こんにちは。カナダのユーコン準州でオーロラガイドをしているSATOMIです。
先日、隣のブリティッシュコロンビア州にある「アトリン」に遊びに行ってきました。ブリティッシュコロンビア州に位置するのに、同州の他の町からは陸路でつながっておらず、隣のユーコン準州からしかアクセスできないという変わった場所にあるアトリン。
ロードトリップの際には立ち寄ってほしい!と感じた魅力が多くあったので今回はそれについて書きたいと思います。
アクセス方法が少し変わっている「陸の孤島」アトリン
美しいアトリンレイク
どういうことかというと、同じ県内にある隣町なのに道路がつながっておらず、隣の県を通って他の道路からアクセスしてやっと辿り着くのです。
アトリンから一番近い“大きな”市と言えば、私が現在住む、ユーコン準州の州都ホワイトホースで、車で約2時間かかります。見かける車のナンバープレートもユーコン準州のものが多く、とても不思議な感覚でした。
アトリンの人口は約300人、夏の観光シーズンになると短期労働者や、別荘を持っている人が加わり、400人程になることもあるそうです。この変わった位置にあることで、アトリンは他の市や町とは一風変わった場所なのです。
ボランティアの力によって成り立っている場所
興味深いのが、アトリンという地の位置づけです。観光客向けの新聞には、「アトリンは市でも町でもない」独立したコミュニティだ、と書かれいています。
ダウンタウンで一番大きなホテルのオーナーさんに聞いてみると、消防団や、学校の建築など、公共サービスに関わるものでも基本的にローカルのボランティアの力によって成り立っているということでした。
住む人一人ひとりがアトリンという場所を形作っているような気がして、素敵だなと感じました。
目の前に広がるアトリンレイクの存在
アトリンのランドマークはなんといってもアトリンレイク。小さなダウンタウンは湖に向かって緩やかな傾斜があるので、どこにいてもレイクビューがあるというなんとも贅沢な場所です。
アトリンのダウンタウン地図
眺めを楽しむだけではなく、カヌーはもちろん、船を出して釣りに行ったり、湖に浮かぶ島でのキャンプが地元の方の過ごし方だそうです。
またベッドやキッチンが付いたボートハウスをレンタルすることもでき、週末に湖上で釣りをしながらパーティーを楽しむことも可能です。
電波が届かない?デジタルデトックスのチャンス
SNSを忘れて焚火を楽しむ時間が最高!
驚いたのは、携帯の電波が届かないということです。ユーコンも街から離れれば電波はすぐなくなりますが、人口が数百人以上になれば電波があることがほとんどです。
ただ、アトリンはダウンタウンですが電波が飛んでいないので、Wi-Fiのあるホテルなどに行くしかありません。
ですがキャンプをしたり、ローカルの方と話したり、散歩をしたりと、携帯に気を取られず楽しむことができたので良かったです。
いつもはスマホに頼りがちになってしまいますが、デジタルデトックスを体験できるいい機会だと思って、五感でアトリンの魅力を感じましょう。
鮮やかな花に囲まれた建物がとにかく可愛い
可愛らしいデザインの家がたくさん
歩いて簡単に周れてしまう程の大きさのダウンタウンは、キャビンのようなデザインの木のぬくもりを感じられる可愛らしい家が立ち並んでいます。
最近はホワイトホースから引っ越してくる方も多いようで、新しいキャビンもぞくぞくと建てられていました。
また、ゴールドラッシュ時代からの歴史の残る建物もたくさん見ることができ、説明を読みながら散策するのも楽しかったです。
夏に行けば、どの家やお店もたくさんの花で囲まれていて、どの通りを歩いても絵になる景色ばかりでした。
Hot Springs(温泉)ならぬWarm Springs?
私が一番感動したのはこの「Warm Springs」です。ダウンタウンから車で約20分程走ると、「Warm Springs」と書かれたサインが出てきます。
アトリンのダウンタウンから車で20分程にあるWarm Springs
すぐに左側の小道を入っていくと、木々の中にポツンとWarm Springsはあり、大きさはバレーボールコートの半面ほど。深さは、一番深いところで約60cm程度です。
日本の温泉ほどではないですが、近くの湖よりも水温が高く、泳いだり温泉のように浸かってくつろぐことができます。
足元は砂利、そしてきれいな藻がたくさん生えている中、動物の鳴き声を聞きながら楽しむ、というワイルドな「Warm Springs」です。
特に脱衣スペースや目隠しのようなものが置かれているわけではないので、水着とタオルの持参が必要です。私が行ったときは他には誰もおらず、友人と2人で30分以上楽しみました。
ロードトリップにぴったり!
地元焙煎コーヒーも楽しめる
アトリンは、あまりガイドブックに載らないような小さな場所ではありますが、大自然に囲まれてとても魅力的な場所でした。スマホを見る時間を減らして自然を堪能してみてはいかがでしょう。
地元焙煎のコーヒーや、フレンドリーなローカルの方々など、良いところは挙げればまだまだたくさんあります。
カナダで、せかせかした旅行ではなくゆっくり時間をかけてロードトリップをしてみたい、という方はぜひ一度足を運んでみて下さいね!
All photos by Satomi