3月は弥生、弥生の節句と言えば雛祭り、と3月は雛祭りで始まります。桃の花を飾って春が来たと思ったら、また雪が降るといった季節ですが、下旬になるとこいのぼりのイベントも始まり、季節の歩みは確実ですね。
暖かくなり、遠出も楽しくなる頃のお祭りをご紹介します。
さげもん
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福岡県柳川市では女の子の初節句のお祝いに、雛壇の両脇に下げるつるし雛を親戚の女性たちが手作りして贈る習慣があります。「さげもん」と呼ばれるこのつるし雛を、一針一針に生まれた子の健康と幸せへの祈りを込めて作るそうです。
2月中旬のおひな様始祭から4月初めまでの間、登録されたお宅のお雛様やさげもんを見せていただくことができます。また、川下りのツアーに組み込んでまわることもできます。
佐原雛めぐり
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江戸時代に商都として栄えた佐原では2月上旬から3月下旬にかけて、佐原まちぐるみ博物館に参加している商家が自慢の雛人形を店頭に飾ります。
また、3月14日と15日には内裏雛の衣装を着た人々が舟に乗り込み、小野川を進む「水上雛祭り」が行われます。
流し雛
photo by enmoto
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ひな祭りの原型に、形代の人形を海や川に流すことで、身の穢れや罪を祓い清めるという風習があります。
和歌山県加太にある淡島神社では、形代を流すだけでなく人形供養としても雛流しが3月3日に行われます。1年間に神社に納められた人形をお祓いをしてから船に乗せて海に流します。
元三大師大祭だるま市
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3月3日と4日の元三大師大祭に合わせて調布市深大寺の境内に縁起だるまの市がたちます。高崎、富士と並んで日本三大だるま市とよばれているだるま市は、境内の300あまりの縁起だるまを売る店をたずねる人で賑わいます。
買っただるまは元三大師堂前の特設だるま開眼所で目入れをしてもらいます。左目だけに梵字の阿字を書き入れるのです。1年後に願いの叶っただるまの右目に梵字の吽字を書き入れ、感謝の心と共にお寺に納めます。
お水取り
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東大寺の「お水取り」と言われる行事は3月1日から2週間にわたって行われます。関西地方ではお水取りが終わらないと暖かくならないと言い習わしている1,200年以上続いている行事です。本来は二月堂の観音様に懺悔し天下国家の安寧を祈る行で、修二会といいます。
行中の3月12日深夜に境内の若狭井から二月堂の観音様に供えるお香水を汲み上げる儀式が行われることからお水取りと呼ばれています。また、行を勤める練行衆の道明かりとして大松明に火がともされ、その火の粉を浴びると無病息災の御利益があると言われています。
近江八幡左義長
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近江八幡では3月中旬の土曜日と日曜日に左義長祭りが行われます。祭りの起源は小正月に正月飾りを燃やすのと同じですが、3月に行われることになっています。
中心に据え付けられた「だし」はその年の干支にちなんだ形を、黒豆や大豆、昆布やするめなどの山の幸や海の幸を使って作ります。
その左義長を担いで練り歩き、左義長同士が出会えば「組み合わせ」という喧嘩をし、最後の日に担ぎ手たちがまわりで乱舞する中、全部燃やしてしまいます。
こいのぼりの里まつり
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群馬県館林市では3月末頃から5月初めにかけて、市内の鶴生田川を中心に5つの会場でこいのぼりが掲揚されます。鶴生田川だけで4000匹以上が泳ぎ、全部合わせると5000匹を超える数のこいのぼりになり、ギネスブックに世界一と認定されています。
まとめ
梅、桃と続いた春の花も、いよいよ桜を待つだけになってきました。出かけるには最適のシーズンを迎え、季節の変化をイベントから感じ取ってみませんか。