ライター
Yu Villegas 元パティシエ&日本語教師

娘二人が産まれてからも、旅は引き続き人生の生きがい。格安航空券を見つけては、週末旅に出かける日々。元パティシエ&日本語教師。旅で何よりも楽しみなのは、そこでしか食べられないローカルフードや地元の人々との交流。渡航国数34ヵ国。現在はワーホリ以来12年ぶりにドイツ滞在中。 インスタやブログでも旅情報を発信中。

こんにちは、ドイツ在住トラベルライターのYuです。

毎年ヨーロッパのカトリック圏では、年が明けるとカーニバル一色になります。なかでもヴェネツィアのカーニバルは世界的にも有名ですよね。

ところが近年、ヴェネツィアはオーバーツーリズムが大問題に。とくにカーニバル期間は世界中から観光客が殺到しており、年々深刻な状況になってきているのだそう。

そこで今回は、オランダ南部のマーストリヒトという街のカーニバルにスポットをあて「ヨーロッパには他にもカーニバルの聖地があるよ~!」ということをお伝えさせてください!

そもそもカーニバルって何?

ドイツ・トリアーのカーニバル
日本語で「謝肉祭」と訳されるカーニバルは、春の訪れやキリストの復活祭を祝うカトリックの祝日。

現代ではパレードがあったり、カラフルなコスチュームを着てノリノリに楽しもう!という人たちが多く集まったりして、冬の一大イベントとなっています。また私が住むドイツでは、パレードのフロートから、観客にお菓子やお酒が観客にふるまわれます。

ポルトガル領アゾレス諸島のカーニバル
老若男女が楽しめるイベントであるカーニバル。

カトリック圏にある学校では、カーニバル週間はコスチュームを着て登校したり、さまざまな関連イベント・アクティビティが用意されていたりして、子どものころから慣れ親しむ伝統行事という一面もあります。

カーニバル期間は、基本的にイースター(復活祭)からさかのぼって6週間前の日曜日からの3~4日間。2月中旬~後半になることが多いですが、毎年変わるので、必ず事前にチェックしてくださいね。

オランダ南部にあるカーニバルの聖地・マーストリヒト


ここから、マーストリヒトのカーニバルについて紹介していきましょう。

オランダ最古の街として知られるマーストリヒト。オランダでもっとも美しいと言われる広場と教会をそのまま再利用した世界一美しい本屋「ドミニカネン」や昔ながらの水車で粉を挽くパン屋「De Bisschopsmolen」など、みどころが多くあります。

「オランダ1」と言われるクリスマスマーケットも、ここマーストリヒトで開催されるんですよ。


さまざまな魅力溢れるマーストリヒトですが、住民たちが何よりも1年間ずーっと心待ちにしているイベント、それがカーニバルなんです!

期間中は街じゅうがカラフルにデコレーションされ、なんと会社や学校もカーニバル前後のまるまる1週間休みになるんだそう。住民全員が、来たるカーニバルに備えるんですね。


ちなみに、オランダでカーニバルが祝われるのは”南部だけ”というのはご存じでしょうか?

オランダはざっくり分けると北部がプロテスタント、南部がカトリックというように信仰・習慣が少し異なる背景があるんです。

そんな南部で一番カーニバルの盛り上がりを見せるマーストリヒトには、オランダ全土やドイツなど近隣諸国からもカーニバル目当ての観光客が訪れるほど。

イタリア・ヴェネチア、ドイツ・ケルンと並んで、ヨーロッパ内のカーニバルの街としてよく知られた存在なんですよ。


ただし注意してほしいのが、カーニバル期間中はほとんどのお店が閉まっていること。しかしカフェやレストラン、バーは営業していますし、フード屋台も出ているので、飲食で困ることはないのでご安心を!

それと、思いっきり仮装して、カーニバルに一点集中で楽しむこと♪仮装をしていないと浮くほど、結構な割合の人たちが仮装しています。

「カーニバル王子」の合図でお祭りがスタート!


カーニバル初日の日曜日。まずは街の中心地、フライトホフ広場(Vrijthof)へ向かいましょう。マーストリヒトの伝統的なモチーフ「ムースウィーフ(Mooswief)」が吊るされているのが目印です。

広場には「カーニバル王子」の旗が掲げられ、この年のカーニバル王子が観客にお披露目されます。

お昼の12時11分になると11発の空砲が打たれ、それを合図にカーニバルの4日間がスタート!


ところでこの「カーニバル王子」、日本で生まれ育った多くの人にとっては聞き覚えもないし謎の響きですよね。

カーニバル王子とは、カーニバル前日の土曜日にマーストリヒト市長から「市の鍵」を受け取り、カーニバルの4日間だけ街の実権を握るというマーストリヒトならではのカーニバルの象徴なのです。

広場には気合の入った仮装をする人たちが集まり、みんなノリノリ。ぜひ初日の開会式から参加してみてはいかがでしょうか。

マーストリヒトの人たちは、世界一の仮装上手


マーストリヒトの人たちは「世界一の仮装上手」として知られています。

パレード参加のグループだけでなく、道行く人はみんなユニークなコスチューム姿で、眺めているだけでも楽しいです。

みんな陽気でノリノリなので、気になる仮装の人たちがいたら声を掛けて一緒に写真を撮ってもらうのも良い記念になりますよ。

カーニバル観光に行く場合、ぜひ帽子やウィッグなどでちょこっとだけでも仮装をして参加してみてくださいね。もちろん本格的な仮装ならなおGood!

カラフルでハッピーなパレードも最高


開会式のあとは、午後13時33分からパレードがはじまります。コースはマーストリヒト駅からフライトホフ広場に向かう道。パレードはのんびりと進みます。

開会式の後はそのままフライトホフ広場周辺に残って、パレードの到着を待ちましょう。


仮装はグループごとにテーマが揃っていて、お見事。ブラスバンドの生演奏やダンス、巨大フロートなど見ごたえも抜群ですよ。


個人的に、広場手前にいたオランダの伝統衣装の3人娘がとっても可愛いくて、写真を撮らせていただきました。

審査員的な立ち位置なのか、みんなの人気者なのか、パレード参加者みんながしゃべりかけていました。

年齢問わずみんながハッピームード漂う、マーストリヒトのカーニバル。カーニバルを初めて見る人にもおすすめです。次回のカーニバル観光にいかがでしょうか?

カーニバルの日程

マーストリヒトのカーニバルは次のように進行します。

①初日の日曜日は、12時11分にフライトホフ広場(Vrijthof)で開会式。13時33分からパレードスタート。

②2日目の月曜日は14時22分から子どもたちのパレードがスタート。仮装コンテストも開催。

③3日目の火曜日はフライトホフ広場(Vrijthof)で14時11分からミュージックバンドの大会が開催。23時55分にムースウィーフ(Mooswief)が降ろされてカーニバル終了。

④期間中20時33分からは、毎晩フライトホフ広場で音楽が流されてダンスタイムが開催。

※毎年スケジュールに多少の違いがあるので、事前に公式サイトで詳細をチェックしてみてくださいね。

マーストリヒトへのアクセス方法は?


オランダ国内からの場合、アムステルダム中央駅やユトレヒト駅からマーストリヒト駅まで急行電車に乗って直通で2時間ほど。

ドイツとベルギーの国境に近く、街によってはこの2つの国からの方がアクセスがいいときもあります。マーストリヒト駅からフライトホフ広場までは、徒歩で15分ほどで行けますよ。

オランダ最古の街でカーニバル体験をしてみよう

ヨーロッパではたくさんの街でカーニバルが開催されていて、どの街もそれぞれ特色があって面白いです。

カーニバルの聖地として知られながら、まだあまり知名度のないオランダのマーストリヒト。この記事をきっかけに、次回の旅程に「カーニバル観覧」を盛り込んでみてはいかがでしょうか?

All photos by Yu Villegas

ライター
Yu Villegas 元パティシエ&日本語教師

娘二人が産まれてからも、旅は引き続き人生の生きがい。格安航空券を見つけては、週末旅に出かける日々。元パティシエ&日本語教師。旅で何よりも楽しみなのは、そこでしか食べられないローカルフードや地元の人々との交流。渡航国数34ヵ国。現在はワーホリ以来12年ぶりにドイツ滞在中。 インスタやブログでも旅情報を発信中。

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