ライター
西嶋 結 ライター・編集者

出版社出身のライター・編集者。本の仕事をしています。これまで訪れた国は70か国ほどで、自分を驚かせてくれる街や国が好みです。有給休暇をフル活用して弾丸旅に繰り出すべく、筋トレに励んでいます。

フェスからその国の「リアル」が見えてくる


前田: “海外フェスらしいフェス”に参加してみたい人には、どこがおすすめですか?

津田:色々おすすめはあるけれど、海外らしい奇抜さがあるのは、デンマークの「ロスキレフェスティバル」(Roskilde Festival)。前田さん、デンマークってどんなイメージ?


Roskilde Festival
photo by Peter Troest

前田:うーん、北欧の末っ子みたいな感じでしょうか。いい国だけどちょっとおとなしいというか。

津田:そう思うでしょ。僕も実際にロスキレに参加するまでは、北欧家具のスタイリッシュなイメージや、チボリ公園のメルヘンチックなイメージを持っていたんだけど。

前田:そういう、ちょっとおしゃれっぽい印象ですよね。

津田:街を歩いてみると、そのイメージそのままだと思う。でもね、フェスに行ってみて。全然違って、北欧で一番破天荒というか、元気というか(笑)!

前田:えっ!破天荒っていうイメージは全然ないんですけど……。

津田:デンマークって、カールスバーグやツボルグといった有名なビールメーカーのお膝元なんだよね。もちろんビール会社が協賛についてて、参加者はひたすらビールを飲んで、盛り上がってる(笑)。

ロスキレは、キャンプサイトにスピーカーを持ち込んで、プライベートパーティーがあちこちで繰り広げられてる。街ではあんなにクールだったのに、超陽気でフレンドリーな人ばかり。もちろん他のフェスでも街にいる人との温度差はあるけれど、その差が一番大きかったのは、何百のフェスに行った中ではデンマークかな。

しかも彼らは月曜日になると、静かに電車で帰っていく(笑)。すごいメリハリがついてるんだよね。

前田:へえ、デンマーク人の意外な一面が見えるわけですね!

津田:そう。僕は、フェスに行くと、その国の本当の部分が見えると思います。

ロスキレではなんと、翌年のチケットをかけた全裸レースがあって。女性も男性も、みんな全裸。1位の人だけがチケットをゲットできるから、1位を取るべく100人くらいがゴールを目指す。「どれだけ自分を捨ててチケットを取りにいくんだよ!」とビックリしました。

前田:それだけ、1年に1回しかないフェスに照準を当てているんでしょうね。アメリカで全裸レースが開催されるならちょっと納得できますけど、北欧という意外性がいいですね。

津田:こういう一面って、観光地にいるとわからない。人によってその国の理解の仕方は違っていて、「Airbnbでその国の家を借りるとわかる」という人もいれば、「サッカーを見るとわかる」なんて人もいる。僕はその中のひとつに「フェスに行けばわかる」があると思っていて。いい面も悪い面も含めて、その国のリアルな部分を見てこそ、旅する意味があるのかな。

前田:その国のリアルを知るためにも、フェス旅はよさそうですね。津田さん、フェスの新しい楽しみ方を教えてくださってありがとうございました!海外フェスについてもっと知りたい方は、津田さんの新刊『THE WORLD FESTIVAL GUIDE 海外の音楽フェス完全ガイド』をチェックしてみてください。

 

書籍刊行記念トークイベントのご案内

『THE WORLD FESTIVAL GUIDE 海外の音楽フェス完全ガイド』の刊行を記念して、津田さんと編集担当の伊澤慶一さんのトークイベントが開催されます。当日は、本書の制作秘話や最新のフェス情報などをたっぷりお話しされる予定。ぜひぜひご参加ください!

■イベント概要
・日程:5月23日(木)19:30~21:00(19:15開場)
・場所:代官山蔦屋書店1号館2階イベントスペース
・定員:先着60名
・参加条件:書籍『THE WORLD FESTIVAL GUIDE』+イベント参加券のセット(3,000円/税込)もしくは イベント参加券(2,000円/税込) を購入された方
・申込方法:代官山蔦屋書店の店頭(代官山蔦屋書店3号1階レジカウンター)もしくはオンラインストアからお申し込み可能です。

text:西嶋結
photo:長沼茂希

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西嶋 結 ライター・編集者

出版社出身のライター・編集者。本の仕事をしています。これまで訪れた国は70か国ほどで、自分を驚かせてくれる街や国が好みです。有給休暇をフル活用して弾丸旅に繰り出すべく、筋トレに励んでいます。

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