の「もうひとつの目」だ。

ファインダー越しの世界は、何気ない路地の光やカフェの窓辺に差し込む柔らかな影など、普段なら通り過ぎてしまう瞬間を特別な一瞬になる。

実際私の写真をSNS上で見て、「ここに行ってみたい」「私が住んでる場所!素敵な写真をありがとう」と言ってもらえることがある。

それが、旅を発信する喜びであり、次の旅への原動力だ。

夕方6時にハイキングした際の頂上からの景色(カナダ Mount Seymour)

イタリア オルヴィエート

イタリア オルヴィエート Duomo di Orvieto

人との出会いが旅を豊かにする

旅をしていると、人との出会いが訪れる。

お店の店員さん、レストランで隣に座った人、バス停で会話を交わす旅人や地元の人など。とくにひとり旅では、自分から話しかけなければ始まらない出会いも多い。

必要なのは、ほんの少しの勇気だ。日常会話から始めなくてもいい。

道に迷ったときや、バス停で行き先を確認するとき、宿泊先で疑問を解消するとき――それが会話のきっかけになる。気づけば自己紹介が始まり、会話がスタートするのだ。

イタリアやデンマークを旅したときも、私は積極的に旅人や地元の人に声をかけた。

同じ疑問を持っている旅人とは、解決したときの安心感を共有できるし、これまで会うことのなかったバックグラウンドを持つ人との縁も生まれる。元パイロットの方に出会ったり、意気投合した旅人と一緒に観光したこともあった。

また、カメラが会話のきっかけになることもある。

イタリアの田舎町で笛を吹くパフォーマーを撮っていたとき、10代の少女たちがイタリア語で何か話しかけてきた。イタリア語は話せないため、最初は「もしかしてスリ……?」と身構えたが、英語に訳してもらうと

「あなた写真撮るの上手!パフォーマーも楽しそうに笛を吹いてたよ。良い旅を! Ciao ciao!」

純粋な思いをわざわざ伝えてくれたその瞬間に、胸が熱くなった。出会った人々の笑顔や会話は、景色と同じくらい私の旅の記憶を彩ってくれる。

そして次の旅でも、きっとまた新しい誰かと出会える――そう思うと、旅は終わらない物語のように感じられる。

 夕方のイタリア ヴェネツィア「Ponte dell’Accademia」からの景色

旅は物語のように続く

旅は、私に自由をくれる「方法」であり、景色や感情を切り取る「カメラ」であり、そして人との出会いを彩ってくれる「時間」だ。

旅があったからこそ、私は今、カナダという異国の地で挑戦を続け新しい自分を探し続けている。

どんな形であれ、旅はきっとあなたにも新しい景色と感情を運んでくれるはず。

あなたの物語も、きっとまだ始まったばかり。次の旅先はもう決まりましたか?

All photos by Mana

ライター
Mana TABIPPO CARAVAN

カナダ在住。旅と写真に情熱を注ぎ、レンズを通して旅の魅力とカナダでの暮らしを発信。 訪れた土地の風景や日常を、写真と動画で切り取りシェアすることで、見る人に「行ってみたい」と思ってもらえる瞬間を届けます。

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