ライター

高橋歩さんの「BELIEVE YOUR トリハダ」という言葉に影響を受け、自身も人の心を動かせる仕事をしたいと決心。サックスとジャズへの愛が止められず、メンフィスとニューオーリンズを訪れたことから旅に目覚める。好きなものはお酒といちご。

フォーにバインミーに甘々コーヒー、ベトナムと聞くと、そんな食べ物のイメージばかり先行する阿部サキソフォンです。

ダナンとホーチミンに行った経験はありましたが、最後はもう7年前。

気がついたら、小学1年生が中学1年生に成長するほどの、驚くべき時間が経っていました。

時の流れの速さに震えながら、このたび久しぶりにベトナムに足を運んできたのですが、以前は感じることのなかった、新しい発見のある旅でもありました。

訪れたのは、ダナン・フエエリア。今回は、この2つの地域での旅をご紹介します。

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これでまだ完成じゃないなんて。進化し続ける遊園地「バナヒルズ」


ダナン郊外に2013年にオープンした遊園地、「バナヒルズ」はご存知ですか?

遊園地と聞くと、観覧車やメリーゴーランドなどかわいい遊具のイメージが先行するのですが、ここはいわゆる普通の遊園地とはケタ違い。


某有名キャラクターのテーマパークのようにさまざまなエリアが設けられており、1日中楽しめるような場所なんです。

ちなみに人気が高くかなり混み合うことから、現地では朝8時頃に出発し、早い時間から遊ぶ人が多いんだとか。

今年の日本は例年に比べ厳しい猛暑となっていますが、ベトナムも負けちゃいません。観光を思い切り楽しみたいなら、朝の早い時間から行動スタートするのがおすすめです(もちろん水分補給も忘れずに!)。


「バナヒルズ」と聞いてピンとこなくても、2018年にできた巨大な神の手「ゴールデンブリッジ」を知っている人も多いのでは?

私も写真素材を見たことはありましたが、実物を見てびっくり。なんとこの橋、150mもあるそうなんです。橋を支えているような大きな両手は、迫力満点。


せっかくなので、ゴールデンブリッジという名前にちなんだ金箔付きアイスクリームを注文。んんんん〜暑くて火照った身体に染み渡る〜〜〜〜〜!のんびり食べていたら、手がベトベトになったのはご愛嬌で。


巨大な手や、フランスの街並みを表現したその再現度にも驚いたのですが、気になったのは帰りのロープウェーから見えた景色。くだっていく途中で、建設中のエリアや作りかけであろうオブジェなどが見られました。今の規模でも十分だと思っていたのに、さらに新しい場所を作っていただなんて……。

山にはまだ土地が多くあるらしく、これからもどんどんとその姿が進化していく予感です。あなたが今度訪れたときは、また違う姿になっているはず。

鮮やかなホイアンの街並みにうっとり。観光地での振る舞い方って?


カラフルに輝くランタンが有名なホイアン。その光景を見たことがある方も多いのではないでしょうか。

私がホイアンを訪れるのは、今回が2回目。前回は正直「ランタンがきれいだな〜」という印象だったのですが、今回は日本との関係性や、直近の観光事情について考えるきっかけになりました。


歴史的な街並みが残るホイアンの旧市街は世界遺産として登録されており、日本との関係性が深いんです。

約400年前の16世紀の最盛期には、1,000人もの日本人が住む日本人街が形成されていたのだとか。当時ベトナムはポルトガルやフランスなど、外国との交易が盛んになっており、日本との交流も深まっていったといいます。


ホイアンを訪問した際には、日本人が建てたと言われる「来遠橋」はチェックしておきたいところ。決して大きかったり煌びやかな橋ではありませんが、小さな祠も設けられていて、橋の両橋には犬と猿の像が設定されています。

じつはこの橋、ベトナムの2万ドン紙幣にデザインされている由緒ある橋。そんな橋が日本と関係が深いだなんて、なんだか誇らしい気分になる気もするし、感慨深くも感じました。


日が暮れるとホイアンの街全体がライトアップされ、日中とはグッと雰囲気が変化します。マスクをつけている人はほとんどおらず、中国系やヨーロッパ系の観光客が多く見られました。

狭い道も人力車のような車がビュンビュン通り、油断していると衝突しそうになるほどの距離感。そうそう、これがベトナム!……なんて懐かしさも感じられます。


やっぱり、かわいいランタンと一緒に写真を撮りたいよねということで、1番ランタンが多く集まっている賑やかなエリアへ。そこで先に写真を撮ろうとしている観光客がいたのですが、どうやらお店の人に注意をされているみたい。どうやら、撮影にはお金がかかるそうです。

たまたま日本語が話せる女性がいたのでいくらか聞いてみると、約60円で撮れるとのこと。物価が安いベトナムとはいえ、観光地値段かと思ったら、想像よりずっと安い。「ぜひ!」とお願いして、ザ・観光客の写真を撮影してもらいました。しかもこのお姉さんの本気度がすごい。


ポーズの指定や撮影枚数がめちゃくちゃ多いだけでなく、なんとiPhoneのカメラ設定まで勝手に変更している!(おかげでそのあとノーマルに戻すのに苦労している人もいた)そのあとは、「荷物とられないように気をつけてね」と優しいアドバイスまでくれて、そのホスピタリティの高さに感動しました。

先に注意されていた人は少しムッとしていたみたいだけれど、お互い気持ちのいいコミュニケーションを取るために、観光地にお邪魔しているゲストとしてのマナーはやはり必要だと、改めて再確認。お店の端の方でこっそりと撮影しているグループもいたけれど、持続可能な観光のために、旅行者が何をすべきか考えたいところ。

ラーチュー村の蓮池は「ノンラー」持参で向かおう


ベトナム滞在中、連日38度のような灼熱が続いていたのですが、そのなかでも特に暑さを感じたのが「フエ」エリアでした。日本でいう京都のような位置づけで、ダナンとは少し異なり昔懐かしい風景が広がる地方です。

そこで訪れたのは、ラーチュー村の蓮池。蓮の花を見るには、まだ葉に露が残っていて蓮の花が咲いている夜明けが一番良いタイミングなんだそうですが、さすがに夜明けは難しいので早朝で向かうことに。

案内してくれたガイドさん曰く、「日中はどんどんと気温が高くなるから、なるべく朝早くから行動するのがベスト」とのことで、おかげさまで毎日早起きの習慣がつきました。


訪れた蓮池には、青々とした一面の緑の中にかわいらしいピンクの蓮の花が……!まわりに高い建物もないため、とても開放的なロケーションでした。ガイドさんは幼い頃、この蓮の実を食べに行くのを楽しみにしていたのだとか。

小学生の頃、ツツジの蜜を吸っている人も多かったけど、そんな感じかな?外の植物で遊ぶのは、万国共通なのかも。


ここで活躍したのは、ベトナム伝統の帽子「ノンラー」。とにかく日差しが強いので、直射日光を遮るグッズは絶対に用意しておきましょう。

日本から持参した麦わら帽子もあったのですが、私は途中からもうこのノンラー一択。広い笠が顔まわりをしっかり覆ってくれるのと、頭にぴったりと密着せず通気性にも優れているため、かなり重宝するんです。


お土産屋さんや市場などで数百円から購入できるので、暑い時期のベトナム観光にはマストでゲットしてほしいアイテム。

帰りの荷物が少しかさばることがやや難点ではあるけれど、背に腹は変えられません。むしろノンラーを被ったまま帰国して「ベトナム行ってきたよ!」と堂々とアピールするのもおすすめ。

ベトナムのローカルフードは唐辛子入りで味わうべし


このベトナム旅行で、何回食べたか分からない麺料理。特にツルツル〜とした食感のフォーなんかは、お腹が空いていなくてもぺろりといけちゃうくらい、ある意味悪魔的な美味しさです。


日本でも食べたことはあったのですが、今回学んだことは、麺料理はいかにアレンジするかがポイントだということ。

お店やホテルで頼むと、必ずと言って唐辛子やライムが一緒に出てきました。もう十分味はついているし……とそのまま食べようになったところ、「唐辛子をいかに入れるかがベトナム流」だとガイドさんに教えてもらいました。


必ず小皿に盛られて提供される唐辛子を入れてみると、あれ案外辛くない。と思いきや、他のお店で出た唐辛子は「辛っ!!!!!」と驚くほどの刺激。

じつはベトナムのジョークとして「唐辛子は切る人によって辛いか、辛くないかが決まる」という話もあるそうです。なんでも、切った唐辛子が辛い人はヤキモチ焼き、辛くない人は優しい人だと言われているんだとか。

もしお店で唐辛子が出てきたら「これはどんな人が切ったんだろう?」と想像してみて。


ちなみに、1番印象に残ったのが「ブンボーフエ」。一般的にベトナムの麺料理といえばフォーを浮かべる方も多いと思いますが、ブンボーフエはフエ地方発祥の麺料理で、フォーよりも太い麺を使った牛肉ライスヌードルです。ローカル感あふれる「ダクベットソー1 チンゴック」で食べた料理が特に最高で、お店独自の出汁とスパイスが効いて旨味たっぷり。

少し量が多いかもと思いつつ、周りの人が2人でシェアしている中、私は1人で平らげてしまいました(恐ろしや)。

時差は2時間、ベトナム航空でサクッと旅行へ


私が今回利用したのは、ベトナム航空。日本を10:30に出発し、ダナンに14:25に到着するフライトなら、着いた当日から観光を楽しめます。さらに、日本とベトナムの時差はわずか2時間だから、時差ボケの不安もなし。


フルフラットで快適に過ごせるビジネスクラスでは、「ハローベトナム」という名前のカクテルなんかも飲んじゃったりして、行く前からベトナムスイッチをオン。


足を伸ばせる広い座席でドリンクや食事を楽しんでいたら、フライト時間の5時間なんてあっという間。

滞在中にあれだけフォーを食べたというのに、帰りの機内食もフォーを選ぶほど、もうフォー中毒になっていました。いいんです、最後に味わえる現地の味だったんだから。

こうして7年ぶりに訪れたベトナムは、変化し続けているところもあれば、観光地としてあるべき姿を考えさせられる場面もあり、前回とはまた違った経験になりました。

これからまたどんどんと変わっていくベトナムの姿を、ぜひ自分の目で確かめてみてほしいです。

All photos by Manami Abe

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ライター

高橋歩さんの「BELIEVE YOUR トリハダ」という言葉に影響を受け、自身も人の心を動かせる仕事をしたいと決心。サックスとジャズへの愛が止められず、メンフィスとニューオーリンズを訪れたことから旅に目覚める。好きなものはお酒といちご。

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