みなさんはヴァージン諸島ときいて、どこにあるかピンと来るでしょうか?
カリブ海に点在する島々で、プエルトリコの東側に位置するのがヴァージン諸島。そのうち、西側半分は約50の島々からなるアメリカ領で、東側半分は約60の島々からなるイギリス領となっています。そして、その大半は無人島です。
島のメイン産業は観光で、アメリカのフロリダ州などから発着する大型クルーズ船の寄港地として栄えています。
美しい風景の中、ビーチでゆったりくつろいだり、ウォータースポーツをしたり、免税ショッピングを楽しんだりと、多様な楽しみ方ができる島の魅力をお伝えしたいと思います。
米領ヴァージン諸島で訪れた都市とルート、移動方法
大型クルーズ船の港があるセント・トーマス島(St.Thomas)を筆頭に、島の75%が国立公園であるセント・ジョン島(St.John)、一番大きい島であるセント・クロイ島(St.Croix)の3島が主な島々です。その他、50ほどの小さな無人島が浮かんでいます。それぞれの島は近いため、ボートでの移動が一般的な移動方法です。
筆者はメインの島であるセントトーマス島に、クルーズ旅行で滞在しました。ちなみにクルーズ以外のアクセス方法として、セントトーマス島とセントクロイ島には空港があり、ニューヨークなどアメリカ本土から飛行機で行くこともできます。
米領ヴァージン諸島でのエピソード(人とのエピソード)
セントトーマス島の中心地、シャーロットアマリーを散策しました。年間150隻ものクルーズ船が停泊する港には土産物やアパレルを扱う「ヘブンサイトモール」や「ヨットヘイブングランデ」というショッピングエリアがあります。店内に入ると店員さん達がBGMに合わせて陽気に踊りながら接客していたのが印象的でした。
このように、カリブ海ならではのゆったりとした、明るくフレンドリーな雰囲気の人が多いのがこの島の人々の特徴といえるでしょう。
米領ヴァージン諸島でのエピソード(場所のエピソード)
アメリカ領になる前の約250年間、この一帯はデンマーク領でした。カリブ海は昔からヨーロッパ各国による争いが絶えず、1917年にアメリカがパナマ運河を守るため、デンマークより島々を買い取ったという歴史があります。
そのため、島には今もデンマークの面影を残した街並みが見られます。セントトーマス島にあるカリブ海最古の砦、フォート・クリスチャンや、丘の上にあるブラックビアーズ城は、かつてデンマークが他国と争った時代を感じる建物であり、必見の観光スポットです。
知っておくべきキーワードは「監査」
ここまで書いてきたように、ヴァージン諸島は観光客向けのリゾートアイランドなので、一見するとおよそビジネスとは無縁のように感じられる場所です。
ところが、シャーロットアマリーを散策していた時に、世界の四大監査法人の一つ「アーンスト・アンド・ヤング」の看板を見かけて、おや、と思いました。(監査とは簡単にいうと企業の会計などが正しく行われているかチェックすること)
その理由は帰国してからわかりました。米領ヴァージン諸島はタックスヘイブン(租税回避地)だったのです。
世界各地の会社により節税目的のため、ペーパーカンパニーが作られているとのこと。それを監視する目的で監査法人のオフィスがあるのだと納得しました。筆者はちょうど監査の勉強をしていたので、思わず看板に反応してしまいました。
米領ヴァージン諸島旅行を楽しむためのアドバイス
米領ヴァージン諸島を丸一日楽しむためには、アクティビティツアーの参加をおすすめします。車が運転できる方は、レンタカーを借りるのもいいでしょう。公共交通機関は発達していないので、自力で観光できる場所には限りがあります。
「シェアタクシー」という定額制の乗り物が港から出ており、街の中心や有名なビーチにはそれを使って行くこともできます。(タクシーというよりバスに近いイメージ)
また、セントトーマス島を訪れる観光客の大半はクルーズの乗客であり、クルーズが寄港する日にあわせてオープンする店も多いので、飛行機で訪れる場合はその辺りも考慮に入れておいた方が良さそうです。
米領ヴァージン諸島の治安
観光エリアの治安は非常に良いです。とはいえ、ここはアメリカ。人気のない場所に夜遅く出かけるのは控えた方が良いでしょう。