ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。 山岳雑誌『山と渓谷』へ寄稿、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「Yahoo!ニュース ベストエキスパート2024」地域クリエイター部門グランプリなど。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

発信の切り口が変化


トラベルライターになったばかりの頃は、自分の好きな観光スポットを発信する、いわゆるガイド記事が多かったのですが、最近は少しずつ変わってきました。

登山と自転車を組み合わせた旅スタイルや、旅×キャリアのように複合ジャンルの記事など、自分ならではの切り口を大切にしています。

また扱う単体のジャンルも大きく広がりました。いろいろな旅行先と向き合う中で、興味関心のあるもの、深掘りしたいテーマが広がってきた証拠です。

旅がより楽しくなった


旅行先の魅力を取り上げて、文章に表現するトラベルライター。実は「文章を書く能力」よりも「旅行先でどれほど濃い経験をするか」の方が大切です。

そして、その濃い経験を引き当てるためには、アンテナ(情報収集スキルや旅行先での運)が必要になってきます。

経験を積むほど、より濃い経験を引き当てるアンテナの精度が上がり、トラベルライターになる前と比べて、旅行がより充実したものになっていきました。

結果として、充実した旅行がよいコンテンツを生み、そしてまたすばらしい旅行につながるという好循環が生まれています。

身についたスキル

それでは、トラベルライターになって身についたスキルについて紹介していきましょう。一言で言えば、「セルフマーケティングを起点に戦略を立て、PDCAを自ら回すスキル」です。

ビジネスをすべて自分で回す力


今まで本業の会社3社とも営業職のキャリアを歩んできた筆者。今まで一貫して会社の数字にかかわることを担ってきましたが、いまいちピンときていませんでした。

しかし、”自らの事業”の成長・売上となると話が変わってきます。

自ら立てた「今月はここまで頑張るぞ!」という受注目標との乖離がある場合、企画の提案数を増やしたり、営業のアタック先を増やしたりすることもしばしば。また検収予定日に振り込みがなければ、取引先とやり取りすることもあります。

自ら事業の見通しを立て、そのためにどう行動するか。マイクロビジネスを1人で回せることになったのは大きなスキルアップです。

セルフブランディング力


トラベルライターの門戸は広いため、駆け出しとして始められても、好条件の案件獲得を継続していくのは難しいでしょう。食べていけるための案件を獲得するには、ブランディングが欠かせません。

「どういうコンテンツを作っていきたいのか」「自分はどういうライターになりたいのか」という視点と「どうすれば生き残れるのか」という視点のふたつが必要になります。

イメージとしては、既存の執筆案件を取りにいくというより、自分しか書けないテーマやコンセプトを掲げて、新たな記事のニーズを探しにいくのがおすすめ。

ブランディング戦略を通じて、自分の記事の付加価値を上げることができれば、収益は安定していくでしょう。

複業を通じたキャリア戦略へ


趣味である”旅”から始まったトラベルライターという複業。最初は趣味の一環として、楽しくやれればいいな……程度の思いでした。

しかし今となっては、自分が自分であるために欠かせない仕事に。唯一無二のやりがいを得られ、圧倒的にスキルアップできて、生活を支えてくれるライフワークになってくれています。

そして昨年、旅行業界への転職を決めたように、筆者にとって将来の指針でもあるのです。これからライティングをひとつの強みとして、キャリアを歩んでいこうと心に決めています。

複業は自分の殻を破る経験


ざっくりではありますが、トラベルライターになった経緯、その変遷を踏まえながら成長できた観点を記してみました。

自分の好きなことや、本当にやりたいことが見えてくると、過去の自分からは想像もできなかったような行動力や粘り強さが発揮できます。

複業トラベルライターを始めたことが、機会や成長の循環を生み、自分の殻を破るという経験をもたらしてくれました。

もし、かつての筆者と同じく、仕事に全モチベーションを注げないなら、ぜひ本記事をひとつの参考にして「好きなことを仕事にする」を視野に入れてみてはいかがでしょうか。

All photos by Yuhei Tonosho

ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。 山岳雑誌『山と渓谷』へ寄稿、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「Yahoo!ニュース ベストエキスパート2024」地域クリエイター部門グランプリなど。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

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