ライター
清澤 一輝 クリエイター

学生時代にバックパックひとつで、世界を西回りにぐるりと一周。日本にいた頃は英語も喋れず、今まで”ひとり旅”もしたことがなく「世界一周」がはじめてのひとり旅。人生において1番大切なことは「行動」し、「経験」することだと信じている経験主義者。好きな飲み物はチャイ。

『ジョジョの奇妙な冒険』



前回の記事『〈前編:作品の魅力まとめ〉』では、作品の魅力について、存分に語らせてもらった。物語の内容については、全編をご参照いただきたい。

今回の後編は、通常の連載形式と少し変えてもらい、番外編のような形式で聖地巡礼した旅の思い出を書いてみようと思う。

『ジョジョの奇妙な冒険 Parte5 黄金の風』とイタリア

まずは、5部の舞台であるイタリアを鉄道で旅した話から。原作はナポリ (ネアポリス)から始まり、ギャングの組織の主人公チームがボスを倒すまでの物語である。

ナポリ、ポンペイ遺跡、ヴェネツィア、ローマのコロッセオと次々に鉄道で巡った。


あぁ、ここであのキャラクターが… ここであの名シーンが…と、初めてなのにどこか懐かしい気持ちになれるのは「聖地巡礼」の醍醐味かもしれない。

僕の移動距離は、物語の旅路を遥かに超え、スイスのウェンゲンから、イタリアのナポリまで1,500kmを超える鉄道旅だ。

雨や雪が降る景色もあった。
夕日が沈む田舎町も。
歴史あるお城や、大きな牧場。
街灯が美しく輝く都会も。
そして、ナポリの美しい海の景色…。


ウミネコがニャアニャアと鳴いている。駅の前で買ったフンギのマルゲリータピザを片手に、ティレニア海の「遠く」を見つめた。イタリアには、ジョジョを感じるスポットが至る所にある。


はっきり言って、鉄道旅は不便そのものだ。毎回、自分で行き先を調べて、乗り換えをし、大きな荷物を常に運んで、日本のそれとは比べものにならないくらい、大きな駅を走り回る。⠀

だけど、そういった「経験」が自分の人生を豊かにしてくれる。そして、新しい感情を生んでくれる。目的地に行くことだけが、旅ではない。旅の本質というのは、「過程」にあると僕は感じる。⠀

これについては、『ジョジョの奇妙な冒険』の作中でも似たような表現があった。

『ジョジョの奇妙な冒険』の始まりの地・メキシコ

…次にメキシコだ。


この漫画シリーズは、メキシコのアステカから物語がスタートする。そんなジョジョの起源でもあるメキシコをひと月ほど旅をした。

メキシコシティの「テオティワカン遺跡」この祭壇で、生贄をしていた描写が原作には描かれている。メキシコの首都・メキシコシティから北東約50キロの地点に位置し、紀元前4世紀〜6世紀まで繁栄したとされている。

その最盛期に、エジプトのものに匹敵する数多くのピラミッドが建設され、まさに世界最大の都市だったが、この都市についての記録はほとんど存在せず、今もなお謎だらけ。⠀


「生贄の儀式」があったり、
その建設者も、滅んだ理由もわからない、
ピラミッドの下で大量の水銀が発見されたり、
電磁力の生成の跡があったり
オリオン座の三つ星と同じ配列で建物があったり…

世界は僕らが思っている以上に、未だ分からないことだらけなんだ。テオティワカン遺跡にいたっては、全体の約1割ほどしか発掘されていないらしい。

今後、驚くべき発見が待っているはずだ。んー!情熱が止まらない!!

『ジョジョの奇妙な冒険 Part3 スターダストクルセイダース』とエジプト

そして最後に。やはり、ジョジョと言えばここは外せない… エジプト!


第3部より主人公たち一行が、日本から遥かなる旅路を越えて訪れた国だ。作中の登場人物たちが、やっとの思いでエジプトに辿り着いた描写は、同じ旅人としてグッと来るものがあった。

エジプトでは、「アブ・シンベル神殿」と「カイロのピラミッド 」へ。


長旅を終えた主人公たちは、ラスボスの元へ向かう。そして、漫画史に残る激闘を繰り広げるのだが、そのシーンは本当に胸が熱くなる。

僕自身、世界一周していたときにピラミッドを実際に見てみて、こう感じた。

「ずっと、ピラミッドは直接見に行くことのないものだと…思い込んでいたな」


子供の頃からなぜか魅力的で、ずっとちゃんとこの目で見てみたかったギザのピラミッド。でも、なんとなく「一生のうちで見られないものだろう」と勝手に決めつけていた。それは、周囲に見たことのある人がいなかったから。

知っているけど、誰も見たことがない。親も先生も友達も。僕の周りで誰も実物を見たことがなかった。だから、自分もきっとみることができない… と決め付けていた。


でもこうやって、またひとつ夢が叶った。誰も実現していないからって、夢を諦めてしまうのは、馬鹿馬鹿しい。他人ができることと、自分ができることは、全然関係ないんだ。

日本を飛び出して半年が過ぎた頃、僕はエジプトにいた。


✳︎✳︎✳︎

上記の他にも、僕はジョジョの聖地のほとんどに訪れている。イギリスはもちろん、フロリダのセブンマイルブリッジを車で渡ったり、ニューヨーク、インド、シンガポールなどなど。


未だやっていないことと言えば、馬に乗ってアメリカを横断すること。アメリカに限らず、馬やロバで旅をしてみたいとは思っている。

ジョジョ好きの方も、そうでない方も、世界を実際に旅するということは、人生の視野を大きく広げてくれるスパイスになるから本当におすすめしたい。その目でその足で、好奇心のままに旅してみてほしい。

旅に出られない時間がしばらく続いてしまっているが、ぜひ、この時間を使って超大作である『ジョジョの奇妙な冒険』を楽しんでみては、いかがだろうか。

ライター
清澤 一輝 クリエイター

学生時代にバックパックひとつで、世界を西回りにぐるりと一周。日本にいた頃は英語も喋れず、今まで”ひとり旅”もしたことがなく「世界一周」がはじめてのひとり旅。人生において1番大切なことは「行動」し、「経験」することだと信じている経験主義者。好きな飲み物はチャイ。

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