ライター
Yu Villegas 元パティシエ&日本語教師

娘二人が産まれてからも、旅は引き続き人生の生きがい。格安航空券を見つけては、週末旅に出かける日々。元パティシエ&日本語教師。旅で何よりも楽しみなのは、そこでしか食べられないローカルフードや地元の人々との交流。渡航国数34ヵ国。現在はワーホリ以来12年ぶりにドイツ滞在中。 インスタやブログでも旅情報を発信中。

こんにちは、トラベルライターのYuです。

みなさんは、オランダといったら何を思い浮かべますか?チーズ、風車、運河、木靴を思い浮かべた方も多いかもしれません。

今回はそんな”THE・オランダ”な景色・体験を一度にすべて満喫できる「ザーンセスカンス風車村」について紹介していきます。

オランダの伝統を継承する、ザーンセスカンス風車村


アムステルダムの北西15kmほどに位置する、「ザーンセスカンス風車村」。

田園風景が広がる運河沿いに風車が立ち並ぶ景色は「野外博物館」とも言われるほどの美しさで、毎年200万人を超える観光客が訪れているんだとか。


昔はオランダ中に風車があったそうですが、現在では大半が取り壊されてしまい、風車が集まった景色が見られる場所は限られてきています。ここザーンセスカンス風車村は、今でも風車の景色が見られる貴重な場所となっています。


訪れるうえで、この風車村の誕生秘話を知っておくと、より感慨も深まるでしょう。

風車村のあるザーン地方には、最盛期は1000基もの風車が稼働していたそう。しかし工業技術の発展に伴い、1920年にはわずか20基のみになってしまいました。


これに危機を感じた地元の人たちは財団を組み、ザーン地方の文化や伝統を保存・継承する場として1961年に風車村を作ったのです。

風車村にあるのは、ザーン地方に残存していた風車や伝統家屋。これらはすべて大型トレーラーや船で運ばれたというので驚きです。


昔からの文化や技術を継承するため、伝統家屋では実際に人々が暮らしています。また各種工房では、職人たちがものづくりを続けるとともに、訪問者にその技術を惜しげもなく披露しています。

風車村全体は観光客に開放されていて、入場は無料。アムステルダムから日帰りで行くのにとってもおすすめの場所なんです。

これぞオランダ!風車のある景色


風車村に一歩足を踏み入れると、運河と田園風景、風車が並んだ”THE・オランダ”な景色が待っていて、しばらくの間、ぼーっとこの景色に感動したのを覚えています。

現在12基ある風車のほとんどは、マスタードや染料、油をつくるのに現役で稼働しています。


入り口そばにあるのは、マスタード作りの風車。内部はお土産物屋さんになっており、マスタードはもちろん、オランダらしい容器に入ったクッキーなども販売されていて、ショッピングにもおすすめです。


デ・カット(1664年に作られた、染料をつくる風車)や、デ・ズッカー(1610年に作られた、製油の風車)などでは、風車内部を見学することもできます。入場料は5ユーロほど。

時間に余裕のある方はゆっくりまわってみてはいかがでしょうか。

巨大木靴での撮影はマスト!木靴工場


オランダといえば、この黄色い木靴を思い浮かべた方もいるのではないでしょうか。風車村内にある木靴工房の外には、巨大木靴が展示されていて、絶好の撮影スポットになっています。


工房内には、歴代の木靴が多数展示してあったり、木靴づくりの実演を無料で楽しめたりして、見ごたえ抜群。時間帯によって、オランダ語と英語での案内がありました。


工房内には大きなお土産物屋さんが併設されていて、大量の木靴がサイズや色別にずらりと陳列された様子は圧巻。現地の人はこの木靴をガーデニング用として使うそうですよ。

子供用もサイズ・色と多数あり、我が家も娘たちにゲット。一見歩きにくそうですが、じつはとても履き心地が良く、娘たちは機会があるごとに喜んで履いています。


店内は木靴の他にも、チューリップやオランダモチーフのカラフルなお土産で溢れています。とにかくオランダのお土産は、色づかいいもデザインも可愛いものばかり!ポストカードや木靴モチーフの手軽なお土産も多くあり、楽しいショッピングになるはず。


オランダ生まれの人気者・ミッフィーにも会えます。アムステルダムやユトレヒトなど、オランダ各都市で見かけるミッフィー像ですが、民族衣装と木靴をはいたミッフィーに出会えるのはザーンセスカンス風車村だけだそうですよ。

木靴工房入ってすぐのところにいるので、ぜひチェックしてみてくださいね。


工房の外壁には木靴がかわいくデコレーションされていたり、巨大木靴が置かれていたりして、風車村内でも一番人気の撮影スポットになっています。時期によって木靴の配置のデザインが変えられるので、何回行っても楽しめちゃうのも大きな魅力のひとつです。

■詳細情報
・名称:Wooden Shoe Workshop of Zaanse Schans
・住所:Kraaienest 4, 1509 AZ Zaandam, Niederlande
・地図:
・アクセス:Zaandijk Zaanse Schans駅から徒歩15分
・営業時間:8:00~18:00
・電話番号:+31756177121
・公式サイトURL:https://www.woodenshoes.nl/

チーズ工場で、オランダの味に魅了される


風車村には、酪農が盛んだったザーン地方らしいチーズ工房もあります。オランダと聞いてイメージする、あの巨大な丸いチーズがところせましと並んでいる様子にも出会えました。

ちなみにお土産用には、10ユーロほどで買える小型のチーズも多数あるのでご安心を♪


店内ではオランダの伝統衣装に身を包んだ売り子さんがチーズについて解説してくれ、さまざまなタイプのチーズの試食ができます。この内容で、入場料無料は嬉しいところ。

数回この風車村に来たことがあるのですが、毎回こちらのチーズ工房は大人気。週末の午後にもなるとかなり混雑するので、午前中に来ることをおすすめします。

■詳細情報
・名称:Catharina Hoeve
・住所:Zeilenmakerspad 5, 1509 BZ Zaandam, Netherland
・地図:
・アクセス:Zaandijk Zaanse Schans駅から徒歩15分
・営業時間:8:00~18:00
・電話番号:+31756215820
・公式サイトURL:https://www.dezaanseschans.nl/ontdek/ambachten/

のどかな田舎の風景と、伝統家屋を見ながらお散歩


風車村には運河と田園風景が広がり、都会のアムステルダムとはまた違ったオランダらしい景色を楽しめます。

屋台でオランダ名物のストロープワッフル(薄いクッキーのようなワッフル生地でキャラメルがサンドされた、オランダ名物のお菓子)をゲットし、あつあつワッフルを頬張りながらの散策もおすすめ。


ザーン地方特有の、グリーンの家々が並ぶ光景もここならでは。お土産物屋さんや風車を見物しつつ、家並みを眺めながらの散策も素敵な時間になること間違いなしです。


歩き疲れたら、数百年使われた歴史ある風車を間近に見ながらの休憩も。

ちなみに風車村にはレストランも数軒あるのですが、観光客の数に対して数が少なく、食事時には大行列になることもあります。風車村に来る前にベーカリーでサンドイッチなどを購入し、景色を眺めながらゆったりピクニックランチをするのもおすすめです。


放し飼いされた羊やヤギの姿には、かなり癒やされます。アムステルダムからわずか15㎞で、こんなにのどかな風景が見られるなんて……!

ボートでの運河クルーズもこの風車村から出ているので、時間に余裕のある方は旅程に組み込んでみても良いかもしれませんね。

アムステルダムからのアクセス方法


電車の場合は、アムステルダム中央駅から「Zaandijk Zaanse Schans駅」まで行き、そこからザーンセスカンス風車村まで徒歩15分。

バスの場合は、アムステルダム中央駅のバス停から391番の「Zaandam Zaanse Schans」行きのバスの終点まで乗りましょう。バス停の目の前が風車村です。

これぞオランダ!な風景を楽しもう

アムステルダムの都会の街並みとはまた違った、オランダの昔ながらの風景を垣間見られるザーンセスカンス風車村。これぞオランダ!な景色にテンションが上がるとともに、のどかな風景に心癒やされます。

アムステルダムから電車でわずか20分で行けるので、ぜひオランダ旅行の日程に入れてみてはいかがでしょうか。

All photos by Yu Villegas

ライター
Yu Villegas 元パティシエ&日本語教師

娘二人が産まれてからも、旅は引き続き人生の生きがい。格安航空券を見つけては、週末旅に出かける日々。元パティシエ&日本語教師。旅で何よりも楽しみなのは、そこでしか食べられないローカルフードや地元の人々との交流。渡航国数34ヵ国。現在はワーホリ以来12年ぶりにドイツ滞在中。 インスタやブログでも旅情報を発信中。

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