10歳の息子にバックパッカー経験をさせる理由
そらくんのお父さんはアートディレクターの大山よしたか氏。ビジネスの世界で活躍し、さまざまなモノやコトをディレクションするお父さんが愛息子を旅させる理由には、優しさに溢れていました。
ーー 親のエゴなんですけどね。子どもは親に連れて行かれているだけだし、それによって世界は縮まらないし、行ったって記憶に残ってないし。
そう前置きをするお父さんは、続けてこう語ります。
ーー大事なのは「やったことあるかないか」が、人間の自信の奥底にあるし、「アメリカ行ったことないから怖い」みたいなところが少しでも広がるといいかなって思いますね。それともうひとつ、そらには眠ることを忘れるくらい夢中になることを見つけて欲しい。直接的に教えたり、学ばせることはしないけど、近い将来自分で選択するようになったとき、好きなことを見つけるキャパは広いほうがいいと思うんです。
事実としては旅をさせていますが、本質としてはより多くの「キッカケ」を与えています。
「可愛い子には旅をさせよ」
All photo by Yoshitaka Oyama
いろいろな経験をして
世界が広がってゆくのが
人生だと思うけど
夢中になって徹夜するくらい
好きなこと見つかるといいね
父である大山よしたか氏は、息子のそらくんにそのようにメッセージを送ります。旅の事実を追求するわけではなく、息子の「夢中」を引き出そうとしているのです。
みなさんもスポーツやゲーム、マンガなど、誰しもが夢中になった経験はあるのではないでしょうか。若い頃から旅をすると、世界のスケールを感覚的に知ることができます。そのスケールを土台として、夢中の幅が広がり、夢中を選択する余裕すら生まれます。
そらくんが旅をする理由。そこには、元バックパッカーである父親のただならぬ愛が詰まっていました。
ひとり旅の初陣も、そう遠くない日に訪れることでしょう。