ライター
愛優 ドイツに恋した自由人

トラブルをできるだけ事前回避するタイプの旅人。 旅行会社に2年間勤務後、フリーランスに転向。 現在は世界を転々としながらライターやフォトグラファーとして活動中。 次はジョージアへ移住予定。 きれいとおいしいとねこが好き。

こんにちは!多拠点フリーランスの愛優です。

旅行の醍醐味は、食事、観光スポット、人との出会いなどなどたくさんありますが、そのなかでも、観光スポットの代表例といえば世界遺産。世界各国にはたくさんの世界遺産があり、その歴史や美しさは見る人を圧倒します。

旅行者の中には世界遺産を回ることが趣味だという人も多いのではないでしょうか。

私はドイツに1年間留学していたのですが、その間にドイツのあらゆる世界遺産を訪れました。その中でも、今回は西ドイツ、ライン川沿いにある世界遺産やおすすめの楽しみ方を紹介していきます。

隠れた世界遺産大国、ドイツ

photo by Ayu Takayama
ドイツは世界遺産大国だということをご存じでしょうか。2020年の時点で、世界には1121の世界遺産がありますが、その中でもドイツにある世界遺産数は46と、世界で4番目の数を誇ります。

お城や教会などヨーロッパらしい風景を楽しめる世界遺産もありますが、見る人を楽しませてくれるほか、文化や技術の発展を感じさせてくれる世界遺産も多く、勉強になる場所も多いです。

西ドイツの世界遺産をめぐる

photo by Ayu Takayama
そんなドイツですが、世界遺産はドイツ各地に点在しており、在住者でない限りそのすべてを回るのは難しいのが現実です。

それでも、ひとつでもたくさんの世界遺産を見たい方や、ヨーロッパらしい風景が楽しめるものも文化や技術の発展を感じられるものも両方楽しみたいという方におすすめなのが西ドイツ、ライン川の周辺に点在している世界遺産。

そこで今回は、比較的近場に集まっている、ライン川沿いの4つの世界遺産をご紹介します。

ゴシック様式、世界最大級の「ケルン大聖堂」

photo by Ayu Takayama
1つ目に紹介するのがケルン大聖堂。ガイドブックに必ずといっていいほど掲載されている、非常に有名な観光スポットでもあります。

ケルン大聖堂があるのは、ケルン駅を降りてすぐ左側。駅を出ると非常に大きな大聖堂が目に入りますが、これがケルン大聖堂です。

まるで映画のセットのような荘厳なたたずまいの建物は、世界最大級のゴシック様式の建物としても知られており、よく見ると細かい部分にまで装飾が施されていることが特徴。その高さは40階建てのビルの高さに相当します。壮大さの中に繊細な技術を感じられます。

photo by Ayu Takayama
その魅力は外観だけでなくもちろん内観も!高い天井に続く壁にはたくさんのステンドグラスが並び、光を取り込んでくれるため、日中は非常に明るく教会内を照らしてくれています。

ケルンには、アルトシュタット(旧市街)など、ほかにもたくさんの観光地があるので、他の観光地とあわせて訪れるのがおすすめです。

見どころが多い「ライン渓谷中流上部」

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続いて紹介するのは、ライン渓谷中流上部です。ドイツ西部に流れるライン川の中でもコブレンツとビンゲン・アム・ライン間にある自然や歴史的な建造物が含まれています。

昔から交易の要としての役割を果たしていたライン川の中でも、ローレライという130メートルの高さの崖の周辺は、川幅が狭く流れが急であるため、よく船が事故を起こしていた場所としても知られていました。この場所には美しい自然が広がっており、金髪の妖精が住むという言い伝えが残されています。

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この場所を観光する際のおすすめがクルーズ船でのライン川下りです。運河としての役割も果たすヨーロッパの川は、短距離を勢いよく流れる日本の川とは違い、川幅が広く長距離ゆっくりと流れるので、ゆったりとしたクルーズの旅にぴったり!

この流域を通る船からは、斜面に広がるぶどう畑や崖の上に立つ古城が観光客の目を楽しませてくれます。

完成まで40年かかった「ブリュールのアウグストゥスブルク城と別邸ファルケンルスト」

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先に紹介したケルン大聖堂のあるケルンと、ベートーヴェンの生まれた場所として知られているボンの中間にある「アウグストゥスブルク城」と「別邸ファルケンルスト」。ブリュールという小さな町を超えると、ロココ様式の鮮やかな黄色の建物が見えてきます。

この美しい建物の建設を指示したのは、ケルン大司教を務めていたクレメンス・アウグスト・フォン・バイエルン。当時神聖ローマ帝国皇帝の選挙権を持つ七選帝侯の一人だったケルン大司教ですが、彼自身、バイエルン選帝侯であるヴィッテルスバッハ家の出身でした。

そんな彼は政治や聖職といった仕事はせず、狩猟に明け暮れていたといわれています。別邸ファルケンルストで狩猟を楽しみ、そのあとアウグストゥスブルク城で貴族との宴会を楽しむ、そんな贅沢な生活をしていた場所がここです。

40年という非常に長い月日を経て作られた宮殿は、その美しさと豪華さから1994年までドイツ大統領が国賓をもてなす際に使用されていました。

産業建築の傑作「エッセンのツォルフェアアイン炭鉱業遺産群」

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その昔工業都市として栄えていたエッセンには、「世界で最も美しい炭鉱」と言われている場所があります。それが「ツォルフェアアイン炭鉱業遺産群」。

1811年にフリードリッヒ・クルップがエッセンで製鉄業を開始したことで工業都市としての歩みを始めました。当初、製鉄の際に使用していたのは木炭でしたが、石炭が採掘されるようになったことで石炭での製鉄が始まります。

石炭での製鉄を始めたことにより、製鉄が急速に発展し、工業都市としての地位を確立しました。現在でも鉄鋼業のトップ企業がエッセンにあり、工業都市として発展を続けています。

西ドイツの世界遺産をめぐるには電車旅がおすすめ!

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ここまで紹介してきた西ドイツの世界遺産は、比較的近くにあり、回りやすいのも特徴です。「せっかくドイツまで行ったならすべて回って、いろいろな世界遺産を見たい」という方におすすめなのが電車旅!

今回紹介した世界遺産は、ノルトライン・ヴェストファーレン州とヘッセン州にまとまっています。ドイツは電車の乗り放題パスが充実しており、州ごとに乗り放題パスが設定されていることが一般的です。

ノルトライン・ヴェストファーレン州においても乗り放題パスが設定されており、1人であれば1日30,30ユーロで電車に乗り放題です(2021年7月現在)。さらにお得に回りたい方はグループ旅行がおすすめ!一人だと30.30ユーロのワンデイパスが5人で45.20ユーロに(2021年7月現在)!

この値段は5人までであれば何人一緒に旅をしても変わらないので、最大人数の5人で旅をすれば一人あたり約9ユーロ(約1,200円)という破格で州内を移動できます。

ノルトライン・ヴェストファーレン州内の世界遺産を電車で周遊して、隣のヘッセン州にある「ライン渓谷中流上部」をクルーズで楽しむ。ドイツらしい電車や船の旅を楽しみながら世界遺産を回れるおすすめの方法です。

西ドイツは世界遺産を楽しめるおすすめスポット!

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今回は西ドイツの世界遺産を紹介してきました。世界遺産は建物や自然の美しさを感じられるだけでなく、その場所のたどってきた歴史を知れる楽しさもあります。

また冒頭にもお話ししたように、今回紹介してきたスポットを含めドイツには全部で46もの世界遺産があります。世界遺産以外にも街並みや食事、イベントごとなどドイツには魅力がたくさん!ぜひドイツ観光を楽しんでくださいね。

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愛優 ドイツに恋した自由人

トラブルをできるだけ事前回避するタイプの旅人。 旅行会社に2年間勤務後、フリーランスに転向。 現在は世界を転々としながらライターやフォトグラファーとして活動中。 次はジョージアへ移住予定。 きれいとおいしいとねこが好き。

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