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ライター
Karin TABIPPO CARAVAN

沖縄生まれの管理栄養士・日本語教師。地球一周旅をきっかけに、地球やそこに暮らす生きものたちの健康にも目を向けるように。「平和は健康から。健康は食と言葉から。」と信じ、わくわく学びの旅を続けている。幼い頃から好きなのは、音楽と宇宙と黄緑色。

やっぱりお家が1番だなぁと思うのに、それでもまた旅にでる。

それはふとした瞬間に思い出す、忘れられない言葉との出会いがあったから。

不安なとき、迷ったとき、言葉は光になって私の背中を力強く押してくれます。そうして気づけば、旅せずにはいられなくなっていたのです。

こんなに旅が好きになるなんて、昔の私には想像もできませんでした。

今回は、3冊の本の中で出会った言葉と私が旅にでるきっかけをくれた言葉をご紹介します。

本の中で出会った、言葉のお守りたち

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『ライフトラベラー/喜多川泰』

「つまり旅は、行けば楽しいことが待っているわけじゃない。そんなことを期待していったところで、つまんない顔して過ごして、帰ってきてつまんなかったって言うのがオチさ。そうじゃなくて、起こることを楽しむと決めるんだよ。」

これは、前回の記事「起こることすべてを楽しむと決めて。旅を重ねて自然と培ったマイルール」でもご紹介した言葉です。

旅に出る前にはいつもこの言葉を思い出すようになりました。

旅に出る前の未知なる世界への恐怖心を探求心や好奇心にかえられる魔法の言葉です。大切なのは目の前の景色や経験を全力で楽しみ、面白がる心だけなのかもしれません。

『Die With Zero/ビル・パーキンス』

「人生で一番大切な仕事は思い出づくり。」
「経験は私たちに、尽きることのない“配当”を与えてくれる。」

旅をしているときと同じくらい、旅を思い出す時間が好きです。

誰かと旅の話をしたり、ふとした瞬間に記憶を反芻したり。 そのたびに、人生の出来事を再体験できることを、この言葉が教えてくれました。

最後に残るのは、思い出だけ。旅の経験から得られる“記憶の配当”は、時が経つほどに大きくなっていくことを実感しています。

『ボイジャーに伝えて/駒沢敏器』

「人が遠い旅を求めるのは、自分のいる場所を知りたいからじゃないだろうか。どこまでも遠くへ行くと、最後には自分の内側にまで戻ってくるような気がするんだよ。」

旅に対して抱いていた、言語化できなかった気持ちが、この一文で昇華されました。遠くに行けば行くほど、ふしぎと本来の自分を取り戻せる感覚があります。

新しい文化や人との出会いは、日常の中で忘れがちな「いま在るものの有難さ」を思い出させてくれる。旅は、外の世界を知ることで、内なる自分に出会う時間でもあるのだと思います。

旅し続ける原点をくれた言葉

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「弟の分も世界を旅してほしい。そしていつかまた会えた時、話を聞かせてほしい。」

これは、私が高校生の時、弟が空に旅立った日に、父が私にくれた言葉です。それから私は、世界中を旅していろんな景色をみて生きている喜びを胸に刻み込もうと決めました。

この言葉がいまも変わらず、旅を続ける原動力になっています。

父も弟のいる場所へ旅立ちましたが、どこかで見守ってくれている気がします。だからいつかまた会えた時、できるだけ面白い話をたくさんしたい。十分冒険した!と褒められたい。

私にとって旅することはそんな“ネタづくり”でもあるのです。今日も自由に冒険できる心とカラダがあることに、心の底から感謝しています。

おわりに

地球一周の旅を終えて帰郷し、宝物箱を整理していたときのこと。

色あせた手紙の中に、昔、父が書いてくれたプロフィール帳を見つけました。

「なんでも叶うとしたら?」という質問欄に、父はこう書いていました。

━━「世界一周」

その文字を見た瞬間、言葉にできない感情に涙があふれてきたのを覚えています。

パイロットになることを夢見ていたのは知っていたけれど、父は本当に世界中を旅したいと思っていたんだ、と。

こうして私が旅のことばかり考えるようになったのは、DNAに父の夢が刻まれていたからなのかもと、父との繋がりを感じて嬉しくなりました。

旅は、誰かの夢の続きを歩くことでもあるのかもしれません。

あなたの背中をそっと押してくれる“言葉”は、どんな言葉ですか?

その言葉を胸に、次の旅へとまた一歩、一緒に踏み出してみませんか。

All photos by Karin

ライター
Karin TABIPPO CARAVAN

沖縄生まれの管理栄養士・日本語教師。地球一周旅をきっかけに、地球やそこに暮らす生きものたちの健康にも目を向けるように。「平和は健康から。健康は食と言葉から。」と信じ、わくわく学びの旅を続けている。幼い頃から好きなのは、音楽と宇宙と黄緑色。

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