Tuekey_istambul
編集部

広告代理店の企画、出版社の書籍編集を経て2016年に企画・編集・ライターとして独立。ワタリドリ製作所の屋号で、書籍の執筆・編集、複数の企業のメディア運用に関わる。 東京都観光まちづくりアドバイザーとして、国や県庁のインバウンド事業の仕事をしていたときにTABIPPOに出会い、2023年春からジョイン。 大学生の頃から、世界各地を一人旅しては、陸路での国境越えをすることに情熱を捧げていた。現在は自然豊かな多摩エリアで、エネルギーの塊みたいな小学生男児2人の育児に奮闘中。街歩きとおいしい物と温泉が好き。 著書:『世界の絶景1000』(英和出版社)共著、『石の辞典』(雷鳥社)

旅先では食事やショッピング、市内観光や遺跡巡りを思いっきり楽しみたい! そんなアクティブ派の人におすすめなのが、ヨーロッパとアジアの境目にある国、トルコ共和国です。

トルコと聞くとものすごく遠いイメージがあると思いますが、羽田空港や成田空港からイスタンブールへのフライト時間は、行きが約13時間、帰りが約11時間と半日もあれば到着できるんです。

トルコを7日間かけて巡った中で、特におすすめだったスポットを全2回に分けてご紹介します。前編は旅行者に人気のエキゾチックな街、イスタンブールの街歩きの様子です。
▲フライト・シェフが1名以上搭乗していて、ビジネスクラスの乗客に食事を自ら提供してくれます(ターキッシュエアラインより写真提供)

直行便に乗れば半日でイスタンブールに到着

今回搭乗したのは、ターキッシュエアラインズです。羽田空港に続き2023年12月より成田空港からデイリーで直行便の運航が開始され、関西空港からの直行便も約7年ぶりに再開したことで、よりアクセスしやすくなったのだそうです。

往復便ともにエコノミークラスを利用したのですが、座り心地がいいシートで背中が痛くなることもなく、リクライニングシートで映画をみながら過ごしていたら、あっという間に現地に到着していました。
▲イスタンブール新空港に到着。驚くほどキレイ!

2018年10月末にできたばかりだというイスタンブール新空港は、スタイリッシュでモダンな作り。
▲端から端が見渡せないぐらいの広さです

巨大な空港内には、ゲームセンターやキッズスペースなども併設されていて、ここはショッピングモールなのではなかろうか、という見た目です。
▲イスタンブール新空港にあるターキッシュエアラインのラウンジ(ターキッシュエアラインより写真提供)

空港内には、ターキッシュエアラインズの運営するラウンジが3箇所もあります。ホテルのラウンジを思わせるような広々とした空間で、トルコ料理を中心にバイキング形式で自由に飲食ができます。ここは、ターキッシュエアラインズもしくはスターアライアンス系のフライトでビジネスクラスに搭乗する人たちが利用できるとのこと。

港町ならではのロマンチックな町並み

▲日本でいう横浜や神戸のようなオシャレな港町の雰囲気

▲船上から眺める街の景色が最高でした

イスタンブールの町並みを楽しむべく、船に乗ってボスボラス海峡をクルーズ。船酔いしないかな…と心配していたけれど、海風に当たりながらビュンビュン走るのでむしろ気分爽快! 青く輝く美しい海に宮殿などの歴史的建造物が映えて、船の上は絶好の撮影スポットなのでした。
▲広々とした船内では、有料でお酒やお茶を飲むことができます

美しい町並みや行きかう船を眺めたりしながら、約1時間の船旅を楽しみました。

予想以上にボリューミーな本場のサバサンド!

▲イスタンブール名物のサバサンドはレモンを絞っていただきます

次は新しいショップが続々とオープンするカラキョイ地区の一角にあるレストランでランチです。パンに収まりきらないほどの大きさのサバが出てきたときは度肝を抜かれましたが、レモンを絞るとさっぱりした味になるので、案外ペロリと食べられました。
▲レンズ豆を煮込んだスープで、レモンを絞ると爽やかな味に

▲秋から冬にかけて食べられるというカタクチイワシのフリット

アガサ・クリスティ縁の名作が誕生した老舗ホテル

▲重厚感溢れるクラシカルな館内では、アフタヌーンティーをいただくことができます

市内にはたくさんのクラシックホテルがあります。なかでも有名なのは、ベイオール地区にある1892年創業の「ペラ パレス ホテル」。多くのミステリー小説を世に残した女流作家アガサ・クリスティが、ここのホテルの一室で『オリエント急行殺人事件』を書き上げたといいます。
▲吹き抜けのような構造で天井のドームは煙を逃がすために使っていたそう。花びらみたいに開きます

▲シックな内装の「アガサ・クリスティ・キングルーム」と呼ばれる411号室

▲彼女にまつわる写真や本が飾られていて、アガサファンにはたまらない

かつてアガサが11日間姿をくらませて行方不明になった事件があり、そのときに日記を入れて隠したとされる箱の鍵がロビーに置かれていました。未だに箱は見つかっておらず、謎に包まれているそう。さすがミステリー作家、宿泊している間にも謎解きが楽しめそうです。

夕陽を眺めながら優雅にティータイム

▲「アフタヌーンティー(コーヒーもしくは紅茶付き)」1,280TL/人 ※2名分の盛り付け

小腹がすいたので、ザ ペニシュラ イスタンブールで優雅にアフタヌーンティーを楽しみます。スコーンとドリンク、ラズベリーケーキが付いて、サンドイッチとクッキーは無料、ドリンクは飲み放題とコスパ最強!
▲港町ならではのシーフードをふんだんに使った料理が盛りだくさん

3段のプレートに盛られているのは、サーモンやキャビアなどのシーフードの入ったサンドイッチやマカロン、ピスタチオクリームのケーキ、濃厚なチョコレートのケーキなど。甘さと塩気のバランスが絶妙なので、飽きることなく最後までおいしくいただけました。
▲夜になるとカラキョイのグルメストリートが賑やかに

日が暮れたので、次はディナーを食べに街中へ。世界三大料理のトルコ料理ですもの、しっかり食べますよ。(満腹だけど)

▲ベイエリアにあるカジュアルな雰囲気のシーフードレストランへ

▲大型の船の光が海面をキラキラと照らして幻想的

▲チュプラ(ヨーロッパヘダイ)は豪快にグリルにしていただきます

30cmぐらいはありそうなタイを一匹まるごとグリルにしていただくウズガラという料理も、トルコの定番メニューの一つ。ソースなどを付けて味を変えながらいただきます。

このあたりから疑念が確信に変わったのですが、もしかしてトルコの人たちって大食い!?

行動を共にしていたガイドさんに聞いてみると、トルコ人はこれぐらいの量を普段から食べるとのこと。日本人が食べる3食分の量が1食で出てくるので、旅中は常にお腹がいっぱい。特におもてなしの精神が強いトルコでは、完食してしまうと足りないのではないかと勘違いされて、さらに追加されてしまうのだそう(笑)。

こうしてイスタンブールのグルメ三昧な夜は更けていったのでした。

オスマン建築の最高傑作と呼ばれるブルーモスクと豪華絢爛なトプカプ宮殿

▲大きな大ドームが1つ、副ドームが4つ

翌日は、世界で最も美しいモスクと称されるブルーモスクへ。正式名称は、「スルタンアフメット・ジャーミィ」といいます。オスマン朝全盛期である1616年に完成し、内装には21,043枚のイズニックタイルが使われていて豪華絢爛。
▲写真一枚では収まりきらない広さ。260枚のステンドグラスに光が射し込み幻想的

イズニックタイルにはクオーツなどの粉が含まれていて、約1,800度で焼いて作ります。絵などはすべて手描きで手間がかかるため、大変高価なものだそう。400年前のイズニックタイルは、現在だと1枚100~120万円もするというからびっくり!
▲トプカプ宮殿の周りは噴水があって地元民の憩いの場

▲イズニックタイルでできた美しい模様の宮殿内の壁

▲ランチでは牛肉のドネルケバブをいただきました

▲トマトやレンズ豆をペーストしたものと、塩漬けしたぶどうの葉で米を包んだドルマ

巨大な迷宮のようなグランドバザールでショッピング

▲ゲートは全部で21個あるので、入ったゲートの番号を必ず覚えておくこと

そしていよいよお待ちかねのショッピングタイム! 複数あるゲートのうちの一つをくぐると、そこはアリの巣状に広がった巨大な市場。約560年の歴史があって、4,400軒の店がひしめき合っています。
▲エリアごとに衣類、宝飾品、絨毯など大まかなカテゴリーがあります

▲まばゆいほどの銀細工のティーセット

▲水たばこなど中東らしい土産物が並びます

▲トルコの魔除けである青い目玉を象ったナザールボンジュウ

メインストリートの他に複数の細い脇道があって、まるでダンジョンのようです。そして、極度の方向音痴の私は完全に迷子に…(泣)。商品には金額表示がなく、交渉ベースで買い物をすることになるので真剣勝負! 一体いくらが妥当なのかさっぱりわからないので、ざっとガイドブックで買いたい物の相場を調べておくと、値段交渉がスムーズかなと思いました。2~3時間は余裕を見て訪れるのがよさそうです。
▲お店のショーウィンドウやソファではよく猫が気持ちよさそうに眠っていてかわいかったです

ショッピングを存分に楽しみたい方は、モダンなショップが多く並ぶ新市街と、迷宮のように入り組んだ旧市街にある市場の両方を味わってみるのをおすすめします。それぞれ全く異なる楽しさがあります。

2023年はトルコ共和国100周年

▲静寂に包まれるホテルのロビー。すべての従業員が静かに祈りを捧げています

約600年続いたオスマン帝国が衰退し、1923年のトルコ共和国建国が誕生してから2023年でちょうど100年という節目。トルコ建国の父である、ムスタファ・ケマル・アタテュルクが没後85周年を迎えるという11月10日、滞在先のホテルで朝の9:05に黙祷を捧げる式典が執り行われました。

ちょうど街中に出ていたメンバーによると、サイレンが鳴り響いた瞬間、車から降りてすべての人がその場で静かに黙祷を捧げていたのが印象的な光景だったそう。
▲ムスタファの肖像画は街中の至るところで目にしました

トルコは親日家とよく話には聞いていたけれども、実際、とても親切で気持ちよく旅をすることができました。

今回は世界史にも造詣が深いガイドさんと一緒に巡る旅でしたが、トルコの長い歴史を知ると旅がますます楽しくなるはず。特に足を運びづらいエリアなどは、ガイドさん同行のツアーで参加した方が満足度の高い旅になると思いました。

次回はトルコ南東部の街マラティアから行くことができる世界遺産についてご紹介します。
お楽しみに!

Photo by Chiharu Yahagi

編集部

広告代理店の企画、出版社の書籍編集を経て2016年に企画・編集・ライターとして独立。ワタリドリ製作所の屋号で、書籍の執筆・編集、複数の企業のメディア運用に関わる。 東京都観光まちづくりアドバイザーとして、国や県庁のインバウンド事業の仕事をしていたときにTABIPPOに出会い、2023年春からジョイン。 大学生の頃から、世界各地を一人旅しては、陸路での国境越えをすることに情熱を捧げていた。現在は自然豊かな多摩エリアで、エネルギーの塊みたいな小学生男児2人の育児に奮闘中。街歩きとおいしい物と温泉が好き。 著書:『世界の絶景1000』(英和出版社)共著、『石の辞典』(雷鳥社)

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