ライター
西嶋 結 ライター・編集者

出版社出身のライター・編集者。本の仕事をしています。これまで訪れた国は70か国ほどで、自分を驚かせてくれる街や国が好みです。有給休暇をフル活用して弾丸旅に繰り出すべく、筋トレに励んでいます。

――ほんと破天荒だよね(笑)。モザンビークではどんな活動をしてたの?


現地の小学校でHIV/AIDSの授業を開いた後、生徒さんと一緒に

TCE(Total Control of the Epidemic)という団体に所属して、HIV/AIDSの啓発活動をしていました。

私が渡航した2011年当時、モザンビーク国内のHIV感染率は全人口の11.5%ほど。特に私が活動していたChokweという地域は、人口の44%がHIVに感染している状況で。

その状況を少しでも改善すべく、現地ワーカーを採用・教育したり、無料のHIV簡易テストサービスを提供したりといった活動に従事していました。

個人の活動としては、孤児向けに収入源を獲得するための裁縫教室を開催したり、HIV/AIDSの教科書を作成したり。これは、私が帰国してからも現地の人の生活が少しでも安定したり、教材なしでHIV/AIDSの知識教育をしてた団体の活動が少しでもいい状態で継続したりしてほしいと思ったから。

――帰国後のことまで考えて活動するなんて、すごい!どんなボランティアでも、活動を一時的なものにしないことが課題のひとつになっていると思うから。

裁縫教室は、現地で一番仲の良かった子が引き継いでくれて。帰国して1年半くらい経った後に、「活動続いてるよ」ってその子から写真が届いたの。

自分が立ち上げた活動が現地に根付いていることに感動したし、活動を継続してくれた友人には感謝でいっぱい!

――そういえば、モザンビークの公用語はポルトガル語だよね。やっぱりポルトガル語の勉強は大変だった?

言葉を覚えるのは、ボランティアで一番苦労したことだね…。人とつながりたい、誰かの力になりたいと思っても、言葉が通じないと何もできないから。話せるようになるまでは本当にきつかった。

最初は、会話を聞いていても単語と単語の切れ目すらわからなくて。モザンビークに到着した数日後に心が折れて号泣したし、ポルトガル語から離れたくて部屋でひきこもったこともあるよ(笑)。

でも、泣いていても仕方ないから。常にノートとペンを持ち歩いて「何言ってるかわからないから、ここに文章書いて!」と伝えて、ノートに文章をためていきました。帰宅したら書いてもらった文章の単語を一つひとつ調べて、オリジナルの単語帳を作成。夜な夜な暗記したなぁ……。

それを繰り返しているうちに、渡航3か月後にはポルトガル語で日常会話ができるように。人間やればできるね(笑)。

――なかなかできることじゃないよね。大変そうだけど、行ってよかった?もし今、「ボランティアに行こうと思ってるんですけど」って相談されたら背中を押す?それとも止める?

「行ってよかった!」って100パーセント断言できるし、後悔したことは一度もないよ。

現地での経験も、一緒に働いた仲間も、ボランティアに参加したからこそ得られたもの。来年(2020年)には30歳になるけど、語学や行動力、やればできる精神は、20代前半で身につけておいて本当によかったと思う。人生をさらに楽しくしてくれるものだからね。

だから、ボランティアで行きたいところややりたいことがある人は、ぜひ挑戦してほしい!現時点で能力が足りなかったとしても、現地に行ったらやるしかない。自然と能力はついてきます。

もちろん努力は必要なので、最初は相当辛い思いをすると思うけど。でも、人生は筋トレと一緒!筋肉って筋トレで筋繊維を傷つけて大きくなりますよね?それって、心も同じ。しんどい想い、つらい想いをして乗り越えたら、一段と強くなって大きくなるはず。だから、たとえ今は何もできなくても、自分を信じて挑戦してみてほしいです!

 

「自分の人生は自分で責任を持つ」という気持ちさえあればいい

――次は、ボランティア期間を経て復学した後、大学卒業後のキャリアについて。大手旅行会社ではどんな仕事をしてたの?

団体旅行の営業マンをしてました。

10名様以上の団体旅行専門の部署で、国内外問わずその団体様専用のオリジナルツアーをつくるお仕事。行きたい場所や旅行日数、食べたいものなどをヒアリングして、プランも販売価格も全部自分で決めます。添乗員として海外に行けることもあるから、旅行好きには最高のお仕事でした。

――旅行会社って憧れだな。どうして退社しちゃったの?

発達障害が発覚したことと、社内の人間関係がうまくいかなかったから。

入社直後から、自分があまりにも仕事ができないことに気付きました。電話をしながらメモが取れないし、先輩が1時間で作れる資料に私は半日も時間がかかったり。毎日怒られ続けてパニック状態で、大事な契約書をシュレッダーにかけてしまったことも

そんな状態だったから、先輩に嫌われてしまって。仕事をうまくこなせなかったから仕方ないんだけど、日に日にキツい言葉を投げつけられるようになって、だんだん心を病んでしまって。出勤する電車の中で突然涙が出て止まらなくなって、2時間遅刻して出社した日もあったよ。

学校の成績はいいほうだったから、なんでこんなに仕事ができない理由がわからなくて。そんな状態だったときに、たまたま読んだネット記事で「発達障害」の存在を知り、それがあまりにも自分に当てはまったことがあって。すぐに心療内科を受診したところ、やっぱりADHDだった。それで、旅行会社で仕事を続けることは適正ではないと判断して退職しました。

――大変だったね。その次はゲストハウスかな。


同い年の韓国人ゲストと大の仲良しに

うん、旅行会社退社後は、ゲストハウスで2年間正社員として勤務したよ。その後ホテルプランナーに転職。でも、そこで自分が都合よく使われているように感じてしまって。「そんな人生を歩むために生きてるんじゃない」と思い、2か月で退社することに。

それが昨年2018年4月末のこと。それ以降、雇われるより「自分で仕事を生み出す力をつけたい」と思うように。1年くらいなら生きている蓄えもあったので、就職活動はせず、インターネットを使って収益を出す方法を勉強しました。今後は、インスタグラムやブログを通した発信活動に専念していきたいと思ってます。

――つゆ子ちゃんらしい道が見つかって、本当によかった。最近はまた、おもしろい活動に加わることが決まったんでしょ?

そうそう。今インスタで話題になってる「地球で鬼ごっこ」って知ってる?趣味の追求をしている佐々木健二さん(@sasaki.onigokko)を地球のどこかで見つけたら、最大で200万円相当の通貨が賞金としてもらえるというもの。

「地球で鬼ごっこ」についてもっと詳しく知りたい方はこちら(つゆ子さんブログ)
地球で鬼ごっこ|佐々木君は何者?ルールと探し方も徹底解説

2019年の12月から、佐々木健二さんの秘書兼広報兼カメラマンとして活動することが決まったの。もともと佐々木さんには注目していたんだけど、これが実現したのは、過去の実績を評価していただいたことに加えて、「地球で鬼ごっこ」に積極的に参加して、その様子を発信していたから。いろいろなタイミングが重なって、佐々木さんと一緒に趣味を追求するご縁をいただきました。今は地元でカメラマンのアシスタントの仕事をしながら、時間を見つけて佐々木さんのサポートをしています。

佐々木さんは、ビットコインを日本に広めた人のひとりで、若い人にもっと海外に目を向けてほしい、賞金を手に旅に出てほしい、日本人に遊び心を持ってほしい、常識に縛られずに生きてほしい……などの思いがあるそう。そんな佐々木さんに、心から共感しています。

――アルバイトや旅、ボランティアなど、すべての点が線につながったんだね!あらゆる経験を伏線にしていてすごい。最後に、進路に迷う学生さんにメッセージをお願いします。

人生悩みますよね。私もいまだに毎日のように悩んでいます。でも、あなたの人生はあなただけのもの。心の中にやってみたいことがあるなら、ぜひチャレンジしてみてほしいです。

やってみたいことが、みんなとは違っても大丈夫。 「自分の人生は自分で責任を持つ」という気持ちさえあれば、なんでもできますよ!たとえ失敗したとしても、成功するまで諦めなければ、その失敗は成功への過程になります。

人生の攻略本はないので、周りの動向や意見に流されずに、自分だけのオリジナルの人生攻略法を編み出していきましょう!もしも何かを始めるときに不安な気持ちになったら、私のインスタやブログを覗きにきてください。もしかすると、何か力になれる言葉や経験談があるかもしれません。あなたの挑戦を私はいつでも全力で応援します!

お互い人生楽しみましょ〜! ありがとうございました!

――ありがとうございました!つゆ子ちゃんが秘書兼広報兼カメラマンとして関わることが決まっている「地球で鬼ごっこ」、ぜひぜひ参戦してみてください。

写真提供:つゆ子さん

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西嶋 結 ライター・編集者

出版社出身のライター・編集者。本の仕事をしています。これまで訪れた国は70か国ほどで、自分を驚かせてくれる街や国が好みです。有給休暇をフル活用して弾丸旅に繰り出すべく、筋トレに励んでいます。

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