ライター
永崎 裕麻 生きる旅幸家

「旅・教育・自由・幸せ」を人生のキーワードとして生きる旅幸家。 2年2カ月間の世界一周後、世界幸福度ランキング1位(2014/2016/2017)のフィジー共和国へ07年から移住し、現在13年目。 100カ国を旅し、14カ国で留学した経験を活かし、内閣府事業に参画、教育企画の立案、ライターとして「ハフィントンポスト(日本版)」「日経doors」などで執筆、「幸せに気づくコーチング」、「40歳定年」などの活動中。 二児の父。著書に「世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論」(いろは出版)。

こんにちは。ライフスタイルをアップデートする英語学校カラーズの校長をしています永崎 裕麻です。

100カ国を旅して、いちばん幸せな国だと感じたフィジーに2007年から移住し、日本とフィジーを行き来するデュアルライフ(二拠点生活)をしています。

2019年より拠点を1つ追加し、現在はトリプルライフ(三拠点生活)に挑戦中。3つ目の拠点として選んだのは北欧のデンマークです。今回は、そんなデンマークから学ぶ「幸せ」についてご紹介したいと思います。

2020年の世界幸福度ランキング結果

みなさんは、世界幸福度ランキングというものをご存知でしょうか?3/20の世界幸福デーに国連が発表しているランキングです。

2020年の世界幸福度ランキング(World Happiness Report 2020)によると、トップ7に北欧5カ国がすべてランクイン。北欧強し。

下記がベスト10の国です。ちなみに日本は過去最低の62位(153カ国中)…。

1位 フィンランド
2位 デンマーク
3位 スイス
4位 アイスランド
5位 ノルウェー
6位 オランダ
7位 スウェーデン
8位 ニュージーランド
9位 オーストリア
10位 ルクセンブルク

World Happiness Reportは今回で8回目となります。

8回の調査の中で、最多の3度にわたり1位を獲得している国が2つあります。フィンランドとデンマークです。今回も1、2フィニッシュの両国。

今回の記事では、8回の調査で一度もトップ3から外れたことのない唯一の国デンマークにスポットライトを当ててみたいと思います。

8つの秘訣

photo by Yuma Nagasaki

デンマークにある「幸福研究所(The Happiness Research Institute)」によると、デンマーク人の幸福の秘訣は以下の8つの要素だといいます。

1. Trust (信頼)
2. Security (社会保障)
3. Wealth (富)
4. Freedom (自由度)
5. Work (仕事)
6. Democracy (民主主義)
7. Civil Society (市民の社会参加)
8. Balance (ワークライフバランス)

本記事(前編)では1-4について、次の後編では5-8について説明させていただきます。

1. Trust(信頼)

photo by shutterstock
多くの幸福研究者は言います。人を信頼する人ほど幸せを感じやすいと。

世界86カ国における「他人への信頼度」調査でデンマークは1位に輝いています。世界平均は25%ですが、デンマークは驚異の78%!

デンマークの親はカフェでコーヒーを飲んでいる間、子供をベビーカーに乗せて外で寝かせておきます。社会全体に対する信頼感がハンパないですね。ちなみに、アメリカを旅行中のデンマーク人夫婦がニューヨークでそれをやって警察沙汰になったそうです(笑)。

「頼れる人が多いほど幸福度が上がる」というデータがあります。日本でも頼れる人が30人以上いる人は、世界幸福度ランキング1位であるフィンランド人の幸福度を上回ります。

見知らぬ他人とコミュニケーションをとるとき、「信頼」から始められる社会か、「疑心」から始まる社会か。どっちの社会が「頼れる人」を増やすことにつながるのか、答えは明白だと思います。

2. Security(社会保障)

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デンマークは言わずと知れた「高負担高福祉国家」です。消費税は25%であり、軽減税率もないため食料品も同じ25%。高負担ではありますが、その一方で、医療費や介護費、出産費などが無料です。幼稚園から大学までの教育費も無料で、さらに大学生たちは月々8万円程度の生活費を受給できます。

人生を豊かに生きるためのリソースとして「お金」や「時間」があります。高福祉の国では、貯金や保険加入など「お金」について考える必要が少ないということが幸福度を高めていると思います。将来への不安が小さいため、いまこの瞬間の「時間」をどう有意義に活用するかにフォーカスできます。

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また、90年代にデンマークの首相が提唱したフレキシキュリティ(flexibility[柔軟性]とsecurity[安全]を組み合わせた造語)という政策モデルも興味深いです。

簡単に言うと、雇用主は社員を自由に解雇できるが、国が失業者にはしっかりと補償をして、成長産業への移動を促すというもの。貴重な人材が衰退産業に居座るのを避け、国の競争力を高めています。日本も見習うべきところがある政策かもしれません。

3. Wealth(富)

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デンマーク人の平均年収は835万円(世界4位)です。日本人は429万円(世界18位)なので2倍弱の差がありますね。ただ、その事実よりも価値があると思うことは、デンマークでは貧困の連鎖が起きにくいということです。

日本では貧困家庭に生まれると、進学を諦めたり、必要な医療を受けられなかったりすることがあります。その結果、親の貧困が子供にも引き継がれ、格差が固定化されてしまいます。

先述したようにデンマークでは教育費や医療費などが無料のため、子供たちに対するチャンスが平等に提供されます。

日本では「7人に1人の子供が貧困」とよく言われていますが、デンマークでは「27人に1人」という割合です。貧困が再生産されないだけでなく、貧困率そのものが低いという事実が国民の「不幸度」を下げ止めています。

4. Freedom(自由度)

photo by Yuma Nagasaki
国連の「World Happiness Report2019」によると、デンマーク人の自由度(人生の選択自由度に満足しているか)は非常に高く、世界第6位です(日本人は64位)。

デンマークでは家庭教育や学校教育の中で「あなたは何が好きなのか?」を徹底的に考えさせます。そして、好きなことをやることで「自分の好み」を探求していきます。

好きなことばかりやっていると「忍耐力」が身につかないのでは?

その疑問を「How to live in Denmark」の著者であり、ジャーナリストであるケイ・サンダー・メリッシュさんにぶつけてみたところ、こんな回答が。

「我慢ができないこと」よりも「自分が好きなことを知らないこと」のほうが圧倒的に悪です。そもそも好きなことをやれていないという状態は良くない。好きなことをやればいいので、忍耐はそれほど必要ではない。

日本人は「好きにやっていいよ」と自由を与えられると、何をしていいのか分からないということが結構あるのではないでしょうか。「自由を謳歌する」よりも「義務を果たす」ことに燃える傾向があるように思います。

日本人の血に流れる「人様に迷惑をかけてはいけない」という呪縛。デンマーク人は、まずは「自分の居心地の良さ」を確保し、その次に「他人の居心地の良さを妨害しない」という順番です。

デンマークから学べること

photo by Yuma Nagasaki

デンマークの人口は579万人なので、日本でいうと兵庫県と同じくらい。日本全体の人口はその約20倍なので、軽々にデンマークの社会制度を日本にインストールすべきだと言えません。

ただ、デンマークの幸福の秘訣を私たち個人の考え方や習慣のレベルに落とし込むことはできると思います。そんな視点をもって、次の後編もお楽しみください。

後編はこちら

ライター
永崎 裕麻 生きる旅幸家

「旅・教育・自由・幸せ」を人生のキーワードとして生きる旅幸家。 2年2カ月間の世界一周後、世界幸福度ランキング1位(2014/2016/2017)のフィジー共和国へ07年から移住し、現在13年目。 100カ国を旅し、14カ国で留学した経験を活かし、内閣府事業に参画、教育企画の立案、ライターとして「ハフィントンポスト(日本版)」「日経doors」などで執筆、「幸せに気づくコーチング」、「40歳定年」などの活動中。 二児の父。著書に「世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論」(いろは出版)。

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