こんにちは。写真家の上田優紀です。
今年の2月から4月にかけて、1年ぶりに南米を旅してきました。目的はウユニ塩湖とパタゴニア地方の撮影です。ウユニ塩湖は言わずもがな有名な絶景スポットですが、帰国後にパタゴニアって名前は知ってるけど、どこなの?と聞かれることが多くてびっくりしました。
というわけで、今回は僕の旅にそって魅力あふれるパタゴニアについてご紹介したいと思います。
そもそもパタゴニアってどこ?
photo by yukiueda
パタゴニアとは南アメリカ大陸の南緯40度より南の地域の総称で、冒険家のマゼランによって名付けられました。
嵐の大地と呼ばれるほど風が強いことで有名で、この地域には世界でも有数の氷河や手付かずの大自然が太古の昔から変わらない姿で残っており、世界中のトレッカーたちの憧れの地でもあります。
マグダレナ島でペンギンとたわむれる
photo by yukiueda
今回の旅はチリの南端、プンタアレーナスからはじまります。プンタアレーナスの近くにはマグダレナ島やオトウェイ湾といったペンギンのコロニーがあり、山ほどペンギン達に会えることで有名です。ぼくも一人さみしく山にこもる前に、ペンギンたちに癒されることにしました。
ぼくが訪れたマグダレナ島には、最大で10万羽のペンギンたちがいるとのこと。1つの島にペンギン10万羽って想像がつきません。すずめが10万羽でもよく分からないのに…
そんなことを考えながらフェリーに乗り込み、30分ほどで見えてきたマグダレナ島はまさにペンギンの島でした。
どこを見渡してもペンギン、ペンギン、ペンギン!
人間に慣れているのか、すぐ近くまでよって来ます。12月ごろには赤ちゃんペンギンも誕生するので、島はさらにペンギンで埋め尽くされるのだとか。1時間ほどペンギンを堪能して、島を後にしました。たぶん、一生分のペンギンを見たと思います。
いよいよ山ごもり。まずは、パイネ
photo by yukiueda
ペンギンたちに癒されて、いよいよ本格的に撮影を開始するためにパイネ国立公園に向かいます。パイネ国立公園はトーレス・デル・パイネをはじめ、これぞパタゴニア!というような荒涼な風景が広がる場所。公園内を2週間ほどトレッキングしながら撮影をしていきました。
2週間分の食料と撮影機材を入れたバックパックは30キロを超えてしまうので、普通に歩くことさえ困難です。そんな荷物を背負い、時速2キロで山道をひたすら歩き続け、2週間かけてどこまでも広がる氷河や雄々しい山々を撮影していきました。
本当に風が強く、向かい風の時にはまっすぐ歩くことさえできないほど。そんな状況でも1日に何十キロも歩かなくてはいけない時、何度も心が折れそうになりました。
しかし、全ては写真を撮影するため。これがぼくの仕事なのです。
大氷河ペリト・モレノへ
photo by yukiueda
パイネでパタゴニアの大自然を撮影した後に訪れたのは、エル・カラファテという町。カラファテの近くにはペリト・モレノという氷河があります。ペリト・モレノ氷河は約250㎢もある大氷河で、高さ60mの氷河がものすごい音を立てて崩落するシーンは大迫力でした。
さらに、ここでは氷河をトレッキングすることもできます。慣れないアイゼンを付けてのトレッキングは最初は少し戸惑うかもしれませんが、氷河の上だからこそ見れる絶景が広がっています。