ライター

スナップと記録のあいだをゆく表現で、人と空間の関係性を再構築する写真家。都市や建築、そして日常に潜む「見過ごされた美」を切り取り、無機質の中に静けさと余白を見出すまなざしで作品を制作。国内外コンテスト入賞歴あり。ラーメン・カレー・寿司、そしてヤクルトの勝利が創作のエネルギー源。

コミュニティマネージャー養成コース(通称:コミュマネゼミ)は、いまの時代に必要不可欠な役割となっている「コミュニティマネージャー」を養成する実践型プログラムです。

コミュマネゼミ 募集記事

コミュニティマネージャーは、人と人とをつなぎ、新たな価値を生み出します。本ゼミでは、チーム活動やイベント制作、メンター制度を通じて、コミュニティ運営に必要な知識とスキルを学びます。

コミュマネゼミ 公式LINE

今回お話を伺ったのは、「コミュニティの可能性」に真正面から挑んできた、コミュマネゼミ卒業生のあらしさん。POOLO LIFEの参加をきっかけにPOOLOのコミュニティに出会い、コミュマネゼミに参加しました。

現在あらしさんは、京都を拠点に本業・副業の両軸でコミュニティマネージャーとして活躍しています。


兵庫県神戸市で会計士として働いていた社会人1年目の時、初めてPOOLO LIFEに参加。その時の衝撃は、今も鮮明に残っているといいます。

POOLO LIFE 公式サイト

あらしさんがコミュニティマネージャーとして大切にしている基本姿勢は、「安心して参加できる場と、一緒に挑戦できる仲間」を育てること。

会計士として数字を扱う日々から、関係性を育む毎日へ。会計士からコミュニティの世界へと舵を切り、自分らしい生き方を築いているあらしさんに、コミュマネゼミでの気づきと、これからの展望を語っていただきました。

POOLO LIFEと出会い、“仕事にならないと思っていたこと”が繋がった

——社会人1年目、神戸で会計士をされていた頃にPOOLO LIFE6期に参加されたんですよね。当時はどんな状況だったんですか?

私は愛知県出身で、愛媛県の大学に通っていました。社会人になってからは神戸市に配属され、周りには知り合いがひとりもいない状態でのスタートだったんです。

さらに、会計士という仕事が、日が経つにつれて自分には合わないと感じていて。会計士の主な仕事は、企業が作成した会計資料に対して証拠をもとにチェックを行い、「重大な誤りがない」と判断できれば、財務諸表に信頼性のお墨付きを与えることです。

photo by unsplash

慎重に確認を積み上げていくことが求められる職業ですが、私自身はどちらかというと「まず行動してみよう!」と勢いよく進むタイプ。

また、間違えることもひとつの学びだと考えている自分にとって、「人の間違いを指摘し、間違いが許されない環境で働く」という構造には、強い自己矛盾を感じていました。 

実際に、自分の強みや特性を客観的に知るための診断ツール「ストレングスファインダー」を受けてみたところ、「慎重さ」が一番の弱みとして出たんです(笑)。

仕事に就く前から、なんとなくの違和感はあったのですが、実際に働いてみて「やっぱり自分には合っていない」と確信するようになりました。

photo by unsplash
——そこからPOOLO LIFEに参加しようと思ったきっかけは?

単純に、将来が不安だったんです。

「何か新しいことを学ばなきゃ」と思っていましたし、新しい出会いも欲しかった。周囲に誰も知っている人がいない環境だったので、どこか繋がりを求めていたんだと思います。

自分の意思でコミュニティに入るのは、POOLO LIFEが初めてでした。そこで出会ったのが「コミュニティマネージャー」(以下、コミュマネ)という仕事です。

コミュニティを良くするために動いたり、絆を深めるサポートをしたり、そんな仕事があることに本当に驚きました。 

じつは学生時代から、リーダーシップやチームビルディング、街づくりに強い関心があって。どうしたら場が良くなるか、どうしたら人が活き活きと関われるかを考えるのがすごく楽しかったんです。

「こんなことが仕事になるんだ」と気づいた瞬間、それまでバラバラだった自分の興味や経験が一本につながったように感じました。

高知の清流と風、そして仲間と。POOLO LIFE 6期のメンバーとともに訪れた旅先で、沈下橋に並んで座った思い出の1枚
——それで、コミュマネゼミに参加することを決めたんですね。

はい。POOLO LIFE6期での活動を通して自分の人生を見直すようになって、「自分もコミュマネになりたい」と思うようになりました。

どうやったらなれるのかをいろんな人に聞いたとき、「コミュマネゼミに入ったよ」と教えてもらって。

POOLO LIFE6期を卒業して2ヶ月後、「よし、コミュマネになろう!」と決意して、コミュマネゼミに参加しました。

POOLO LIFE 6期の仲間たちと、卒業旅行のひとコマ。笑顔があふれる開放的な体育館で、手形アートに込めた思い出とともに

チームで重ねた問いが深めた、関係性の解像度

——コミュマネゼミで、特に印象に残っている学びやワークはありますか?

一番印象に残っているのは、チームでの活動です。

「チームでイベントをつくる」課題があったのですが、そのプロセスのなかで、「このイベントって誰のために、何のためにやるんだろう」といった本質的な問いを、チームで本音で話し合える関係性を築いていったのが強く印象に残っています。

もともと私は直感的に動くタイプでしたが、ゼミを通じて理論的に考えることを意識するようになりました。

成功循環モデル(行動・関係性・成果の好循環を生む考え方)」や「焚き火の理論(周囲の人との関係性を温めるための比喩)」などを学び、それをもとに「今はこういう状況だから、こういうアクションをしてみよう」と、仮説と検証のサイクルを回す力がついたことが、大きな変化でした。


——ほかにも、ゼミを通しての変化や気づきはありますか?

「素直さ」という、自分の強みに気づいたことですね。

「これ、めっちゃいいな」と思ったら、素直に「めっちゃいいね!」と言う。「ちょっと違うかも」と思ったら、「これはどうなんだろう?」と問いかけてみる。

そうやって、自分の素直な感情や気づきを場に置くことで、誰か一人でも何かを感じてくれたらそれで十分だと思えるようになりました。

全員を同じ方向に向かせるのがコミュニティではなく、全体を見ながらも「目の前のひとり」に向き合う。そんな感覚を持てるようになったのは、大きな成長だったと思います。

「理論と思考の土台」が、実践の場で力になる時

——学んだ理論を、実際にどんな場面で活かせましたか?

POOLO LIFE 9期でコミュマネを担当した時のことです。4人のメンバーがプロジェクトを進めていて、表面的には順調そうに見えました。

でも、ある時から「とりあえず成果を出そう」という空気が漂い始めて。

「これは、みんな心のどこかで違和感を抱えているな」と直感し、成功循環モデルを思い出しました。良い成果を出すためには、まず関係性の質が必要だと。

そこで「一度立ち止まって、このプロジェクトって本当にやりたいことなのか考えてみない?」と、思い切って問いかけてみたんです。

すると、「じつはそこまでやりたくなかった」といった本音が出てきて、改めてお互いを知るところから始めようという流れになりました。

その結果、最初に想定していた内容とはまったく違う、音楽をテーマにした新しいプロジェクトが生まれ、それが期の中でも印象に残る取り組みになったんです。まさに、ゼミでの学びが活きた場面でしたね。


——では反対に、難しさを感じたことはありましたか?

受講者との距離感の取り方がとても難しかったです。

特に立ち上げの段階では、「コミュマネとして関係性を築きたい」という気持ちがある一方で、自分が目立ちすぎると、本来その場で話すべき人の声が出にくくなると感じていました。 

「どのタイミングでSlackに返信するか」「どんなトーンでコメントするか」など、細かい配慮の積み重ねが大切だと実感しました。


——POOLO LIFEでの試行錯誤を経て、今の実務にはどのように結びついていますか?

本業では、京都にあるビジネス拠点に常駐しながら、イベントの企画や人と人が出会える場づくりを担当していますが、「コミュニティはいきなり成果が出るものではない」という視点を大切にしています。

まずは関係性を育てること。そこからゆっくりと実りが生まれてくる。それこそが、「コミュニティの本質」だと感じ、仕事をしています。

副業でもいくつかコミュマネをしていますが、同じ考えですね。

——具体的に、「関係性を育てる」ために意識していることはありますか?

一人ひとりを見ることを意識しています。

全体を俯瞰しながらも、「今、この人はどう感じているのか」を丁寧に見る。

たとえば、誰かの投稿に気づいても、すぐに反応せず、あえて少し時間を置いてからコメントすることがあります。自分が出過ぎることなく、参加者同士のやりとりを大切にしたいという思いからです。「今この人、こんなこと考えてるんだな」と思ったら、Slackなどでさりげなく声をかけてみたり。 

本当に小さなことの積み重ねです。でも、その積み重ねこそが、信頼や安心を生む土台になると感じています。

「笑い」と「対話」が生まれる場所を、自分の手でつくりたい

——今後、どんな場を作っていきたいですか?

最近は、コミュマネだけではなく、コミュニティづくりそのものに携わりたいと思うようになってきました。

自分が最初から設計して、一つのコミュニティを作ってみたいんですよね。

どういったコミュニティかはまだ検討中ですが、「笑うこと」と「対話」が軸になると思います。

——「笑うこと」が軸になる。その背景を教えてください。

じつは学生の頃、一時期友人関係でうまくいかなかった時期があって。

ずっとむすっとした顔をしていて、周りに全然友達がいない状態でした。

ただある時、友達が投げた紙飛行機を自分がダイビングキャッチしたら、爆笑が生まれて(笑)。

「お前、何やってんの!?」みたいな感じで、すごく仲良くなったんです。

「あ、笑うところに人が集まるんだ」と、その時気づきました。

それから、「笑う角には福来たる」という言葉をすごく大事にしています。何かがあったから笑うのではなく、笑うからおもしろいことが起きる、そういう順番だと思っています。


——素敵な原体験ですね。その「笑い」と「対話」を軸にした場所は具体的にはどんなイメージですか?

笑いたいけど笑えない人、居心地が悪くて素の自分でいられない人でも、この場所にいたら居心地の良さを感じて、自分で笑えて、結果的に人生がどんどん前に進んでいく、そんな場所を作りたいです。 

まだ0.5歩くらいの段階ですが(笑)、これからその一歩を進めていきたいなと思っています。

——仲間との関係性を育むなかで、あらしさん自身がコミュニティに対して大切にしている価値観はどんなものですか?

「人を手段にはしたくない」と思っています。

「とりあえずマッチングしたらいい、人と人を繋いで何かが生まれたらいい」それはもちろん素晴らしいことですが、「繋いであとは分かんない」みたいなのは、ちょっと違うと思います。

一人ひとりがちゃんとコミュニティに対する目的を持っていて、その目的が叶っていく。

「自分だけじゃなくて、他の人とも何かお互いに支え合っている」のが好きですね。


——これからコミュマネを目指す方にメッセージをお願いします。

コミュニティの力を、ぜひ信じてほしいですね。

私自身、学生の頃から野球をやっていて、チームスポーツの中で「与え合い」や「支え合い」をずっと経験してきました。

それが今のコミュマネという仕事に繋がっています。

スポーツは、年齢も性別も国も超える楽しさがあります。

サッカーやラグビーなどのワールドカップでは、みんなが一緒に盛り上がりますよね。あの「熱が重なり合う」瞬間にすごく感動しました。

そして、POOLO LIFEに参加して気づいたんです。スポーツじゃなくても、その熱が重なり合うことはできることに。

自分の趣味、仕事、生き方、旅といった、自分が想いを持っているもの同士が重なり合うことで、いろんなものを超えていけます。

コミュマネゼミは、同じ想いを持った仲間と出会える場所です。そして、コミュマネになるきっかけをくれた場所。ぜひ、一歩踏み出してみてください。

笑顔と一杯のコーヒーで繋がる、あたたかなコミュニティの時間。定期的にコーヒーイベントを開催

編集後記

インタビューを振り返ると、あらしさんの言葉が一つひとつ胸に深く残りました。

「笑うからおもしろいことが起きる」
「コミュニティはいきなり成果は出ない」
「全体を見ているけれど、その中でちゃんと一人を見る」

どれも、あらしさんの在り方を象徴する言葉だと感じます。

会計士からコミュニティマネージャーへと進んだ道のりは、決して軽い決断ではなかったはず。それでも、自分の中に芽生えた違和感に正直に向き合い、「これだ」と思えるものに出会った時、迷わず飛び込んだ。その真っ直ぐさと、人に対する誠実さこそ、多くの人を惹きつける理由なのだと強く思いました。

そして、感覚だけに頼らず、理論と検証を重ねながら、丁寧に関係性を育てていく姿勢は、コミュニティマネージャーという仕事の本質を体現しているようでした。

「0.5歩でもいいから、前に進む」

その言葉を胸に、あらしさんのこれからの挑戦を心から応援しています。私自身も、このインタビューで得た学びを大切にしながら、自分らしい一歩を踏み出していきたいと思います。

ライター

スナップと記録のあいだをゆく表現で、人と空間の関係性を再構築する写真家。都市や建築、そして日常に潜む「見過ごされた美」を切り取り、無機質の中に静けさと余白を見出すまなざしで作品を制作。国内外コンテスト入賞歴あり。ラーメン・カレー・寿司、そしてヤクルトの勝利が創作のエネルギー源。

RELATED

関連記事