ライター
Asuna 元小学校教諭▶︎フリーライター

千葉県出身(血は関西)食欲・旅欲ともに旺盛、天真爛漫な元小学校教師。「子どもも仕事も好きだけど、新しいことにチャレンジしたい」そんな心の声に応えて退職を選んだ5年目の3月。高校で勉強した西洋建築に魅せられてひとり旅にどハマりする。好きな国はクロアチアとチェコ、それからポルトガルのオビドス。休日はカメラマンの夫と西へ東へ旅三昧な自由な日々。鱈の白子が大好物。

はじめての、ひとり旅

狭い世界で思い悩んで生きていたわたしに、もっと広い世界を教えてくれたのは、高校生の時に勉強した「世界文化史」という授業でした。自身も旅をすることが大好きなおじいちゃん先生による、趣味の延長のような時間。

彼自身の記憶と、旅の記録、それから文化史・歴史に関する膨大な知識をただひたすらに楽しそうに語る彼の授業をきっかけに、わたしはその景色を、その地を、自分の足で踏んで、自分の目で見てみたくなったのです。


生まれて初めてのひとり旅は2週間でヨーロッパ5カ国を周遊するものでした。ツアーに入って動くのは苦手な性格なので全部個人手配。飛行機に乗って一人の座席。隣には知らない人。何時間ゆられたのか、いつの間にか寝てしまいお腹は空いていないのに朝ご飯が出てきて、今は朝ということになっていると知る。

やっと飛行機を降りて荷物を受け取り、まわりには行き交う人々の顔、聴こえてくる知らない言葉、目に映る読めない標識。生きてきた世界と似ているようで違っていて、同じような誰かの日常が、知らない国にも広がっていました。


そんなこと当たり前なんですが、それだけで世界が広がった気がしたんです。目に映るものはすべて壮大に見えて、自分は米粒なんじゃないかって感覚にも襲われるくらい。いや、待てよ、米粒ってことは、わたしの悩みなんてもっとちっぽけなのかもしれない。そう感じたこの感覚はひとり旅から10年経った今でも忘れられません。

旅の道中はたくさんの人に助けてもらいました。地図を読むのが苦手なので、ひたすら道ゆく地元民のような人を探しては声をかけて教えてもらいました。ひとり旅だけど、ひとりじゃない、そんな感覚があったかくてあったかくて。


一人で解決できない時は、誰かを頼ってもいいこと。助けを求めることは悪いことではないこと。それを決めるのも自分自身ということ。そう思うことができました。

自分の行動や意思を尊重し、信頼して選択してあげる経験が自然と自分を信じる理由になっていました。それが結局幸せに結びついたことで、今までよりもちょっぴり自分を愛せるようになった気がしたのです。

自分を一番愛してあげられるのは自分


いじめが起こる環境について、よく魚と魚が生きる環境に喩えられることがあります。海のなかのメジナたちは、仲良く群れを作って泳いでいるのに、狭い水槽にうつした途端、強い魚が弱い魚をいじめだす、という話をご存知でしょうか。

東京海洋大学客員助教授のさかなクンが書いた、朝日新聞の連載「いじめられている君へ」「いじめている君へ」「いじめを見ている君へ」で反響が大きかったといわれる記事から知りました。

人間に例えると他者から自分に対する話ですが、この状態は自分自身の中だけでも起こりうることだとわたしは思うのです。今見えている世界が狭くて、その世界が全てだと責めてしまう、そんなあなたへ。


世界は、思っているよりもずっと広いのです。まだ見ぬ世界が、まだ知らない文化や言葉が、まだ経験していない出会いが外の世界には溢れています。

落ち込んでいる時や、自分自身が見えなくなっている時、「視野を広げてみよう」なんてアドバイスを受けたことがあります。でもそんなこと漠然としすぎてて難しいですよね。どうやればいいんだよ!って思ってしまいます、わたしなら。

だから、旅に出るんです。物理的に今の環境から抜け出すんです。逃げていいんです。前に進むために。

旅がわたしに教えてくれたこと


違う世界、知らなかった価値観を目にすると、これまで見ていた世界の狭さに気づくことができます。なんだ、これもありなんだ、こんなわたしだってありなんだ、と。知らなかった世界に飛び込んで、自分はちっぽけだと思えた感覚が支えになり生まれた、信じて愛する気持ち。

今までずっと向き合うことができなかった低い自己肯定感は、旅によって自分を愛する気持ちに変化を遂げてくれました。選ぶのも、進むのも、立ち止まるのも、変化を加えるのも自分。世界はずっとずっと広いのです。

みなさん、旅をして今よりもっと自分を愛してあげませんか?

All photos by Asuna Igari

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Asuna 元小学校教諭▶︎フリーライター

千葉県出身(血は関西)食欲・旅欲ともに旺盛、天真爛漫な元小学校教師。「子どもも仕事も好きだけど、新しいことにチャレンジしたい」そんな心の声に応えて退職を選んだ5年目の3月。高校で勉強した西洋建築に魅せられてひとり旅にどハマりする。好きな国はクロアチアとチェコ、それからポルトガルのオビドス。休日はカメラマンの夫と西へ東へ旅三昧な自由な日々。鱈の白子が大好物。

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