ライター
新田 浩之 フリーライター

国鉄が民営化された1987年生まれ。神戸市出身です。高校の時に読んだある小説の影響で、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパ、ロシアに強い関心を持つことに。大学、大学院ではユーゴスラビアのことを勉強していました。2016年3月からライターとして神戸で活動しています。 直近では2015年9月から3ヶ月間、友人を訪ねながら、ヨーロッパ14カ国をめぐる旅を決行。ただ、イギリス、フランス、イタリア、スペインなどの西欧諸国には行ったことがありません。

みなさん、こんにちは。今回はボスニア・ヘルツェゴビナを紹介します。ボスニア・ヘルツェゴビナと聞くとアフリカの国?と思う方もいるかもしれません。ボスニア・ヘルツェゴビナはれっきとしたヨーロッパの国です。バルカン半島にあり、首都はサラエボです。

ボスニア・ヘルツェゴビナはボスニア人(イスラーム教徒)、セルビア人(正教)、クロアチア人(カトリック)が住むコスモポリタンな国。

独特の雰囲気は多くの観光客を引きつけましたが、1990年代の紛争により国土は荒廃しました。その後、落ち着きを取り戻し、再び魅力的な観光国になろうとしています。

 

ボスニア・ヘルツェゴビナの中で訪れた都市とルート、移動方法

私は2015年秋、中欧・東欧旅行の最中に訪れました。まず、セルビアの首都ベオグラードからバスに乗り、ボスニア・ヘルツェゴビナのヴィシェグラードで2泊しました。

その後、サラエボで3泊、モスタルで2泊し、クロアチアのドブロヴニクへと抜けました。交通手段はいずれもバスです。

サラエボからバスを利用する場合は、必ずバスが発車するターミナルを確認しましょう。サラエボには中央駅近くのバスターミナルとセルビア人居住区にある東サラエボバスターミナルがあります。クロアチア行きは中央駅近くのバスターミナル、セルビア行きは東サラエボバスターミナルから出発します。

 

ボスニア・ヘルツェゴビナのエピソード(人とのエピソード)

photo by Nitta Hiroshi

ボスニアの人々と交流したい場合は「SOBE」と呼ばれる民泊に泊まることをおすすめします。私はヴィシェグラードで、セルビア人夫婦が経営する「SOBE」に泊まりました。

まず、出されたのはジャムと紅茶。「ジャムを口の中に入れ、紅茶を飲むのがセルビア式だよ」とオーナーは教えてくれました。次に出されたのが甘いチョコレート。オーナーはまたしても「これもセルビア式だ」と言い張りました。セルビア人は甘党なのかなあ、と思いながら、おいしく頂きました。

ボスニア紛争のことをオーナーに質問すると「再び仲良く他の人々とやりたい」と言っていたのが印象的でした。

 

ボスニア・ヘルツェゴビナのエピソード(場所のエピソード)

photo by Nitta Hiroshi

ヴィシェグラード、サラエボ、モスタルを訪れましたが、一番印象に残っているのはヴィシェグラードです。ヴィシェグラードはボスニア東部に位置し、ボスニア領内にあるセルビア人共和国に属します。

ヴィシェグラードには世界遺産、ソコルル・メフメト・パシャ橋があります。この橋は16世紀に完成し、ノーベル文学賞を受賞したイヴォ・アンドリッチ『ドリナの橋』の舞台にもなっています。

ソコルル・メフメト・パシャ橋の魅力は橋と渓谷が織り成す絶景。とてもヨーロッパとは思えない日本や中国と似た景色が楽しめます。また、クロアチア・ドブロヴニクと比べると観光客が少ないので、時の流れもゆったりとしています。

 

知っておくべきキーワードは「ボスニア紛争」

photo by Nitta Hiroshi

ボスニアを旅するにあたり「ボスニア紛争」は知っておくべきキーワードだと思います。ボスニア紛争は1992年から3年にわたり、ボスニア人、クロアチア人、セルビア人が互いに殺し合いました。

多かれ少なかれ、ボスニアに住む人々は生々しい戦争体験をしています。「ボスニア紛争」を質問する際は、事前に調べて慎重にすることをおすすめします。

「ボスニア紛争」に興味がある方は、サラエボで行われるボスニア紛争に関する現地ツアーに参加してみましょう。ツアーではガイドが丁寧に解説し、人々が掘った地下トンネルなどを訪れます。このツアーは有料ですが、参加して損はないと思います。

 

ボスニア・ヘルツェゴビナ旅行を楽しむためのアドバイス

photo by Nitta Hiroshi

基本的にボスニアはそれぞれの民族が別々に暮らしています。ボスニアは2つの政治体、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦とセルビア人共和国で構成されているのが特徴です。

前者は主にボスニア人とクロアチア人、後者は主にセルビア人が住んでいます。また、サラエボもボスニア・ヘルツェゴビナ連邦とセルビア人共和国で分けられています。

また、町単位でも民族の住み分けが行われているのでご注意を。例えば、モスタルはボスニア人エリアとクロアチア人エリアは道路1本で分けられています。行き来は自由ですが、お互いの交流はあまりないようです。

 

ボスニア・ヘルツェゴビナの治安

photo by Nitta Hiroshi

治安は全く問題はありません。夜、出歩いても特に危険はないと思います。ただし、地方都市では街頭が少ないので、夜道を歩く場合は懐中電灯が必要な場合があります。

ボスニアで気をつけたいのは地雷です。地雷といっても、街中や舗装道路には全くないのでご安心を! 問題は山中です。ボスニアで登山する際は絶対に登山道以外のところを歩いてはいけません。ボスニアでアウトドアをする場合は、何かしらの現地ツアーに参加することをおすすめします。

また、政治デモが行われている場合は近づかないようにしましょう。民族間のトラブルに巻き込まれる可能性があります。

ライター
新田 浩之 フリーライター

国鉄が民営化された1987年生まれ。神戸市出身です。高校の時に読んだある小説の影響で、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパ、ロシアに強い関心を持つことに。大学、大学院ではユーゴスラビアのことを勉強していました。2016年3月からライターとして神戸で活動しています。 直近では2015年9月から3ヶ月間、友人を訪ねながら、ヨーロッパ14カ国をめぐる旅を決行。ただ、イギリス、フランス、イタリア、スペインなどの西欧諸国には行ったことがありません。

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