ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。 山岳雑誌『山と渓谷』へ寄稿、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「創業110周年記念 愛知銀行フォトコンテスト」最優秀賞など。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

こんにちは!トラベルライターの土庄です。今回は岐阜県山間部の飛騨市でエコツーリズムについてご紹介したいと思います。

エコツーリズムとは英語の”Ecology(生態系)”と”Tourism(旅行)”をかけあわせた造語。地域固有の自然環境や歴史文化を体験しながら学び、その保全にも責任を持つ観光のあり方です。

全国的にも有名な「レールマウンテンバイクGattan Go!!」をはじめとして、近年完成した「天蓋山YAMAP新道」、飛騨高山の奥座敷として愛されるお宿「八ツ三館」など、飛騨ならではの魅力的なコンテンツに迫ります。

岐阜県飛騨市とは?


岐阜県の最北に位置し、北は富山県、南は高山市に面する「飛騨市」。総面積は792平方キロメートルで、全国の市のうち約50番目の面積をもち、周囲は標高3,000メートルを超える飛騨山脈などの山々に囲まれています。

面積の93%を森林が占めており、映画『君の名は。』のモデルになった古川の町並み景観が有名です。”自然豊か”と形容されることの多い飛騨市ですが、伝統的なモノづくりや祭り文化がしっかりと根付いています。

地方創生を叶えるエコツーリズム


そんな飛騨市で近年盛り上がりを見せているのが「エコツーリズム」です。民間と行政が手を取り合って、魅力的な観光コンテンツの造成を行なっています。すでに全国的に有名になったアクティビティもあり、地域の事業者と人をつなぐ仕組みづくりも秀逸です。

また一つのプロジェクトや事業者の取り組みとして、他の地域でも横展開可能なロールモデルも数多く有しています。今回はそんな飛騨市を代表するエコツーリズムの事例についていくつかご紹介したいと思います。

廃線を活用したレールマウンテンバイクGattan Go!!


まず最初にご紹介したいのが、「レールマウンテンバイクGattan Go!!」です。飛騨市にある町の一つ、飛騨神岡は、かつて鉱山の町として栄え、亜鉛鉱石の輸送のために神岡鉄道が走っていました。

しかし時代とともにニーズがなくなり、一時は貨物輸送をメインとする鉄道に変わるも、2006年には廃線に。活用方法を模索し、最初は不定期での観光列車の案が出ていましたが、実現しませんでした。

そこで地元の住民グループ「神岡鉄道協力会」が廃線の線路上で軌道自転車を運行する「レールマウンテンバイク」の運行を考案したのです。約2.9kmの区間で実験運行したところ大好評となり、2012年からシーズンを通じての本格運行が始まります。


まちなかコースと渓谷コースの2つがあり、いずれも飛騨の自然を満喫するサイクリングを楽しむことができます。また当時”奥飛騨の地下鉄”と言われていたように、トンネルが続き、橋梁が現れるコースは歴史情緒も感じられますよ。

街のアイデンティティの一つだった鉄道が形を変え、今でも多くの人が利用するアクティビティとなっているとは、なんだか素敵ですよね。個人的には桜が咲き誇る春、まちなかコースを利用するのがおすすめです。

■詳細情報
・名称:レールマウンテンバイクGattan Go!!まちなかコース
・住所:岐阜県飛騨市神岡町東雲1327-2
・地図:
・アクセス:飛騨市街から車で約30分 ※まちなかコースと渓谷コースのスタート地点は違うので注意
・営業時間:9:00~16:30
・定休日:水曜日、冬季休業あり(11月下旬〜3月下旬)
・電話番号:0578-82-6677
・料金:2人乗り3,200円/台〜(車両による)
・所要時間:1時間30分
・オススメの時期:春(4月)
・公式サイトURL:https://rail-mtb.com/course/machinaka/

郷土愛から行動へ。ヒダスケ!と天蓋山YAMAP新道


地域の「負」を解消し、同時に人のつながりを作るすばらしい事例もあります。それが飛騨市独自の試み「ヒダスケ!」です。

従来の「体験ツアー」や「ボランティア」をリブランディングし、困りごとや地域課題を資源に、人と人とのつながりと支えあいを構築するマッチングプラットフォームとして運営されています。

事業者や地域の団体が困りごとやアイデアを持ち込んで、協力してくれる方を体験ツアーという形で募集。そこに共感した方が応募&参加し、お手伝いをした「オカエシ」として、電子地域通貨「さるぼぼコイン」などを受け取るシステムになっています。


その一つとして盛り上がっているのが、飛騨の森を保全する「森スケ!」です。2023年には地元の名峰・天蓋山(てんがいさん、標高1,527m)に新たな登山道を作るプロジェクトの募集があり、夏にYAMAP新道という新たなコースが完成しています。

すでに東海を中心として多くの登山愛好家が足を運んでおり、賑わいを見せているそう。秋には草刈りなど、登山道をきれいにするプロジェクトもあり、さらに整備が進められています。

地元のために頑張りたい、恩返しをしたいといっても、何をすればいいかわからない方も多いはず。情熱を持った方々をつなぎ、市民同士で持続的な地域運営を行い、それが地域の魅力になる。一つのロールモデルとなるすばらしいエコツーリズムのかたちだと感じました。

■詳細情報
・名称:天蓋山(てんがいさん、標高1,527m)
・住所:岐阜県高山市上宝町金木戸
・地図:
・アクセス:山之村牧場まで飛騨市街から車で約70分、登山口まで約10分
・所要時間:YAMAP新道→天蓋山→天蓋山登山道の周回で約4時間40分
・オススメの時期:秋
・Yamap公式サイトURL:https://yamap.com/mountains/3790
ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。 山岳雑誌『山と渓谷』へ寄稿、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「創業110周年記念 愛知銀行フォトコンテスト」最優秀賞など。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

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