こんにちは!北海道観光インスタグラマー「旅と北海道」のROYです。
みなさん、知床と聞いてどこにあるのかピンと来ますか……?世界遺産としても名が通っている知床ですが、道東の最果てにあり、もしかしたらなかなか馴染みがないよ、という方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、そんな試される大地の知床にて「道東トラベルウィーク2023 冬」に参加してきました。
北海道在住の僕は、過去に2度知床に行ったことがありました。
ですが、今回のテーマである「余白をえがく」知床での旅の中に、新しい旅のカタチ・北海道の魅力が見えてくるのではないかと思い、知床のトラベルウィークに参加させていただくことにしました。
『一生に一度は見たい雪と氷!知床「流氷と大雪原」旅』とは?
道東エリアで2023年1月29日(日)〜2023年2月22日(水)の期間で開催された「道東トラベルウィーク2023冬」。道東4エリアが舞台です。
・参考:余白あふれる道東で、大自然を遊び尽くす旅を。道東トラベルウィーク2023冬を実施します|TABIPPO.NET
そして、僕の旅の舞台は、その中でも知床が舞台の『一生に一度は見たい雪と氷!知床「流氷と大雪原」旅』です。
・参考:【2/9(木)〜13(月)】一生に一度は見たい雪と氷!知床「流氷と大雪原」旅、参加者募集中!|TABIPPO.NET(募集終了)
ほかには十勝・帯広「サウナとグルメ」旅、釧路「森と遊び」旅、北見・網走「暮らしとカーリング」旅が開催されました。
では、以下では個人的には最も異世界感があるだろうと感じる、知床でのツアーをご紹介していきます。
1,000kmの旅をしてきた「流氷」の上をウォークする
旅の始まりは北海道・女満別空港から。道外のみなさんが、早速の雪の洗礼に圧倒されているのが印象的でした。
知床まで移動し、最初にして目玉のイベント「流氷ウォーク」を体験します。
「流氷ウォーク」とは、文字通り流氷の上をウォークするアクティビティです。知床とはいえ、流氷はつねに存在しているわけではなく、ロシアから長い距離を旅してやってきます。
ハイシーズンは2月くらいなのですが、日によって流氷の有無や量がまったく変わってきます。この日のコンディンションはいかに……?
さて、濡れても寒くないドライスーツに着替えて準備万端。海岸に向かい、恐る恐る流氷に向かって進みます。そもそも雪が初めてという方もいらっしゃったので、みなさんテンションマックスです。
肝心の流氷はあるのか……
ありましたね!
信じられますか?これ、すべて流氷です。海の上を歩いています。地平線の奥まで、ユーラシア大陸から1,000kmかけた旅の先に知床までやってきました。写真を見ていただいてわかる通り、この日のコンディションは最高。
さらにこの写真を見ると、「海の上」という説得力が増しますね。
ところどころ氷が薄い部分があるので、歩いているとズボッと抜けて落下(!)するなんてことも楽しみました。みんなで飛び跳ねたり、流氷風呂さながら海に浸かったり。
広義の意味では、「同じ旅人」とも言える大陸の向こう側から流れてきた「流氷の旅」に思いを馳せながら、各々心向くまま自然を楽しみました。
こちらのリールで流氷ウォークの体験動画が見られるので、合わせてぜひご覧ください。
この投稿をInstagramで見る
自分でえがく余白タイムを楽しむ
その後、4時間ほど余白の時間がありました。
行動が決められている普通のツアーと違い、各々の余暇があるのもこのツアーの魅力の一つ。
北海道の自然を感じて周辺を散歩をしたり、ワーケーションさながら仕事をしたり、自由に余白を楽しみます。僕は同じ旅の参加者たちと「北こぶし知床 ホテル&リゾート」に行きました。
ここの魅力はなんといっても、2021年サウナシュラン第2位のサウナ!なんと、サウナ室から流氷が見られるんです。余白中も大自然に圧倒されながら過ごす。同じ趣味の仲間を見つけて、余暇を共有できるのもこの旅の魅力の一つ。そんな時間を楽しみながらしばしリラックス。
シレトコノミライをえがく夜「ソーシャルスナックはるか」
「ソーシャルスナックはるか」は、知床在住のはるかさんが開催したこの日1日限りのスナック。
世界自然遺産である知床に暮らす人々の生き方は、都会での生活とは違った営みがあります。どんな仕事をして知床に暮らし、日々何を感じているのか。知床の未来を語り合いながら、生き方を自由にえがく時間です。
このタイミングで、初めてツアー参加者のみなさんと自己紹介。ツアー参加者だけではなく、知床在住の方もたくさん参加してくれました。地元の漁師さん、地域おこし協力隊、地元を盛り上げる財団など。
地域の方と話していると普段の暮らしでは分からない、たくさんの発見がありました。
世界自然遺産という圧倒的大自然の中に暮らすということ。それは人間が自然の中にお邪魔して、生活させてもらうことだと言っていました。
自然や動物たちとの共存が鍵になりますし、地域で暮らす人たちのたくましさが見えました。
北海道在住の僕ですが、自然と共存するという感覚はあまり持ったことはありませんでした。
観光地の知床の地だからこそ、表には見えてこない地域の方の努力や想いを、旅人の我々は感じなければならないと考えました。知床の魅力は単なる「大自然」ではなく、この「共存」にこそあるのかもしれないですね。
世界自然遺産「知床の森」を歩きえがくスノーシュー体験
2日目の最初のコンテンツ、世界自然遺産「知床の森」をスノーシューで散策。
ソーシャルスナックで地域の方から知床での自然との共存の話を伺った後なので、その自然に足を踏み入れることに少し緊張してしまいました。スノーシューを履いて、レッツゴー!
ぞろぞろと世界自然遺産の森の中を進んでいきます。ネイチャーガイドさんによる、自然の解説は道民の僕でも知らないことがほとんど。非常にためになりました。
実は、今我々のいるこの森の中は熊も生息しています。しかし、冬は基本的に冬眠しているので出てくることはほとんどありません。
今、熊はどのようにして過ごしているのか。自然・動物・人間の共存を再び感じさせられました。
ときには、前日から少し量を減らした流氷を眺めて、改めて流氷も生きていると思わされる絶景を眺めてみたり。
ときには、坂道をソリで滑り、都会では感じられない自然遊びの楽しさを見つけてみたり。
圧倒的大自然を感じながら、地域の方にその土地の魅力、生活を教えてもらう。参加者のみなさんの心の余白にも、何か訴えるものがあったと感じています。
流氷を溶かして肌に感じる「流氷ロウリュ」で流氷サウナ
そして次は、ロウリュに流氷を使った「リュウヒョーリュウ」が体験できる、日本で滅多に経験できないテントサウナ体験。と言われても、事前にはあまりイメージができていなかったのですが、「こちらが会場です!」と連れてこられた場所がこちら。
まさに、異世界!!
流氷の中にぽつんと立つ、3棟のテント。こんなのもちろん道民でも体験したことはありません……水着に着替えていざ、究極の「ととのい」へ。
サウナって、初めまして同士の人でもフラットにお話ができる非常によいスポットだと思っています。
つねに携帯しているスマホを置いて、人と人が向き合う空間。北海道という大自然を中に思わず身も心も開放的になります。初めましての人同士だって、一緒にサウナに入ったらすっかり打ち解けられますね。
そんな気持ちで、つい長居してしまいましたが、そろそろメインディッシュの水風呂へ。水風呂はもちろん..….
流氷を使った、0.1度の川の水!最初に入るときは躊躇してしまいますが、大自然の中の貴重な体験を逃すわけにはいきませんね。自然に身を委ねます。
流氷を見ながら、自然と一体化。時折聞こえる、流氷が動く「流氷の鳴き声」。想像しづらいと思いますが、流氷って鳴くんです。
海が揺らぎ、上下に動くたびに聞こえる「キューッ」という流氷のきしめき。どこまでも圧倒的な自然が直面してくるのが、ここ知床です。
知床の漁師アントレプレナーが動く贅沢BBQ
「番屋」と呼ばれる、知床半島で漁師の宿泊所として使われる小屋を、リノベーションして生まれたのが知床の地域拠点「Shiretoko Base」。
そこで、漁師をしているローカルフレンド(地元に詳しい人)と一緒にBBQを楽しむイベントもありました。前夜同様、地元の方にもたくさんお越しいただき、たっぷりとお話ししました。
TABIPPOは、過去にも知床で何度かツアーを行なっており、僕自身も参加したことがあります。その時の知床の印象は、「地域をよくするために動いているプレイヤーがたくさんいて盛り上がっている」でした。
ですが今回お話を伺うと、予想外の答えが返ってきました。
今でこそ「動いている」ように見える知床を盛り上げる活動ですが、つい最近まではそんなことはなかったそう。
ソーシャルスナックを開催していたはるかさんを中心に、少しずつ人が周りに集まっていて、今ももがいている最中だと。
だからこそ、こうして若者たちが外からやってくることで、町内のプレイヤーたちが刺激されてよりよい街づくりができるようになるとお話してくれました。
よりローカルに触れ合う「余白の旅」だからこそ、こうして少しでも旅先の人と人との関わりで何かを生み出せたら嬉しいと感じました。
野付半島で氷平線ソリツアー
2泊3日の旅は短く、いよいよ最終日であり、最後のコンテンツ。湿地保護の国際条約・ラムサール条約にも登録されている「野付半島」で、スノーモービルによるソリツアー。
今回やってきたこの場所、日は地図で見るとすごく特徴のある形をしているんです。まっすぐな道、左右のどちらを見ても海という日本でも少し珍しい場所。
そんな場所が冬になると、こうなります。
見渡す限りの大雪原。普段は「湾」となっている凍った海の上を、そりで駆け巡ります。
大自然を感じながらも、背後にそびえるのは北方領土、国後島(くなしりとう)。わずか16kmという目と鼻の先には、長年の領土問題になっている舞台が広がっています。
地元の人の北方領土に対する思いや歴史を伺い、知床周辺の地理的な特殊さも再認識しました。
真っ白でだだっ広いこの場所では、トリック写真も撮影可能です。各々のクリエイティビティを活かして撮影していました。
ちなみに、ここは野生の鹿がたくさんいます。運がよければ、目の前に現れるエゾシカに会えるかもしれません。
まとめ
大自然、知床を舞台にした今回の余白をえがく旅。人間が自然の中にお邪魔する感覚って、特別です。
また、何度か訪れたことがあった知床ですが、現地の方とお話をすることによって見えてきたあたらしい感覚もありました。都会の中では、時間と選択肢を消費しているような「生かされている」状態でしたが、大自然の中でたくましく「生きる」人たちを見て圧倒されました。
ただ現地に行っただけでは持てなかった感情が、この余白の旅で生まれました。
北海道に来るときは、その土地の人たちと言葉を交わし、その想いを聞いてみてください。普段は感じられない自分の中の余白を見つけることができるかもしれませんよ。
All photo by ROY
▼ GATE TO HOKKAIDO|北海道 旅行・観光情報サイトはこちら