ライター
コージー 世界遺産ライター

1994年生まれ。スポーツニッポン新聞社を経て、フリーライターに。大学時代のタイ留学で旅にハマり、バックパッカーデビューを果たす。世界遺産検定マイスターで、1000件以上登録されている世界遺産全制覇が夢。

全身で屋久島を感じるチャリの旅へ

自転車
屋久島旅5日目は、完全にひとりデー。車がないので(僕はペーパードライバーなので運転できない)、レンタサイクルで最終日を楽しむことにした。

宿泊しているゲストハウスでクロスバイクを借り、いざチャリ旅へ。

屋久島の道路
青空の下で自転車を漕ぐのは、最高だ。

「月に35日雨が降る」はずの屋久島だが、今回の旅は連日の快晴。日頃の行いが良いからだろうか。

屋久島の海
目に飛び込んでくるのは海や山、肩にぶつかるのは風、脚には心地よい疲労。全身で屋久島を感じる。

ノマドカフェ
自転車を漕ぎ続けること30分、最初の目的地に到着した。

ノマドカフェ
その名も「ノマドカフェ」。屋久島に来た当初から狙っていたのだが、営業日は日・月・火の週3日のみ。ようやく来れた。

ノマドカフェ
店内には写真が飾られていたり、雑貨が売られていたりしてオシャレな雰囲気だ。

ラープセット
ラオスやタイで食べられているラープのランチセットを注文した。豚のひき肉と人参、赤玉葱を自家製の甘酸っぱいタレで味付け。食欲が刺激される。

ドリンクは自家製ジンジャーエール。鹿児島産の無農薬ショウガを洗うところから手作業で行っているというこだわりの逸品だ。爽やかで、後味スッキリ。

ご飯を食べて、のんびりして、エネルギーをチャージできた。さあ出発だ。

■詳細情報
・名称:NOMADO(ノマドカフェ)
・住所:鹿児島県熊毛郡屋久島町原565
・地図:
・アクセス:バス停「泥淵川」下車徒歩3分
・営業時間:12:00〜17:00(12月中旬〜3月中旬は休業)
・定休日:水・木・金・土曜日
・電話番号:0997-47-2851
・公式ページURL:http://nomado-cafe.seesaa.net/

思った以上に、傾斜がきつい復路

屋久島の道路
ひとつ白状したいことがある。僕は今、後悔している。

もちろん頭では分かっている。最高の天気の中、自転車に乗って風を切りながら屋久島を観光できることがどれほど恵まれていることか。

だけど、きついのだ。太ももが、腕が、そしてお尻が痛い。

友人が運転する車に乗って、外を眺めている時はそれほどアップダウンがないように見えた。自分の足でペダルを漕ぐことで初めて気付いた。意外と傾斜が険しい。

漕いでも漕いでも、全然前に進まない。お金をケチってクロスバイクを選んだ自分を恥じた。電動自転車にすればよかった。

それでも僕は、前に進む。それしかできない。

集落の標識
前へ進む活力をくれるのは、集落の名が刻まれた標識。屋久島には24の集落があり、集落が変わるごとに、このような石碑に出会う。

新しい集落へと入った事実が、進んでいる実感を与えてくれる。

安房川
お気に入りの風景を見つけるたびに、立ち止まってパシャリ。

自然豊かな美しい風景に癒されながら必死にペダルを漕いでいると、今日の1番の目的地が近づいてきた。

屋久島世界遺産センター
屋久島世界遺産センターに到着。Tシャツは汗でびしょ濡れだ。

屋久島世界遺産センター
休憩もかねて腰をおろし、映像を見る。

屋久島の特徴を考えるうえで重要となるのが世界遺産の登録基準だ。世界遺産になるためには、登録基準を1つ以上満たす必要がある。

自然遺産の登録基準全4種類のうち、屋久島が満たしているのは自然美・景観美と独自の生態系の2つ。なかでも特筆すべきは、自然美・景観美。2022年10月現在、日本の自然遺産5つの中で、自然美が評価されているのは屋久島だけなのだ。

屋久島世界遺産センター
屋久島の美しい自然。屋久島ならではの独特な景観。それは5日間、自分の五感でたっぷりと感じてきたものだった。

■詳細情報
・名称:屋久島世界遺産センター
・住所:鹿児島県熊毛郡屋久島町安房2739-343
・地図:
・アクセス:バス停「屋久杉自然館前」下車徒歩約2分
・営業時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
・定休日:12〜2月の土曜日、12月29日〜1月3日
・電話番号:0997-46-2992
・料金:無料
・公式サイトURL:https://www.env.go.jp/park/yakushima/ywhcc/index.htm

また必ず戻ってきたい島

屋久島の道路
無事に世界遺産センターに行けたので、あとはゲストハウスに帰るだけ。ここまで走ってきた距離はおよそ21km。往復でフルマラソン並みの距離になる。

屋久島の道路
やっぱり屋久島は美しい。なんてことのない普通の道路なのに、絵になる。

一方で、僕の体は限界が近づいていた。脚も辛いが、お尻がやけに痛いのだ。

屋久島ジェラートそらうみ
それでも頑張っていればいいことがあるのが人生。オシャレなジェラート屋さんを発見。「屋久島ジェラートそらうみ」でひとやすみしよう。

ジェラート
屋久島名産のたんかんと屋久島茶の2種盛りをチョイス。疲れた体に、屋久島の味がしみる。

そらうみは、屋久島産の旬の食材を使った自家製のイタリアン・ジェラート専門店。ジェラートは全て手作りで着色料、保存料不使用だ。

屋久島ジェラートそらうみ
ジェラートは美味しすぎてあっという間に食べ終わったが、一度座るとなかなか立ち上がれない。

1時間近く、くつろいでしまった。さあ、いよいよラストスパートだ。

■詳細情報
・名称:屋久島ジェラートそらうみ
・住所:鹿児島県熊毛郡屋久島町麦生165-8
・地図:
・アクセス:バス停「ホトー川」下車すぐ
・営業時間:13:00〜17:30(11〜3月の冬季期間は不規則営業)
・定休日:火・水・木曜日
・公式サイトURL:https://yakushima-gelato.jimdofree.com/

屋久島の道路
太ももはすでに筋肉痛を発症しているし、サドルに痛めつけられたお尻は悲鳴を上げている。

でもそんなこと関係なしに、屋久島は美しい。森も、海も、空も、川も見るだけで清々しい気分になる。

屋久島の道路
屋久島の自然に見守られながら、最後の力を振り絞る。

日が沈みそうな頃、なんとかゲストハウスにたどり着いた。ついに屋久島旅が終わってしまう。

自然の圧倒的な美しさに魅せられた5日間。それでも、まだまだ行けなかった場所、できなかった体験がある。また必ず戻ってきたい島だ。

■もう一度読みたい!【前編】の記事はこちらから!

All photos by Koji Okamura

ライター
コージー 世界遺産ライター

1994年生まれ。スポーツニッポン新聞社を経て、フリーライターに。大学時代のタイ留学で旅にハマり、バックパッカーデビューを果たす。世界遺産検定マイスターで、1000件以上登録されている世界遺産全制覇が夢。

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