東京外国語大学フランス語学科卒業後、英マンチェスター大学院で国際開発学の修士号取得。2019年3月末まで在ギニア日本国大使館の草の根委嘱員として、ギニアで活動するNGOへの資金供与に携わる。

みなさんはギニアという国を聞いたことがありますか?

現在国名にギニアが付いているのは、ギニア・ビサウ、赤道ギニア、パプア・ニューギニア、ギニアの4つで、今回ご紹介するのは最後の「ギニア共和国」になります。

ギニアは1958年にフランスから一番初めに独立した国ですが、独立の際、不満を持ったフランスにより、植民地時代に建設したインフラの破壊・公的文書の破棄等が行われました。その影響もあり、現在ギニアは世界で一番貧しい国の一つになっています。

小野崎慈慶
東京外国語大学フランス語学科卒業後、英マンチェスター大学院で国際開発学の修士号取得。2019年3月末まで在ギニア日本国大使館の草の根委嘱員として、ギニアで活動するNGOへの資金供与に携わる。

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ギニアの中で訪れた都市とルート、移動方法

日本から首都コナクリまでは、乗り継ぎを含め約30時間。エールフランス、エミレーツ、エチオピア航空などが就航しています。

首都以外にも、標高が高くハイキングが楽しめるフータジャロン地方や野生のチンパンジーが棲息するニンバ山などありますが、いずれも首都から車で行くしかありません。乗り合いタクシーも出ていますが、道が大変悪いため頻繁に故障が発生し、数時間炎天下の中放り出されることもあるようですので、レンタカー会社の利用をお勧めします(運転手付きで1日約1万円)。

ニンバ山があるゼレコレ州までは車で片道2日かかるので計画的に日程を組みましょう。

 

ギニアでのエピソード(人とのエピソード)

散歩していると、道行く知らない人10人中7人くらいに、「ボンジュール!サバ?」と声をかけられます。こういった光景は、例えば隣国セネガルほど発展した国では見られません。まだまだ発展途上にある国ならではの朗らかさというべきでしょう。

ただし、全員が我々を中国人と思っています。「シノア、シノア(中国人)!」の嵐。それから目立つのは、お小遣いをせびってくる警察官たち。「ガソリンを買うお金がないから家に帰れない。100円くれ!」「夜勤で疲れてるからコーヒーが飲みたい。100円くれ!」などはしょっちゅうです。

これを汚職と切り捨てるのは簡単ですが、警察官達の給料は月に1万円以下。この国の根の深い現状を知れば、また別の見方が出てくるかもしれません。

 

ギニアでのエピソード(場所のエピソード)

観光資源に乏しい国ですが、コナクリ市内のニジェール市場とマディナ市場は一見の価値ありです。人がごった返したこの市場では、日常生活品、食べ物に始まり、電化製品や車の部品、薬はては、偽造書類、違法薬物など何でもござれのアナザーディメンションが広がっています。

スリには本当に注意して下さい。街中で盗難にあった携帯電話が、アナザーディメンションで見つかることが多いそうです。

日本の支援を受けたブルビネ漁港もおすすめです。魚のツンとした鼻をつく臭いと溢れかえる人、アフリカ各国の国旗がはためく船乗り場のカオスな臨場感は他では味わえないでしょう。この近くには海にせり出しているレストランもあり、夕焼けを楽しみながらギニアの地ビールを嗜むのも良いかもしれません。

 

知っておくべきキーワードは「部族」

ギニアには、スースー族、マリンケ族、プル族、その他小さな部族がたくさんあります。言葉の違いはもちろん、顔立ちや風習も違います。部族間の紛争まではありませんが、政治場面や日常生活おける利害の対立がよく見られます。「あいつは◯◯族だから、信用できない」などはよく聞くセリフです。

イメージしづらいかもしれませんが、日本も薩摩、長州、会津と分裂していた時代がありました。今でも新幹線の新設や諫早湾問題で、県同士でもめている地域もあります。よその問題は見えやすいのです。

 

ギニア旅行を楽しむためのアドバイス

まず最初に必ず部屋の確認をすること。クーラーがあるか、蚊帳があるか、水、温水は使えるか、ベッドは清潔かなどチェックしましょう。電話口や受付で、必ず彼らは「大丈夫だ。何も問題ない」と言いますが、信用できるのは己の心眼のみです。

タクシーは貸し切りをおすすめします。病人も乗り合いタクシーで病院まで運んでしまうので、感染症の危険性があるからです。ほんとんのタクシーがぼろぼろで、床に穴が空いてるものもあります。乗る前にしっかりチェックしましょう。乗車前の値段交渉も必須です。

東京外国語大学フランス語学科卒業後、英マンチェスター大学院で国際開発学の修士号取得。2019年3月末まで在ギニア日本国大使館の草の根委嘱員として、ギニアで活動するNGOへの資金供与に携わる。

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