「青い氷」を見たことがありますか?世界の7割を占める広大な海。青い海の上に浮かぶ息を飲むほど青い氷河。
そんな景色が見れる場所は「グリーンランド」。小さい時に世界地図を眺めた時に、ロシアの上に描かれている大きな島を見てなんだろうと思った人も多いのではないでしょうか。
氷に覆われた世界最大の島。白夜と言われる夜まで明るい日が続く時期もあれば、全く太陽が昇らないときもある極地。はるか昔ノルウェーの冒険家「赤毛のエイリーク」が開拓し、いろんな人に来てほしいがために緑がないこの場所を「グリーンランド」と名付けました。
そんな極地にあるものとは?
グリーンランドの中で訪れた都市とルート、移動方法
photo by Michinori Onda
あまり知られていないと思いますが、グリーンランドはデンマーク領なんです。グリーンランドへのアクセス方法は1つ。デンマークのコペンハーゲンからのみ入ることができます。エアラインは、エアーグリーンランド。赤い飛行機でとても小さいんですね。
コペンハーゲンから到着する場所は、南端のカンガルスクアック(Kangerlussuaq)。所要時間は4時間半くらい。
そこから、氷河を見るためには乗り継ぎ、西部「イルリサット」を目指します。その都市の意味は「氷塊」。ちなみに、この場所は世界遺産にも登録されている場所です。グリーンランドの街を移動するには、エアーグリーンランドを乗り継いでいくことになります。
グリーンランドでのエピソード(人とのエピソード)
photo by Michinori Onda
グリーンランドに行って一番驚いたのは、現地の人の顔が日本人に似ているということ。民族は「イヌイット」。なんだか中学頃の教科書で聞いたことがある言葉ですよね。
彼らが話すのはグリーンランド語かデンマーク語なので、全く分からなかったのですが、シャイな雰囲気が日本人と似ているんです。泊まった宿の近くで子どもたちがサッカーをしているのを見て、こんな極地でも同じことをやるんだなあということを感じました。調べてみるとサッカーはグリーンランドの国技らしいのです。
旅をしている醍醐味の1つに、世界は広いんだけれどなんだか繋がっていると感じることがあるのですが、まさにグリーンランドという極地に行って「繋がり」を感じた瞬間でした。
グリーンランドでのエピソード(場所のエピソード)
photo by Michinori Onda
「氷塊」イルリサットで、僕は数日過ごすことに。
訪れた瞬間に、この場所にふっと心を奪われました。宿の目の前にすぐに海があって、氷が流れているのが窓から見える。そして、夜になるとどこか遠くから犬の遠吠えが聞こえる。
スーパーも銀行も1つずつある。そして、旅行代理店も1つ。そこで、氷河クルーズや犬ぞりのツアーを申し込める。あとは、ほとんどが民家なのではないか。街の全てを歩いた訳ではないですが、そんな印象を受けました。
街自体の産業は漁業が主。そして、期待されるのが観光業。氷山という自然の資源をぜいたくに使って。ただ、物売りがいるとか騙されるみたいなことは一切ないので、本当に極上な自然に贅沢にふれることができる素敵な場所でした。
知っておくべきキーワードは「Amazing」
旅を楽しむためにどんなことが必要かと聞かれたら、場所によっては色々なアドバイスがあると思います。ただこの極地グリーンランドで必要なものは、何もない。強いて言うながら「感じる心」の純度を高めてほしいということくらいです。
「Amazing」。この英単語の本当の使い方をこの旅で知りました。
氷河クルーズに乗っていたオーストラリア人と仲良くなり、一緒にクルーズから景色を眺めていました。そして、唐突に目の前の氷河の氷が崩れ落ちました。
静寂の世界に氷が落ちる音だけが響き渡る。そして、しぶきが飛ぶ。その時に心から出た言葉「Amazing」。
自然の前で何かを形容する言葉はいらず、そして大切なことはこの空間を楽しめる心のあり方であると思うのです。
グリーンランド旅行を楽しむためのアドバイス
photo by Michinori Onda
まずは、時期。僕はゴールデンウィークに行ったのですが、この時期はオーロラを見ることができません。冬がベストとのこと。そして、飛行機のタイミングが週に3回程しか飛んでいないので、日数に余裕を持つことが大切です。
あとは、この静寂な自然を楽しむためには特になにも必要はないと思う。旅を楽しむ心。それさえあれば、大丈夫なのではないでしょうか。