その美しい自然環境とハイセンスな街並みから、旅先として根強い人気を誇る北欧スカンジナビア。
高い人気を表すかのように、これまでTABIPPOでも多くの特集が組まれていますが、実は人気の観光地はスカンジナビア半島南部に集中しており、スカンジナビア半島北部の北極圏を訪ねる旅人は多くはありません。
今回はその北欧北部、北極圏にフォーカスしてみたいと思います。
北欧の北極圏周辺は、国境を越えてひとまとめにラップランドと呼ばれ、北欧諸国の人々にとっても特別な場所です。
(日本人にとっての北海道のような感覚です)
実は私は、アラスカやカナダ北部を10年以上リピートし続けている極北フリーク。アラスカ&カナダ北部と比較しながら、北欧の極北であるラップランドならではの見所からアクセスまでをお伝え致します。
オーロラ(ラップランド各地)
言わずとしれた美しい自然現象であり、極北トリップのアトラクションの目玉ですので説明は割愛しますが、実際に生で見るとその神秘さは想像を絶します。みなさんぜひ一度極北へ足を運んでください。ちなみに海とオーロラのコラボレーションは、他ではあまりお目にかかれません。
さらに北欧の冬は、沖合を流れる暖流の影響から気温-10℃〜-20℃と北米ほど冷え込みません。北米のアラスカ、カナダ北部と比べて暖かく(笑)気軽にオーロラ鑑賞ができるのは北欧ならではです。
(北米のピークは-20℃〜-40℃)
白夜と極夜(ラップランド各地)
Photo by TKY
夜12時の北の空
Photo by TKY
真夜中の太陽
白夜は、夏の時期、夜になっても太陽が沈まない現象です。いっぽう極夜は、その正反対で冬の時期、昼になっても太陽が昇らない現象です。多少の誤差はあるものの、北半球では北極圏(北緯66.33°)以北にて起こります。
(※北極圏の定義は、つまり北半球の日照範囲が最大となる夏至の日の白夜の南限です。)
深夜に夕焼けを迎え、そのまま夕陽が地平線上を横滑りし、また登り出す白夜。極地の自然が生み出す奇跡の美しさを見に行きましょう!
フィヨルド(主にノルウェー)
フィヨルドは、氷河による浸食によって形成された複雑な地形が海に沈んだ入江、湾のこと。ノルウェーで生まれた言葉なんです。フィヨルドはアラスカやチリ、ニュージーランドでも見ることができますが、やはりノルウェーのフィヨルドこそが真のフィヨルドであり、最も有名です。
ノルウェー最大の見所とされる観光名所「ソグネフィヨルド」などは、オスロからアクセスの良いノルウェー南西部に集中していますが、北極圏でも立派で美しいフィヨルドは見られます。何より北極圏は雪化粧の期間が長く、またオーロラや白夜とのコラボレーションという、ラップランドならではの絶景が楽しめます!
ロフォーテン諸島(ノルウェー)
世界で最も美しい場所のひとつと呼ばれることもある世界的景勝地で、フィヨルドが島なみを形成しています。アルプスの頂を海に浮かべたようと形容されることもあり、特に雪化粧した険しい山と海のコラボレーションはロフォーテン諸島ならでは。
アクセスは決して良くないものの、行く価値は大いにアリです。緯度の割に温暖なので漁村としても栄えており、さらに干ダラやサーモンの産地としても有名です。脂ののったノルウェーサーモンがたまりません!!
ノールカップ(ノルウェー)
知る人ぞ知る、EU圏最北端の岬です。北緯71.10°を越えるこの岬は、その気象条件から北極の一部として扱う識者もいるほどの辺境です。最北端や最南端といった端っこ好きが多い旅人としては、絶対に行っておきたいポイントですね。
北の端にあるこの岬から見えるものと言えば北極海のみ。北の空で起こる白夜の輝きを遮るものは一切なく、見渡す限り赤い光に包まれた絶景を見られるのはノールカップならでは!
実はアラスカで同じ景色を見ようとしても、アラスカ北極圏は危険がたくさん。グリズリーが生息する未舗装の山域を自力で旅して、北極海まで辿り着くのはまさにサバイバルです。しかし安心してください。
北欧では、近くの町までフライトし、そこからレンタカーかバス(ロヴェニエミ(フィンランド)→12.5h→ホニングスヴォーグ(ノルウェー)→0.5h→ノールカップ)を乗り継いでラクラク北極海まで達成できます。この安全で快適な旅も北欧ならではです!
ラポニア国立公園(スウェーデン)
ラップランド圏内のスウェーデン領域に位置する国立公園で、世界遺産にも登録されています。ラポニアはスウェーデンの自然環境を象徴するような、美しい森と湖の自然域。さらにトナカイを追いながら定住しているサーメ人、ラップ人の居住地となっており、先住民と会えるかも!