ライター
新田 浩之 フリーライター

国鉄が民営化された1987年生まれ。神戸市出身です。高校の時に読んだある小説の影響で、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパ、ロシアに強い関心を持つことに。大学、大学院ではユーゴスラビアのことを勉強していました。2016年3月からライターとして神戸で活動しています。 直近では2015年9月から3ヶ月間、友人を訪ねながら、ヨーロッパ14カ国をめぐる旅を決行。ただ、イギリス、フランス、イタリア、スペインなどの西欧諸国には行ったことがありません。

自由のありがたさが感じられるヨーロッパ連帯センター

今でこそEU加盟国で民主主義国家のポーランドですが、1989年以前は一党支配の社会主義国家でした。人々は自由を求めて全国各地で戦いましたが、最も有名なのがグダンスクでの運動です。

1980年、一労働者であったレフ・ヴァウェンサ(ワレサ)は自身が所属した造船所に労働組合「連帯」を結成。自由と民主主義を求めて立ち上がり、運動は全国に波及しました。何度も政府から弾圧されましたが、1989年に民主化に成功。ヴァウェンサは民主国家、ポーランドの大統領となりました。

Photo by Nitta Hiroshi

ポーランド民主化運動を学べる施設が、ヨーロッパ連帯センターです。連帯センターの隣にはヴァヴェンサが「連帯」を結成した造船所跡があります。工場は更地になっていますが、門は1980年代のままだと思います。

Photo by Nitta Hiroshi

門の横には、民主化を求める看板のレプリカが掲げられていました。ここから始まったと思うと、なんだかジーンとしますね。

Photo by Nitta Hiroshi

社会主義時代の警察「民警」です。当時は当局がデモを認めなかったので、人々は逮捕覚悟で自主的に行っていました。デモをすると即座に民警がかけつけ参加者をトラックに載せて連行。ケースによっては、デモ隊に実弾を発射したこともありました。

Photo by Nitta Hiroshi

数々の弾圧を受けながらも連帯は運動を続けました。ついに1989年に政府側と連帯側が国の将来を話し合うために円卓のテーブルに付くことに。

のちに「円卓会議」と呼ばれたこの会議で政府側と連帯側が妥結点を見出し、ポーランドは民主主義国家として再スタートすることになりました。これは「円卓会議」を解説したコーナーです。

Photo by Nitta Hiroshi

連帯センターからの帰り道に小規模なデモに遭遇。警察は社会主義時代のように弾圧するわけでもなく、先導していました。「体制が変わるというのはこういうことなんだなあ」と思いながら、しみじみと見つめていました。

■詳細情報
・名称:ヨーロッパ連帯センター(Europejskie Centrum Solidarności)
・住所: pI. Solidarności 1, 80-863 Gdańsk
・地図:
・アクセス:中央駅から徒歩12分
・営業時間:10:00~20:00(5月~9月)、10:00~18:00(10月~4月)
・定休日:無休
・電話番号: +48 58 772 41 12
・料金:大人5PLN、学生3PLN
・所要時間:90分
・オススメの時期:いつでも
・公式サイトURL:https://www.ecs.gda.pl

グダンスクを訪れるにあたっての注意点

グダンスクには4日ほどいましたが、旧市街周辺では身の不安を感じることはまったくありませんでした。あえて注意点を書くとすれば、中央駅と旧市街が少し離れていることでしょうか。中央駅から旧市街までの時間は徒歩15分ほどです。

ポーランドを訪れた際は、グダンスクの街を見てくださいね。

ライター
新田 浩之 フリーライター

国鉄が民営化された1987年生まれ。神戸市出身です。高校の時に読んだある小説の影響で、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパ、ロシアに強い関心を持つことに。大学、大学院ではユーゴスラビアのことを勉強していました。2016年3月からライターとして神戸で活動しています。 直近では2015年9月から3ヶ月間、友人を訪ねながら、ヨーロッパ14カ国をめぐる旅を決行。ただ、イギリス、フランス、イタリア、スペインなどの西欧諸国には行ったことがありません。

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