ライター
かわい まゆみ 絶景ハンター&トラベルライター

かつてミステリーハンターに憧れた、好奇心旺盛、タフさ、度胸、鉄の胃腸とフットワークの軽さ、何より悪運の強さが持ち味の女ひとり旅88カ国。秘境絶景地球のワンダー、日本人になじみの薄いマニアックなスポット、B級グルメに屋台飯が大好物。世界は驚きに満ちている、老いも若きも男女の別なく、"外に出たい"その一歩を後押しする何かを提供できたら嬉しいです。

こんにちは、絶景ハンターのまゆみです。

コロナ禍の自粛ムードで自由を奪われ、パスポートを使いたくてウズウズしている方も多いのでは。海外に出たい!という満たされない想いを埋めるかのように、最近では、日本にいながらにして海外気分を味わえるスポットが注目されていますよね。

実は奄美群島の一つ、与論島(よろんじま)もまたそんなスポット。しかも、パスポートを発行していて国旗もあって、「ヨロンパナウル王国」という別名まであるのですから、もはや“異国情緒”を超えて“異国”。

世界有数のビーチにも匹敵する異次元な美しさの海を持つ与論島の魅力をご紹介します。

島一周40分!沖縄にもっとも近い島、与論島

Photo by 一般社団法人 ヨロン島観光協会
鹿児島県最南端にして、沖縄にもっとも近い島、与論島。奄美群島の一つであり人口約5000人、周囲はおよそ23キロメートルと、車があれば島一周を40分で回れてしまうほどの小さな島です。

見た目は確かに小さな与論島。しかし、“東洋の真珠”とまで謳われた世界屈指の美しい海や白い砂浜、奇岩が織りなすビーチに満天の星、加えて琉球王国に影響を受けた島文化や歴史まで、そのポテンシャルはなかなかのもの。まさにいま注目の離島のひとつです。

パスポートも発行!?ヨロンパナウル王国とは

Photo by Mayumi Kawai
実は与論島、ひそかに別名を持っているんです。それが、「ヨロンパナウル王国」。与論の方言でパナは「花」、ウルは「サンゴ」の意味で、花とサンゴに囲まれた南洋の島という意味で命名されました。

もちろん、これはジョーク。1980年代、観光振興の目的で、ミニ独立国(パロディ国家)建国ブームが全国各地で沸き起こり、ヨロンパナウル王国もそのひとつとして誕生しました。

国王は与論町長、大統領はヨロン島観光協会会長、国旗にパスポート、「ヨロンパナウル王国憲章」なるものまで登場。なかなかに本格的ですね。

Photo by Mayumi Kawai
パスポートはヨロン島観光協会あるいはサザンクロスセンターにて入手可能(1冊税込み400円)。島の到着日と出発日を伝えると入国スタンプと出国スタンプを押してくれます。パロディと頭ではわかっていても、ちょっと海外を訪れた気分にさせてくれてウキウキしますね。

ちなみに、パスポートの有効期限は5年。パスポートを提示すると、王国認証店(パスポート協賛店)にてさまざまな特典や割引を受けることができますよ。

■ 詳細情報
・名称:一般社団法人 ヨロン島観光協会 観光案内所
・住所:鹿児島県大島郡与論町茶花33
・地図:
・アクセス:与論空港、港より車で5分。
・営業時間:8:30~17:30
・定休日:不定休
・電話番号:0997-97-5151
・公式サイトURL:http://www.yorontou.info/

異次元の美しさ!世界に誇る幻の浜「百合ヶ浜」

Photo by Mayumi Kawai
与論島東部、大金久(おおがねく)海岸の沖合約1.5キロメートルの海上にあらわれる幻の浜「百合ヶ浜」。

なぜ“幻”かというと、百合ヶ浜が姿を現すのは通常、春から秋(おおむね3月~10月頃)の中潮から大潮の干潮時のみだから。また風や波の状況によっても左右されます。

つまり、いつ行っても見られるわけではない、そんな条件付きの幻の浜なのです。百合ヶ浜を見たい方は、計画を立てる前にまずはヨロン島観光ガイド公式サイトにて毎年発表される「出現予測スケジュール」を要チェックです。

Photo by Mayumi Kawai
百合ヶ浜がもっとも美しく映えるのは、よく晴れた、風が穏やかな日。海の透明度が増し、異次元の輝きを放ちます。さらに、潮の満ち引きが大きくなる夏は、海岸から渡って歩いていけるほど遠浅のビーチが続き、美しい砂紋が現れます。

一度見たら忘れられない、神がかった美しさ。それはもう、モルディブやタヒチ、ニューカレドニアなど世界有数のビーチにも匹敵するか、それを超える美しさです。世界中のさまざまな美しい海を訪れた筆者だからこそ自信を持っていえる、世界でもっとも美しい海のひとつです。

こんなすばらしい海にパスポートなしで訪れることができるわたしたちは実に恵まれているんですよ。

Photo by Mayumi Kawai
百合ヶ浜までは大金久海岸からグラスボートや水上オートバイなどで向かいます。百合ヶ浜を知り尽くしたグラスボートの船長は、巧みな操縦でウミガメが休息する秘密の岩場まで連れて行ってくれます。

また、運が良ければ、波間をたゆたうウミガメに遭遇することも。海の上から撮影したこの画像、もはやプール並の透明度ですね。

■ 詳細情報
・名称:百合ヶ浜
・住所:鹿児島県大島郡与論町 大金久海岸から沖合約1.5km
・地図:
・アクセス:大金久海岸へは与論空港から車で約20分。海岸からグラスボートで10~15分
・電話番号:0997-97-5151
・公式サイトURL:http://www.yorontou.info/spot/e000014.html

世界屈指の透明度!神秘のダイビング

Photo by 一般社団法人 ヨロン島観光協会
自慢の海は百合ヶ浜だけではありません。サンゴ礁隆起の島で河川のない与論の海は、水深25~30メートルまで見通せるほど世界屈指の透明度を誇ります。さらに年平均気温約23℃と一年を通じて気候が温暖で、変化に富んだ地形と海洋生物の多様性が楽しめる、ダイバー垂涎のスポットとなっています。

季節風の影響で、夏は主に北側、冬は南側を潜水ポイントとし、北側には主に沈船や海中宮殿、ブルーホール、ウミガメなど、南側にはトンネルやホール、アーチなどダイナミックな地形に大型回遊魚などを見ることができます。

画像は、2003年、水深18メートルの海底に作られた海中宮殿。本殿と柱が立ち、天窓はハート型がかたどられています。神秘的な雰囲気で人気のダイビングスポットです。

Photo by 一般社団法人 ヨロン島観光協会
こちらは南側に位置する人気のダイビングスポット「ウワノマキ」、通称「のどちんこホール」。その斬新なネーミングはともかく、起伏に富んだダイナミックな地形が楽しめます。

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かわい まゆみ 絶景ハンター&トラベルライター

かつてミステリーハンターに憧れた、好奇心旺盛、タフさ、度胸、鉄の胃腸とフットワークの軽さ、何より悪運の強さが持ち味の女ひとり旅88カ国。秘境絶景地球のワンダー、日本人になじみの薄いマニアックなスポット、B級グルメに屋台飯が大好物。世界は驚きに満ちている、老いも若きも男女の別なく、"外に出たい"その一歩を後押しする何かを提供できたら嬉しいです。

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