2018年と言ったら皆さんは何を思い浮かべますか??
日本では大会直前に監督交代が行われるなど、なんだか雲行きが怪しくなってきましたが、アメリカを除いた世界中ではW杯イヤーということで日に日に盛り上がりを見せています。
今回の記事では、筆者が実際に足を運んだことのあるヨーロッパ主要サッカーリーグ(スペインリーグ、プレミアリーグ(イングランド)、ブンデスリーガ(ドイツ)の3つのスタジアムの紹介と、各国の応援スタイルの特徴とその楽しみ方、筆者の体験談をご紹介したいと思います。
サッカーの本場ヨーロッパのサッカースタジアム
Jリーグ側も観客動員数を増やすために様々な施策を行っておりますが、その中でスタジアムの改築を促し、サッカー専門スタジアム化や収容人数増加のための増築、最新テクノロジーの導入など、ファンが訪れてみたくなるようなスタジアム作りの努力が日々行われています。
一方で、日本の外に目を向けてみるとサッカー先進国と言われるスペイン・イギリス・ドイツ・イタリアをはじめとしたヨーロッパ各国では、その歴史的背景もありサッカーが国民の日常生活に染み渡っています。
地元のサッカーチームの熱狂的なサポーター達は週末がやってくると、愛するクラブのサッカータオルを首に巻きつけて、近所の行きつけの酒場で一杯ひっかけてからサッカースタジアムに向かいます。
スタジアムに入場すると、試合開始前から会場中が熱狂的なサポーターの鳴らす太鼓の音に合わせて地元チームの応援歌を歌っており、期待と興奮の入り混じった異様な雰囲気を醸し出しています。
1.FCバルセロナのスタジアム「カンプ・ノウ(Camp Nou)」
基本情報
スペイン・カタルーニャ州バルセロナ県バルセロナにあるサッカー専用スタジアム。スペインリーグ優勝回数24回、ヨーロッパチャンピオンズリーグ優勝回数5回のスペインの名門FCバルセロナのホームスタジアム。
名称の由来はカタルーニャ語で「新しいスタジアム」を意味するカンプ・ノウから。
世界一のサッカー選手とも評されるアルゼンチン出身のリオネル・メッシなどが所属。日本で話題の久保建英選手が過去に下部組織に所属していました。
行き方
バルセロナの地下鉄メトロ(Metro)の3号線のPalau Reial駅から徒歩または、5号線のColbalanc駅から徒歩。
応援スタイル
スペインサッカーの特徴といえばその卓越した技術を軸にしたパスサッカー。素早く正確なパスと足に吸い付くようなトラップで試合の主導権を握ります。
ホームチームが優勢になり、相手をからかうようなパス回しが始まると観客はそのパス回しに合わせて、闘牛士やフラメンコへの激励に使われる「オレー(OLE)!」の掛け声が始まります。
他の国のサポーターと違いスペインのサポーターは比較的静かに試合を観戦しており、優れたプレーが行われると賞賛の拍手が上がります。
また、汚いプレー、お粗末なプレー、疑惑の審判のジャッジが下されると「フエラ(Fuera:帰れの意)の大合唱がブーイングの口笛とともに起こります。
筆者の体験談
筆者はFCバルセロナのファンです。筆者がカンプノウを訪れたのは2007年のFCバルセロナ対レアルマドリードの通称クラシコという試合と、2009年のチャンピオンズリーグ準決勝1stレグのFCバルセロナ対チェルシーFCの2試合。
どちらも非常に重要な試合のため、試合前からサポーターがスタジアム前で発煙筒を焚いて、応援歌を歌うなど異様な興奮の空気が流れています。
スタジアムに入ると試合開始前にアップをしている相手チームに対して、スペイン語で汚い言葉をかけてプレッシャーをかけています。
そして、試合開始の時間が近づくとクラブの公式ソングが流れ10万人近くのサポーターが大声で歌い、興奮のボルテージは最高潮に。
試合中は要所要所でクラブの応援歌が歌われ、相手チームがボールを持つと一斉に大ブーイング。
ホームチームがゴールをしようものなら、一斉に観客が立ち上がり喜びの雄叫びをあげます。試合終了のホイッスルがなると、再びクラブの公式ソングが流れ、サポーターの大合唱で興奮の90分が終了します。
2.アーセナルFCのスタジアム「エミレーツ・スタジアム(Emirates Stadium)」
基本情報
イギリス・ロンドンにあるサッカー専用スタジアム。プレミアリーグ優勝回数13回、国内カップ(FAカップ)優勝回数13回のイギリスの名門アーセナルFCのホームスタジアム。
日本の名古屋グランパスエイトで過去に指揮を取っていたアーセン・ヴェンゲルが監督を務めています(今期で退任)。
また、過去には稲本純一、宮市亮といった選手が所属し、現在では浅野拓磨選手が所属(ドイツにレンタル中)するなど日本人に縁があります。
行き方
ロンドンの地下鉄チューブのピカデリー線アーセナル駅から徒歩。
応援スタイル
イングランドの応援のスタイルと言えばその情熱的なチャントです。
チャントとは歌と手拍子で構成される応援歌のことで、内容はホームチームの選手を鼓舞するものから相手チームを揶揄するものまで様々で、ここでは表現できないような品のない汚い言葉が並びます。
このチャントですが、決まったサポーター達が行っているわけではなく、スタジアムのどこからともなく歌声が上がり始め、それが一斉に伝播していきます。その様子は非常に爽快です(放送禁止用語だらけですが)。
またイギリスのサポーターは味方のために一生懸命に走ったり、体を張ったプレーが大好きで、そうしたプレーが起こると拍手と賞賛の歓声が上がります。
筆者の体験談
筆者がエミレーツスタジアムを訪れたのは2009年のプレミアリーグ対ミドルズブラ戦。
下位チームとの対戦でしたが、ホームチームのサポーターはパブでのお酒の勢いも手伝ってか、ほろ酔い気分で大盛り上がり。試合前からチャントがスタジアム中に響いています。
上記で述べた通り、体を張って相手選手にタックルをしたり、届きそうもないボールにも一生懸命ダッシュをして追いかける選手には大歓声が湧き、逆に怠慢な動きをする選手にはホームチームであろうと容赦のないブーイングが飛びます。