③ルールをしっかり決める
価値観や生活スタイルの違う赤の他人同士と24時間ずっと一緒にいるというのは、どうしても多少のストレスが出てきてしまいます。そのちょっとしたストレスが溜まった時にグループ内に不穏な空気が流れてしまい、楽しいはずの旅がそうでないものとなってしまいます。
ちょっとしたズレを埋めるためにも、先に紹介したお金の管理方法に加えて、あらかじめルールを作っておくというのは大切なことです。私たちが決めたルールの一部を紹介します。
・自分が使った食器は自分で洗う。
・長時間移動の時は、食器を洗えないのでラップを引いて使う。
・衣類の洗濯は男女それぞれで行う。
・助手席に座る人は寝ない。しっかりナビゲーションする。
・基本的に事故や違反は連帯責任。修理代などもみんなで割り勘。
・ガソリンのメーターが半分になったら、ガソリンスタンドを発見した時点で給油。
・車内は運転席を除いて土足禁止。
・RVパークの洗濯機は25セントコインが必要だから、ちゃんと取っておこう!
アメリカ横断中も臨機応変に新しくルールを作りながら、全員が少しでもストレスなく生活できるようにしていきました。
メンバーの男女の比率や年齢層、各々の性格、旅の経験値などによってもルールは変わってくると思います。事前に話し合ってお互いが納得できるルール作りをしましょう。
④余裕を持ってルートを組む
せっかくのアメリカ横断旅、行きたいところをたくさん詰め込みたくなりますが、ルートは余裕を持って決めましょう。
バス並みに巨大な車で、しかも日本とは交通状況が違うアメリカにおいては何が起こるか分かりません。そのため、イレギュラーな事態に遭遇しても落ち着いて旅を続けられるように、余裕を持ったルート決めをしましょう。
半日の予定だったけど気がついたら丸1日滞在してしまった、渋滞にハマってなかなか先へ進めない、途中で素敵なスポットと出会って寄り道をした等々、予定通りにいかないシチュエーションは多くあります。
そんな時に時間に追われてストレスに感じてしまったり、ここ良いな寄りたいなと思っても言い出せない環境になってしまったり、そういったちょっとしたことがトラブルに繋がり兼ねません。時間に余裕があれば心にも余裕が生まれます。
私たちも、途中で道を間違えて大幅に遅れてしまったり、買い物が予定より長引いてしまったり、雪が降って思うように進めなかったことも……。時間には気をつけて旅をしていたつもりではありましたが、どうしても予定より遅れてしまうことが何度かありました。
事前に余裕を持ったルートにしていましたし、その都度余裕を持ったルートに変更したりしたため、気持ちにも余裕を持って生活をすることができました。
事前にルートを決める場合は、少なくとも到着予定日の前日にゴールするルートを作成すると良いでしょう。
⑤アクシデントが起きた時のことを考えておく
キャンピングカーでのアメリカ横断にアクシデントはつきもの。アクシデントなく終わる人の方が少なく、小さいものも含めると9割の人がトラブルに遭うと言われています。
実際わたしたちもサイドミラーをぶつけて割ったり、ホイールカバーが気付いたらなくなっていたり、ラジオが流れて止まらなくなったりといくつものトラブルに見舞われました。
サイドミラーをぶつけて割ってしまった時はとても焦りましたが、事前に「サイドミラーを割ってしまうのはよくあること」と聞いており想定はある程度できていたので、その後の対処は落ち着いてすることができました。
さすがに割ってしまった本人はしばらく落ち込んでいましたが、他のメンバーが「大丈夫だよ、気にしないで」と心の余裕を持って慰められていたからこそ、悪い空気にならずに過ごせたのではないでしょうか。
事前にどんなハプニングがよく起こるのか調べておくこと、キャンピングカーのレンタル会社の連絡先をすぐ見られるように控えておくこと、この二つはやっておくべきでしょう。加えて、アメリカ横断経験者との繋がりを持っておくと、ちょっとしたハプニングが起こった時や分からない事があった時に相談ができるのでオススメです。
キャンピングカーでのアメリカ横断を成功させるために
キャンピングカーでのアメリ横断を成功させるために事前に決めておいたほうが良いことを紹介してきましたが、1番大事なのはアメリカ横断旅、それもキャンピングカーでという非日常な生活を楽しむことだと思います。
アメリカのただただ広い道路を走ったり、RVパークで安物の炊飯器でお米を炊いてカレーを食べたり、パーキングのトイレで歯を磨いたり、何でもない日々も日本の日常では経験できないことばかりです。
そんな何でもない日々を楽しみながら、キャンピングカーでのアメリカ横断を素敵なものとしてください!
All photos by Keiko Kawanami