粟(あわ)の国の島、と書いて粟国島(あぐにじま)。その名前は、かつてこの島が粟の産地であったことに由来します。
海が美しく、ダイビングにも適した自然環境は、沖縄の離島として定番の特徴。ただ、粟国島の魅力はそんな「沖縄らしさ」だけにはとどまりません。
沖縄本島の西の海に浮かぶ小さな粟国島に、今後ぜひ注目してみてください。ここでは、粟国島の魅力についてご紹介します。
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ダイビングの名所
海水浴は長浜ビーチで
photo by Daiki Okamoto
那覇の泊港から船で2時間20分。那覇市の北西約60キロメートルの海に浮かんでいるのが、粟国島です。
島に近づくにつれて澄んでいく海は、船の上からでもその美しさがわかります。船が揺れることも多い航路なので、船酔いには注意すべきですが、甲板からの景色もぜひ楽しんでください。
photo by Daiki Okamoto
沖縄の離島らしい魅力を味わうのにまずおすすめしたいスポットが、島の東側に位置している「長浜ビーチ」です。白い砂浜が1キロメートルほど広がっているロングビーチで、まるでいろいろな青の絵の具を塗り重ねたような海のグラデーションに目を引かれます。
photo by Daiki Okamoto
ビーチのすぐそばには、駐車場やシャワーなどの設備も完備されているため、海水浴場として利用しやすい点も注目です。今後はオートキャンプ場が整備され、宿泊もできるようになる予定だそう。(2021年5月現在は準備中)
・名称:長浜ビーチ
・住所:沖縄県粟国村浜
・地図:
ギンガメアジの大群と出会えるかも?
photo by pixta
ダイビングの名所と呼ばれる場所は、世界中に点在しています。粟国島の海は、透明度が高いという理由だけで名所とされているわけではありません。
その理由の一つが、粟国島では、4〜6月ごろにギンガメアジの大群を見られるから。驚きなのは、そのギンガメアジの数です。
photo by pixta
場合によっては、1万匹を超えるギンガメアジの大群と出会えるチャンスが、粟国島にはあるのです。これは国内トップクラスの数字。
真夏よりは少し早めのシーズンとなりますが、ダイビングが好きな方は見逃せない粟国島の魅力の一つです。
沖縄「らしくない」絶景
赤や黒の景色を味わえる「ヤヒジャ海岸」
photo by Daiki Okamoto
ここまでは沖縄らしい海の魅力をご紹介しましたが、粟国島で筆者が驚いたのは、沖縄らしくない自然美です。
それが最も感じられるのが、「ヤヒジャ海岸」。粟国島は火山活動によってできた、沖縄では珍しいタイプの島で、その跡が色濃く見られるのがこの場所です。
photo by Daiki Okamoto
沖縄の景色といえば、海の青や南国植物の緑、あるいはサンゴ礁の白といった色がイメージされると思いますが、ここでは黒や赤などの色が目立っています。
玄武岩や安山岩などの黒く見える地層や岩石がゴロゴロと転がり、溶岩によって酸化した凝灰石が赤黒く染まっている、カラフルな絶景を楽しめますよ。
photo by Daiki Okamoto
さらに、この場所から島の西端にかけては、高さが数十メートルもある白い断崖絶壁が伸びています。この壁は白色凝灰岩でできたもので、沖縄で見られるものとしては最大規模。美しくも荒々しい自然美は、迫力満点です。
・名称:ヤヒジャ海岸
・住所:沖縄県島尻郡粟国村西
・地図:
パカッと割れた「東ヤマトゥガー」
photo by Daiki Okamoto
「東(あがり)ヤマトゥガー」というパッカリと2つに分かれた大きな岩も、見応えのある自然スポット。ヤヒジャ海岸の少し東に位置しています。
岩と岩の隙間は大人でも十分通り抜けられる大きさなので、海側に出てみましょう。
photo by Daiki Okamoto
東ヤマトゥガーの向こうは、ほとんどの岩が真っ黒。岩の黒と海の青、粟国島ならではの“沖縄らしくない景色”を楽しみましょう。
・名称:東ヤマトゥガー
・住所:沖縄県島尻郡粟国村西
・地図:
島内随一の展望スポット「マハナ展望台」
photo by pixta
島の西南部は最も標高が高く、高さ90メートルほどの断崖絶壁となっています。崩れる危険性があるため、崖の端まで立ち入ることはできませんが、「マハナ展望台」からは遠く海を眺めることができます。
西には久米島、南には慶良間諸島などを見渡すことができ、夕日を見る場所としても最適です。
・名称:マハナ展望台
・住所:沖縄県島尻郡粟国村西
・地図: