ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。 山岳雑誌『山と渓谷』へ寄稿、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「創業110周年記念 愛知銀行フォトコンテスト」最優秀賞など。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

こんにちは!近年、秘湯めぐりにハマっているトラベルライターの土庄です。ここ1年だと、年間50箇所ほどの秘湯を訪ねてきました。

以前、日本中を旅するアウトドアライターが紹介。野趣溢れるマニアックな8箇所の「秘湯」の記事にて、主に日帰りで利用できる秘湯=野湯を取り上げました。今回は、北海道というエリアにフォーカスして、秘湯宿をご紹介しようと思います。

圧倒的な自然と、人の温かい文化が残る北海道。秘湯で過ごすという宿泊体験は、他には代えがたい癒やしを得られます。日常に疲れてしまったとき、一呼吸置くのにぴったりな旅行先です。

北海道に根付く秘湯の魅力

まず、北海道の秘湯宿に共通している魅力・特徴を簡単にまとめていきましょう。一見、温泉以外何もないのですが、それゆえに時間の過ごし方も深く、自分と向き合う滞在を楽しめます。

自然とともにある

@トムラウシ温泉東大雪荘
まず一番の魅力と言えるのが、大自然の中にぽつんとたたずむ隔絶したロケーションです。街から何十キロメートルも離れ、舗装されていない道の先、電波のない場所にあることもしばしば。

しかしそれゆえに、日常から解き放たれた時間を過ごせます。煮詰まっていたり、悩みが多かったりするときに秘湯宿を訪れると、自分をいったんリセットでき、日常への活力を得ることができますよ。

湯治の趣を残す

@然別峡かんの温泉
旅館に1週間以上滞在をして、病気やケガなどの温泉療養を行う湯治(とうじ)。北海道には、湯治の趣を残す、昔ながらの秘湯宿が多くあります。

湯治は、旅行というより”暮らす”イメージの滞在。湯治を行う場としての秘湯宿では、現地に根ざした生活感を味わえるのが魅力です。

人との交流に元気をもらえる

@オソウシ温泉鹿乃湯荘
多くの人にとって、人間関係は仕事上のものがメイン。何かと気を遣い、疲れてしまうこともあるでしょう。一方、秘湯では、利害関係や体裁といった煩わしいものは忘れて、純粋なコミニュケーションを楽しめます。

ふとお風呂で会った方と、良い湯だと共感し合う時間。お宿の女将さんと何気ない立ち話にふける時間。ためらいなく素の自分を出せる、本当に大切なひとときです。

非日常で内省にふける

@丸駒温泉旅館
めまぐるしく日々流れる中で、少し頭の中を整理したい瞬間は、誰でもあるのではないでしょうか。そんなときには、静寂に包まれた秘湯で、自問自答を繰り返す時間を持ちましょう。

静かにお湯に浸かり、心身ともに癒やされながら自分自身と向き合えば、思いがけないインスピレーションが湧くかもしれません。

筆者おすすめの秘湯宿5選

次に、筆者がおすすめするとっておきの秘湯宿をご紹介します。どのお宿も長年愛されている、知る人ぞ知る名湯ばかり。これからもずっと残ってほしいと願う、筆者の心のよりどころです。

【千歳市】丸駒温泉旅館


北海道を代表する秘湯宿「丸駒温泉旅館」。もともと船でしかたどり着けない秘湯でしたが、道道730号線の開通に伴い、今は車でアクセスできます。

大正4年頃の開湯から現在に至るまで、創業当初の趣を残しています。支笏湖の水面の高さにより水位の変わる天然露天風呂や、支笏湖を一望できる展望露天風呂が魅力です。

個人的には、とても楽しそうに話しかけてくれる仲居さんが印象的でした。長年受け継がれてきた、老舗による”おもてなしの文化”を感じられますよ。

■詳細情報
・名称:丸駒温泉旅館
・住所:北海道千歳市支笏湖幌美内7
・地図:
・アクセス:新千歳空港から車で約50分
・電話番号:0123-25-2341
・料金:1泊2食付き1万5,000円前後〜/人
・公式サイトURL:https://www.marukoma.co.jp/

【鹿追町】然別峡かんの温泉


2008年に一度廃業になったものの、オーナーが代わって2014年に復活した「然別峡かんの温泉」。東大雪・ウペペサンケ山(標高1,848m)の山麓にあり、周囲には隔絶した自然が広がります。

かんの温泉の特徴は、13の源泉が湧き、11の湯船に浸かれること。析出物がこびりついた鍾乳洞のような大浴場ウヌカルや、足元湧出のイコロ・ボッカの湯など、実に個性豊かな湯船ばかり。

常に浴槽からあふれるほど供給される、繊細で肌に染み渡るお湯を楽しみながら、一人内省の時間を楽しめます。日常から離れたいときにぴったりの秘湯です。

■詳細情報
・名称:然別峡かんの温泉
・住所:北海道河東郡鹿追町北瓜幕字然別 国有林145林班
・地図:
・アクセス:帯広空港から車で約1時間20分
・電話番号:050-5319-4068
・料金:1泊2食付き1万2,000円前後〜/人
・公式サイトURL:https://www.kanno-onsen.com/

【新得町】オソウシ温泉鹿乃湯荘


大雪山国立公園の南山麓に位置している「オソウシ温泉鹿乃湯荘」。国内屈指の強アルカリ泉pH10を誇っており、熱烈なファンも多い秘湯宿です。

ぬるめの露天風呂でのびのびとくつろいでから、温かい内湯にザブンと浸かるのが最高の瞬間。そのとたん、とろとろのお湯で肌が一気にすべすべになります。

昔ながらの湯治場の趣を残すお宿は、北海道の山海の幸も盛りだくさん。おもてなしのこもった料理にもきっと癒やされるはず。看板犬の秋田犬・けんちゃんも待っていますよ。

■詳細情報
・名称:オソウシ温泉鹿乃湯荘
・住所:北海道上川郡新得町屈足
・地図:
・アクセス:帯広空港から車で約1時間15分
・電話番号:0156-65-3338
・料金:1泊2食付き8,000円〜/人
・公式サイトURL:http://osoushi.foodsnet.net/

【上富良野町】十勝岳温泉 湯元 凌雲閣


3軒のお宿で構成される十勝岳温泉郷。そのなかで「十勝岳温泉 湯元 凌雲閣」は、北海道最高所の秘湯として、登山愛好家などから高い人気を誇っています。

特に冬には、真っ白に染まる白銀の十勝岳連峰のパノラマが広がり”雲を凌ぐ”という宿号にふさわしい絶景を見せてくれます。時間帯による景色変化もまた格別です。

これほど隔絶したロケーションながら、朝夕食ともにとても豪華。女将さんや従業員の方まで、おもてなしと人情味をさりげなく感じられる点も魅力です。

■詳細情報
・名称:十勝岳温泉 湯元 凌雲閣
・住所:北海道空知郡上富良野町 十勝岳温泉
・地図:
・アクセス:美瑛市街から車で約35分
・料金:1泊2食付き1万4,000円前後〜/人
・公式サイトURL:https://www.ryounkaku.jp/

【上士幌町】幌加温泉 湯元鹿の谷


道東・幌加温泉の最後の1軒である「幌加温泉 湯元鹿の谷」。一般的には日帰り温泉として知られていますが、素泊まり(自炊)のみ宿泊も可能です。公式HPはなく、宿泊予約は電話のみの受付となります。

小さなお宿でありながら、4種の源泉が湧いているのが特徴です。昔から受け継がれている秘湯の雰囲気に魅せられ、何度も足を運ぶリピーターさんも多くいらっしゃいます。

特に、満天の星空を眺める露天風呂は、一生忘れられない思い出。いつか日本二百名山・ニペソツ山(標高2,013m)登山の前泊に利用したいと思っています。

■詳細情報
・名称:幌加温泉 湯元鹿の谷
・住所:北海道河東郡上士幌町幌加
・地図:
・アクセス:帯広空港から車で約2時間
・電話番号:01564-4-2163
・料金:1泊素泊り4,500円〜/人
・参考サイトURL:http://www.n43.net/onsen/horoka/yumotokanoya/index.htm

変わらない秘湯に身も心も委ねる旅へ


心をすり減らしてしまったとき、わたしたちに癒やしとパワーをくれる秘湯。

筆者は、負の感情を抱いたときこそ、思い切って秘湯へ旅をして、一呼吸置くようにしています。そうすると、モヤモヤが湯に流されてしまうような、ふにゃふにゃとふやけて消えてしまうような、そんな感覚を覚えることがあります。自分が悩んでいたことなんてどうにでもなる、と良い意味で割り切ることができるのです。

自分を見つめ直す秘湯へ、ぜひ旅をしてみてはいかがでしょうか?

All photos by Yuhei Tonosho

ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。 山岳雑誌『山と渓谷』へ寄稿、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「創業110周年記念 愛知銀行フォトコンテスト」最優秀賞など。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

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