ファーストクラスで世界一周したあと、博多にてホステル「Hakata Minoshima Hostel FUTAGI」を経営されている二木 俊彦さん。今回は、二木さんがホステル経営にかける思いをうかがいました。
1978年、北海道札幌市生まれ。食品の営業、医療機器の営業、世界一周の旅、MRを経て、福岡県福岡市にて「Hakata Minoshima Hostel FUTAGI」を開業。世界一周のコンサルや企業への旅学講師としての仕事も画策中。
――博多でホステル「Hostel FUTAGI」を経営されている二木さんですが、もともとホステル経営が夢だったんですか?
31歳のとき、ファーストクラスで世界一周していました。世界一周する前はもちろん、帰国した後もサラリーマンでしたし、サラリーマンをやめる気もありませんでした。
世界一周中に「ホステルを経営したらおもしろいだろうな」と思ったことはあったものの、お酒が好きな人が「将来バーを経営してみたいな」と言うのとちょっと似ているかな。本気ではなかったし、本当に自分が開業することになるなんて、夢にも思っていませんでした。
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――その気持ちを変えるきっかけがあったんですか?
きっかけは、『人生を変えた世界一周』に寄稿したことです。出版と同時に、私が住んでいる福岡でも出版記念パーティーを開きました。ツイッターで告知したところ、知らない人を含めて、60人ほどが参加してくれました。
2次会で参加者と話していたら、「東京にはイベントがたくさんあるけど、福岡にはないよね」「旅行が好きだから、福岡で旅行好きのイベントがあればいいのに」という話題が出たんです。話の流れで「じゃあ、僕たちがやろうよ!」と盛り上がり、毎月1回、旅のイベントを主催するようになりました。
――どんなイベントですか?
提供:二木さん
飲み会のようなものです。でもそうすると、お金がない学生さんはあまり来られない。学生さんにも来てほしいから、やがて僕の自宅に集まるようになりました。20回ほどやったかな。
でもあるとき、僕の2LDKの自宅に70人くらい集まってくれたことがあって。静かに飲んでいたものの、あまりに多くの人が集まったので、警察を呼ばれてしまったんです。
その出来事をきっかけにシェアハウスを運営することを思いつき、物件を探すことに。そこで見つけた物件が「Hostel FUTAGI」です。
――はじめはホステルではなく、シェアハウスだったんですね。
そうなんです。シェアハウスでイベントを開催していたころ、Airbnbが上陸しました。「ホステルをやってみたい」という気持ちがなんとなく頭の中にあったので、練習としてシェアハウスの部屋を貸し出すことに。たくさんの人が泊まりに来てくれました。
――そこからホステル経営へ、気持ちが傾いていったんですね。
いつしか、ホステルを経営したいと思うようになっていました。そんな気持ちを知人に話したところ、今お世話になっている社長と引き合わせてくれたんです。
しかも、銀行を口説き落として、好条件で融資してもらうこともできた。それもこれもタイミングがよかっただけで、もし1年後だったら無理だっただろうなと思います。本当に運がよかった。
――運命の出会いだったんですね!「Hostel FUTAGI」のお客さんはどんな方が多いですか。
お客さまのうち、7~8割が女性です。若い女性、25歳~35歳くらいの方が多くいらっしゃいますね。
ありがたいことに、リピーターの方もいらっしゃいます。出張で来福されるある方は、2年間で9回いらしています。ある韓国の方は、3か月に1回、ショッピングに来るたびに泊まってくださっていますね。
――「Hostel FUTAGI」がよほど魅力的なんでしょうね!
提供:二木さん
僕自身、世界一周で100以上の宿を泊まり歩いた経験から、最高のホステルを実現できたという自負があります。
清潔感はどこにも負けませんし、設備が広々としていて居心地がいいのもポイントです。僕は旅しているとき、ベッドで首をのばして座れないのがいやだったし、シャワールームが狭いのも、ベッドのカーテンを開閉する音がうるさいのも嫌だった。そうした点を、「Hostel FUTAGI」ではすべて改善しています。
特にベッドにはこだわっています。二段ベッドのはしごではなく、ベッドの間に階段をつけています。こうすれば危なくないし、隣同士のベッドで顔を合わせながら話すこともできるんですよ。