アフリカ大陸の最南端にある南アフリカ共和国は、大自然に恵まれた国です。ケープ植物区、イシマンガリソ湿地公園などたくさんの保護地域が世界遺産に指定されています。そこで今回は、南アフリカに現存する世界遺産全8ヶ所をご紹介します。
ケープ植物区保護地域群
テーブルマウンテン国立公園、セダーバーグ野生保護区、デホープ自然保護区、ブースマンスボス自然保護区など8ヶ所の保護区からなる地域です。フィンボスと呼ばれる灌木地帯がほとんどを占める地域には8000種類にも及ぶ植物が自生しており、中には5000種類以上の固有種を含んでいます。2004年に世界自然遺産に登録されました。
イシマンガリソ湿地公園
ズールー語で驚異という意味をもつイシマンガリソ湿地公園。フォールス湾公園、ソドワナ湾国立公園、セント・ルシア狩猟鳥獣保護区などの13の保護区が1999年に世界自然遺産に登録されました。
3280平方キロメートルに及ぶ敷地内では原生的な生態系が守られており、海洋生態系、東岸生態系、湖群生態系、湿原生態系、西岸生態系の5つが確認されています。
ウクハランバ/ドラケンスベアク自然公園
3000メートル級の山々が連なるドラケンスバーグ山脈の大自然の中には、ヒゲハゲタカなどの希少な動植物を含む生物多様性が見られます。
敷地内には所々にサン人たちによって描かれた数多くの岩絵が残されており、単一の民族によって描かれた岩絵としてはアフリカ全土でも最大規模のものです。大自然と文化的遺産両方の価値が認められ、2000年に複合遺産として世界遺産に登録されました。
スタークフォンテン、スワートクランズ、クロムドライの人類化石遺跡群及び周辺地域
アウストラロピテクス・アフリカヌスやパラントロプス・ロブストゥスなど数多くの人類化石が発見されているため、人類発祥の地との別名をも持つ遺跡群です。
人類の進化の研究において重要な人類化石が多く発見されているものの、アパルトヘイト時代には進化論は否定され、化石人骨は忌避されていました。アパルトヘイト廃止後、これらは再評価され、1999年に世界文化遺産に登録されました。