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恩田 倫孝 TABIPPO / コミュニティマネジャー

日々酒で踊り続ける、砂漠と氷河を愛する吟遊詩人。旅を通じて「楽しさ」を考えて、多くの人の『楽しさの自給率』を上げることを目論む。食いつくキーワードは、ウェルビーイング、コミュニティ、教育。訪問国数は50。地元は新潟。慶応大学理工学部出身。趣味はホットサンドメーカーでサーモンを焼くこと。

共有です!!!2020年のバーニングマン、バーチャル開催のようです。このカオスなお祭りがバーチャル開催なんて想像つきませんが、楽しみですね。

すごいなあ、バーニングマン。
バーニングマンの公式サイトへ

Text by 恩田倫孝

はじめに:

これまで51カ国を旅してきた中でも断トツに印象に残っていて、「理想郷」のように感じたお祭り「バーニングマン」の体験記です。たぶん、「バーニングマン」の名前を初めて聞く人も多いと思いますし、まわりで行ったことのある人はほとんどいないと思います。ただ、体験後に感じること、考えることが多いイベントだったのでぜひたくさんの人に伝えたいなあと思い記事をかいています。

記事を読んで眺めるだけでもいいですし、もし興味をもったら実際に行ってみてください。僕の体験記ベースですが、少しでも伝わると嬉しいです。

 

***

「最近は、どんな旅をしたい?」

なんてことを、とつぜん友達から聞かれた。

「どこだろう…。なんか少し変わった旅かなあ」

あれは、社会人2年目の春だった。

 

少し仕事にも慣れてきて、やっと「社会人とはこんな感じなのか」という感覚を掴んできた頃。でも何だか少し退屈さも感じていて、もっともっと刺激がほしい、そんな時期。

「やっぱどっか旅いかないとなあ」

なんて思いながら家に帰ってきて、1人でお酒を飲みながら「旅・超刺激的とか、旅・カオス」なんてキーワードで検索を始めた。そして、ふむふむとネットサーフィンをしていると、変わった記事を発見した。

「世界最大奇祭・バーニングマン」

googleの画像検索には、なんだか『世界の果て』みたいな画像がたくさん出てくる。

「え…。何なの、これ?やばくない?」

と一人でふふっと笑っていた。『砂漠の真ん中で行われるフェス?』『お金が使えない?』調べるほど頭の中にクエスチョンマークだけがたまっていく。聞いたこともない。もちろん、周りで行ったことのある人もいない。ただ、直感で「ああこれだ、求めていたのは」なんて感じて、この「バーニングマン」に行くことを決めた。

ふつふつを湧いてくるこの静かな興奮を感じながら、行きかたを少しずつ調べ始めた。

ただ、チケットを取るのが大変…

どうやら調べてみると「バーニングマン」に参加するには、チケットが必要らしい。(主催者がいるとのこと)そして、こんな変わったイベントで、そして知られていないのにも関わらずチケットを取るのが大変だとか。調べたのは、5月頃。開催が8月なのでこのとき既に3ヶ月前。公式サイトでチケット情報を見ると、全てのチケットがソールドアウト。(えええ。人気なんだ、このお祭り?イベント?…というのが正直な気持ち)

色々なタイプのチケットがあって、最初に販売されるチケット(1月頃から販売される)は1時間で売り切れるらしい。そして、サイトが全部英語なのであんまりよく分からず、少ししょげる。


2018年の日程は、8月26日(日)〜9月3日(日)

※チケットは大体400ドル位。

まあ縁がなかったのかなあと思いつつも、twitterに「バーニングマンのチケット欲しいなあ」とつぶやいて会社にいった。数日経ったころ、バーニングマンに何度も行ってる方からリプライがきて色々と教えてもらえることになった。そして、とんとん拍子で話は進み、本当に幸運にもバーニングマンに行けることになった。(チケットを持ってる知り合いの人とつないでもらえたのです)

バーニングマンの日本人コミュニティに助けられた

その助けられた日本で一番大きいバーニングマンのコミュニティがこちら。バーニングマン好きのコミュニティがあるんですね。

Burninja

この団体がmeet up(バーニングマン好きな人達の交流会です)をよく開催してます。ここで、一緒に行くメンバーを探したり、情報を集めたりしました。そして、チケットを譲ってくれる人が現れたりします。(定価です)

是非、興味ある人はこちらのfacebookグループをチェックしてみて下さい!バーニングマンに行く人はちょっと変わっているのですが、みんな何かを楽しみたいという気持ちがいっぱいの気持ちいい人が多かったです。

英語が出来る方は、こちらを是非見て下さい。


※世界最大のバーニングマンコミュニティです。

そして、こちらがバーニングマンの公式サイト。毎年変わりますが、かっこいいですね。

僕のバーニングマンの旅の概要

さて、こちらはさらっと書きます。

-旅行時期:2013年:8月26日〜9月5日
-旅行日程:7泊8日
-誰と行ったか:友達と2人で
-移動手段:レンタカー※リノの街でレンタルしました

バーニングマンの開催時期は、8月第4週の月曜日から9月第1週の月曜日までと決まってます。場所は、ネバタ州の砂漠。(ほんとうにただの砂漠)

社会人の人も大丈夫。夏休みをとって、ギリギリいけるレベル(だと思います)。もし、どうしても全日程いけないなら後半の日程をおすすめします。後半のコンテンツが楽しい。

会場までの行き方は、サンフランシスコかロサンジェルスからレンタカーを借りて移動する人が多いです。数時間程でリノという街に移動して、買出しをしてからバーニングマンの会場(砂漠)へと向かいます。

さて、もっと色々バーニングマンの事を紹介して行きますね。

バーニングマンの歴史は、西海岸から始まった

砂漠で行なわれるフェス、バーニングマンとは?

さて、ここからは「バーニングマン」について深ぼって書いていこうと思う。とは意気込んでみたものの「バーニングマンって何?」ということを説明することはとてもとても難しい。歴史も長いし、解釈もほんとうに様々あるのだ。僕が理解・把握している範囲で書きたいと思う。(もっと詳しいかた、色々教えてください)

バーニングマンは、今から30年以上も前の1986年から開催され続けている音楽とアートの祭典。「フェス」と聞くと、「音楽がガンガン鳴り響いてるお祭り」というイメージをしてしまうけれど、バーニングマンにとって音楽の要素はほんと一部だけ。みんなで作り上げる自由なお祭り。『生活を楽しむお祭り』と言った方が正しいような気がする。

元々は、アメリカの西海岸でヒッピーの方々が集まって作ったらしい。1960年代の全盛期のヒッピー文化から20年後。人生で価値あることってお金だけじゃないじゃん、もっと愛とか自由とかあるじゃんって。資本主義に対して違和感を覚えた、ヒッピーたちのお祭りが発祥らしい。

ヒッピーの歴史について興味のある方はこちらの本がおすすめ。

◎ザヒッピー

バーニングマンが開催される期間は1週間。(結構ながい?)会場はアメリカネバダ州の砂漠を「ブラックロックシティ」と名付けていて、普段はただの砂漠が開催地となっている。本当にただの砂漠で何も無い。ときどき「砂塵」のようなものが現れて目の前が本当に何も見えなくなるようなただの砂漠だ。

参加者規模は、6万人超(2013年)※1986年の参加人数は100人程度で、毎年増加している。2018年は7万人近くらしい。

人は多いのだけれども、会場はとても広いので混み合っている印象はほとんどない。(ちなみに会場内での移動手段は、みんな自転車を使っている)1週間ものあいだ、砂漠の中で生活をすることになる。そして、お金が一切使えない。「売買」という行為はこの一週間行われない。そう。このバーニングマンには、色々な特殊ルール/文化がある。

色々なルールの紹介。合い言葉は、NO SPECTATOR(傍観者であるな)

バーニングマンの合い言葉は、NO SPECTATOR(傍観者であるな)

お祭は、基本的に僕らは参加者として見ていることが一般的かと思う。音楽を聞く。トークを聞く。まず、この前提が違う。(何言ってるの?という感じですよね)

とにかく、自分たちが全てやってなんぼ。全部自分でやりたいことをやろうぜ!NO SPECTETER(傍観者であるな)という共通精神をみんなが持っている。参加者自らが参加してバーニングマンを作り上げる。基本的にバーニングマンの中で何をしても良い。参加者総動員でつくりあげるお祭りが「バーニングマン」なんです。

 

ただ、この与えられた完全な自由というのはなかなか難しい。たぶん、日本の多くの人が苦手といわれる「自己表現」。これを自由にやって下さいって言われるようなものなのだ。

自分でバーを出している人。リラックスエリアを作っている人。オブジェを作る人。
仮面を出している人。なんでもありで、どんな人でもいる。

GIVE&GIVE&GIVEの精神

バーニングマンはGIVE&GIVE&GIVEの精神

これは、僕がいいなあと感じたスピリット。

バーニングマン精神で大切なことの1つ。それは、なんでも自分が与え続けること。見返りを求めない、give&takeを超えた、一方的な「相手に与えるだけ」という精神。何かを貰っても、「ありがとう!」これで行為は完結する。多くの「give」だけが行われる。そして、この会場内ではお金が使えない。そして、物々交換という考えでもない。マルセル・モースのいう贈与論とも少し違う。

 

見返りを求めずに、与え続けることって普段なかなか出来ない。ただ、この空間にいる人はそれをみんな当たり前にやっているから、とても新鮮でもあり、とても気持ちがいい。

みんなで作り上げる理想郷「バーニングマン」。お金も一切使わない。好きなことだけをやる。

自分も楽しみ、相手も楽しませる。こう聞くとなんだか素敵な世界じゃないですか?

「誰かのために」ってどんな価値観?ということに興味あるひとは、こちらのイスラームの本がおすすめ。利他とか、所有とかの考えについて踏み込まれてます。自分が所有するという考えではなくて、あくまでみんなのものという考え方。ノマドの方々って元々はそういう発想。

◎一神教と国家 イスラーム

基本的に会場では何をしているの?

さてさて、これが一番気になると思う。こんなお祭りで1週間もいて何してるのって。

もちろん、朝はちゃんと起きるし、夜も寝る。朝から晩まで、基本的にあらゆる方向で色々なことをやっています。

砂漠で行なわれるフェス、バーニングマンとは?

そして、夜は巨大なクラブみたいな感じになるし、そこらへんに光が飛び交い、音が飛び交う。2013の時は、まるで宇宙の様な感じ。(宇宙には行ったことないけど)

バーニングマンの合い言葉は、NO SPECTATOR(傍観者であるな)

夜の音楽の音は尋常じゃなくて、音の大きさでキャンピングカーが常に揺れている程に音がうなっている。たぶん、あれは地鳴り。

何をするのかをざっくり言うと、大きな会場をまわって、誰かが作った作品を見て、コンテンツを楽しんで、音楽を聞いて、飲んで、笑ってというような感じ。街を探索して楽しむ1週間。だいたいそんな感じだ。

写真で雰囲気だけでも

これからバーニングマンに行く方へアドバイス

写真だけ見ても何だかよく分からない。(実際見ても分からないことだらけなんですが)そして、会場が大きすぎるので全てのものを見てまわる事は出来ない(と思う)。

動画もどうぞ!


@kzk_tdaさんから許諾を得ています。

1週間の最後にはマンとテンプルを燃やす儀式が行われる

マンとテンプルを燃やす儀式

バーニングマンとテンプルを燃やす儀式
1週間行われるバーニングマン。最終日と最終日前日にテンプルと呼ばれる建物とバーニングマンのメインシンボル「The Man」を燃やす。「The Man」を取り囲むようにして参加者の殆どがマンとテンプルを囲んで燃えていく様子を眺める。

 

今まで、みんなでお祭り騒ぎをしていた状態から一転、この最後の2日はもの凄い静かな感じに。もし時間がなくてどこの日程で行こうか悩んでいる方は、確実にこの最後の2日はいれて欲しい。燃えている時に感じる会場の一体感は、どこか神秘的にすら感じる。そして、一緒にお祭りの終わりを感じるんです。

 

大きな会場のシンボルでもある「The Man」がどーんと崩れ落ちて、静かな終わりが広がる。お祭りの終わり。楽しい1週間という時間をたぶん静かに消化する最後の2日間。

最後に…

バーニングマンは、「ただの場」なのだと思う。1週間だけ存在する「理想郷」。1週間しか存在しえない「理想郷」。

バーニングマンはほんとうにたくさんの顔をもつ。同じ年に行ったとしても感じることはみんなぜんぜん違うと思う。たくさんバーニングマンの体験記を読んだけれども、面白いようにみんなの視点は違う。今年はいいものを作れたという人から、何か物足りなかったという人まで。

 

ただ「場」自体を否定しても何もうまれなくて、楽しくするのは自分自身の行動だ。自分がたくさん表現して、たくさんgiveできた人はいい時間になるし、いい場になる。自身で作り上げるお祭り「バーニングマン」。与えられた自由の中でどれだけ自分が作り上げることができるのか。Eフロムがいうように「真の喜びは真の能動にある」がすごく腑に落ちる場だと思う。

幸せを感じるには誰かのために動くことが大切だということを書いてる記事はこちらなので、興味ある人はみてください。
「幸せな人生を作るのは自分」加賀百万石の山頂から考えてみたウェルビーイング

 

多くのメッセージを発しているバーニングマンだけど、この存在は凄いと思う。お祭り自体を楽しむことはもちろん、その後も大切な精神について振り返ることになる。そして、振り返ることに大きな価値があるのだと思う。そして、ここまで場のルール、それは主催者の世の中へのメッセージが強いお祭りってなかなかないんじゃないかな。

1週間という限定的な時間であるからこそ成り立つ儚い理想郷ではあるかもしれないけれども。

ぜひ、会場に一度行って自分らしいバーニングマンを作ってみてください。NO SPECTETER!傍観者であるな!という標語を持ちながら。

おまけ:バーニングマンを楽しむコツ「一緒に行く人がとても重要!」

実は、僕2012年、2013年と2年連続でバーニングマンに行きました。2012年は、当時会社に勤めていて夏休み期間に。最初は、1人で突撃しました。

2013年は、アメリカに留学していた友人に誘われて。この友人が、めっちゃ可愛くて英語もペラペラだったので、ひじょうに助けて貰いました。世界一周の初日がバーニングマンでした。

 

一緒にいるメンバーがバーニングマンの充実度をかなり左右します。仲のいい友達か、この人と一緒にいたら、楽しそう!という人と行くことをオススメします。

ただ、もちろん周りにそんな狂った人(笑)がいないのも察します。なので、是非Burninjaをチェックして下さい。

だいたい、変な人が多いです。(いい意味で)こういうmeet upで行く人を探している人も多いので、是非行ってみて下さいね。

追記:その他行く事を本気で考えている方への情報:

レンタカーを借りていく方は、レンタカーサービスを使用しましょう。

そして、バーニングマンの砂漠の砂は細かく、車内に入ると絶望的に清掃が大変です。基本的に、車内にもカバーを全てしていきましょう。レンタカーによっては、バーニングマンへのレンタルを拒否している所もあります。

自転車を借りていこう

会場が絶望的に広いでの、自転車で移動をするのが非常に便利です。リノから会場までの間にあるレンタル自転車を予約していくと便利です。

水は多めに

砂漠地帯なので、物凄く喉が渇きます。是非多めの水を準備して行って下さい。ガロンという単位の水を初めて見て興奮します。

霧吹きを

水を入れた霧吹きがものすごく役に立ちます。水をかけても砂が落ちないので、霧吹きタイプのもので砂を落とすんです。是非!

ゴーグルは必須

砂漠の砂がめっちゃ細かくて、目に入ります。サングラスで行けばいいんじゃんという人は間違いなく後悔します。死海の中に目を開けてはいるようなものです。ゴーグルはアメリカのリノの街に売っているので、必ず買ってください。

後は自分たちが好きなものを

本当にあとは、好きなものを好きなだけ買ったり、作ったりして楽しみます。

その他バーニングマンに興味ある方に

バーニングマンを主催している方の動画もあるので、こちらも是非。

一度このコミュニティに足を踏み入れて見ると、感じる事、考える事があるのでオススメです!

他におすすめのバーニングマンの記事やアカウントこちら

◎バーニングマンに行ってきました(前編)/北端あおい | かみのたね
http://www.kaminotane.com/2017/12/19/1035/
文章がすごい好き!

◎超ワイルドな砂漠のイベント「バーニングマン」写真22点 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/photo/18/091300248/
ナショジオの綺麗な写真がたくさん載ってます

◎バーニングのインスタアカウント
Instagram

Twitterやってるので、ぜひフォローしてね!

All photos by michinori onda

tabippo
恩田 倫孝 TABIPPO / コミュニティマネジャー

日々酒で踊り続ける、砂漠と氷河を愛する吟遊詩人。旅を通じて「楽しさ」を考えて、多くの人の『楽しさの自給率』を上げることを目論む。食いつくキーワードは、ウェルビーイング、コミュニティ、教育。訪問国数は50。地元は新潟。慶応大学理工学部出身。趣味はホットサンドメーカーでサーモンを焼くこと。

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