編集部
Asuna エディター

元小学校教諭。大学在学中に「海外ひとり旅」にハマる。現在はTABIPPOの編集部に所属。ほかにも取材・美容・食・コラムライターとして活動しつつ、個人でFamily photographerとして、お宮参り・七五三・前撮りなどを撮影している。週末は夫と旅三昧の日々で、長野〜福島県は庭。東北が大好きで、地方に行きつけの店を作るのが趣味。

牛産業と米産業の繋がり

photo by Asuna Igari
高千穂には、数多くの棚田があります。そのなかでも観光スポットとして人気を誇っているのは「栃又棚田」。2015年に世界農業遺産に登録されたうちの、代表的な場所のひとつです。

photo by Shohei Sato

photo by Shohei Sato
前述のとおり、棚田が多い高千穂の地域一帯は、平野部が少なく広い水田をつくるのに苦労した過去が。そこで、棚田をつくり、その棚田で牛を飼育することで、稲を牛に、牛の糞を肥料に……という良い循環を編み出したのです。

photo by Shohei Sato
さらに、標高の高い傾斜地にある農地のためにおよそ500kmにもおよぶ山腹用水路が建設され、水が確保されました。その結果、今では1800haもの棚田が出来上がったといいます。

photo by Shigeki Naganuma
豊かな水源から湧き出た水、稲をメインとした牛の体に良い食事で形成された子どもの牛(0〜1歳)は、肥育してから1年ほどで遠方にわたり、のちの神戸牛や松阪牛になる牛もいるのだとか。

高千穂の自然や環境をうまく取り入れた産業を、多方面にわたり展開している「地域づくり」にとても魅力を感じました。

「たかちほ 旅人とまちの宿 さんかく」で旅の途中で“暮らす”1日を

photo by Asuna Igari
今回、編集部女子がお世話になったゲストハウスは「たかちほ 旅人とまちの宿 さんかく」。女将を務めるのは、笑顔がとびきり可愛らしくユーモアあふれる、奈須あすかさん。

なんでも優しく包み込んでくれそうな温かいオーラをまとい、どこか落ち着く雰囲気は、宿そのものからも感じられました。

photo by Asuna Igari
みんなで囲めるテーブルがある談話室では、宿泊者が集まって交流をする場に。2階には、定員3名の個室「サンドイッチ」や、定員2名の個室「おにぎり」など合計4種類の個室があります。

photo by Asuna Igari
旅する仕事をしている身として嬉しかったのが、ワークスペース完備なところ。コンセントの数も豊富&Wi-fiもサクサクなので、早朝から有り難く使わせていただきました。

photo by Asuna Igari
旅はたくさんの刺激を受けると同時に、やはり少しの疲れはつきもの。旅の途中で「繋がり」をもつことで得ることができる”安心”や”癒し”。そして、旅をしながら効率的にワークもできる環境。その両方を味わうことのできる宿でした。

ローカルと繋がってディープな旅に

photo by Shigeki Naganuma
高千穂での夜は、案内してくださった翔平さんだけでなく、同じく高千穂町内で活躍する2名の方とも繋がることができました。

そのひとり福島優さんは、高千穂の棚田でキャンプを運営する活動をしています。棚田キャンプのサービスは3ヶ月更新のサブスク制で、田んぼとして使用されない11月〜4月の間、棚田から見える絶景を目の前にキャンプができるサービス。ソロキャンプはもちろん、友人、ご家族とさまざまな客層の方が利用しているのだそう。

また、本業で旅行業に携わる日高葵さんは、地域と深く結びついている夜神楽の背景や美しい舞に魅せられたひとり。夜神楽がもつ歴史と本気で向き合い、活動をしています。

じつは神楽を舞うことができるのは”男性のみ”とされているのが事実。しかし葵さんは、その歴史に新しい風を吹き込むべく「高千穂さと神楽保存会」を立ち上げました。

今回、高千穂の産業や歴史、地域を支えて盛り上げる活動をしている方々に出会い、繋がることで、わたしたちも多くの学びを得る機会となりました。

豊かな自然の恵みを満喫!編集部旅でいただいた、とっておきグルメ

熊本県・阿蘇編

photo by Shigeki Naganuma
阿蘇名物「あか牛丼」を食べることのできる「よかよか亭 あか牛館」。レアに焼き上げられたあか牛が、お米の上にきれいに並びます。

温泉卵を崩しながら、タレと絡めて食べると、肉の旨味がじゅわ〜っと広がって、多幸感極まりない。全員ぺろりと完食しました。

photo by Shigeki Naganuma

photo by Shigeki Naganuma
「あか牛丼」のほかにも「ハンバーグ」や「カレー」などさまざまなメニューがありました。

さて、熊本といえば、ほかにも地鶏が有名。そこで訪れたのは「​​高森田楽の里」。

photo by Shigeki Naganuma
地鶏はもちろん味噌も人気なので、囲炉裏をみんなで囲んで、地鶏や味噌焼きおにぎりを焼いて食べます。

photo by Shigeki Naganuma
熊本の郷土料理「だご汁」もあり、1回までならおかわりは自由。もちろんおかわりしました。プリプリの地鶏もとてもおいしかったです。

宮崎県・高千穂編

photo by Asuna Igari
和牛オリンピック優勝の経験をもつ高千穂牛。今回は贅沢にローストビーフ丼でいただいてきました。天岩戸神社へ続く参道にある「喫茶 この花」。観光客で賑わいそうな立地にあるのに、お客さんの多くは地元の方なんだとか。

photo by Shigeki Naganuma
お店を経営しているのは、2人の佐藤トモ子さん(同姓同名なんだとか)。”地元の人の憩い場に”とお店を開かれたのだとか。もともとは、ローストビーフもサンドイッチメニューのひとつだったものの、常連客による『ローストビーフ丼やったら?』のアドバイスから、今では定番メニューになったのだそう。

口の中で溶けてしまうような柔らかさのあとに、噛めば噛むほどじゅわっと広がる肉の旨み。高千穂牛の高すぎるポテンシャルを存分に満喫してきました。

photo by Shigeki Naganuma

歴史の背景を学ぶことで、よりディープな旅を

photo by Shigeki Naganuma
旅の醍醐味は「新しい学び」を得られること。翔平さんをはじめ、ローカルで活躍する方々から高千穂の歴史や神楽に関する深い知識、神話、地域産業の変遷などさまざまなことを学ぶことができました。

photo by Shigeki Naganuma
ただ観光するだけでは得ることができなかった知見や、歴史の背景を知ることで、よりその地域に深く関わることができます。

photo by Shigeki Naganuma
地域に深く関わったり、現地の人と繋がりが持てることで「また行こう」という気持ちにもなります。人と人の繋がりが「旅」を作っていくのだと感じる旅になりました。

観光地をめぐるだけでなく、学びの深いプランで旅をすることで、よりディープな時間を過ごすことができました。歴史深い地域だからこそ、皆さんも”学び”のあるプランを立て、阿蘇・高千穂旅をしてみませんか?

編集部
Asuna エディター

元小学校教諭。大学在学中に「海外ひとり旅」にハマる。現在はTABIPPOの編集部に所属。ほかにも取材・美容・食・コラムライターとして活動しつつ、個人でFamily photographerとして、お宮参り・七五三・前撮りなどを撮影している。週末は夫と旅三昧の日々で、長野〜福島県は庭。東北が大好きで、地方に行きつけの店を作るのが趣味。

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