こんにちは、オーストラリア在住ライターのえどまゆです。何かと健康に気を遣う日々が続いていますが、どんなに気をつけていても体調不良は起きてしまうもの。
お酒を飲みすぎたり疲れてしまったりして、少し体調が悪いかも?と感じたとき、お医者さんにかかるのではなく、身体によいものを食べたり飲んだりして、内側から元気を取り戻したい!と感じることってありますよね。
それって、オーストラリアでも同じみたいなんです。
日本で、「風邪を引いた時に首にネギを巻くと早く治る!」と、おばあちゃんの知恵袋的に言われることがあるように、オーストラリアでも「不調を感じたら、こんな風にするとよくなる」と信じている人がいるそう。
この記事では、私がオーストラリアで暮らす中で実際に出会った、オーストリアの生活の知恵を5つお届けします。
オーガニック大国らしく、シンプルな食べ物や飲み物で身体を労るナチュラルな方法が多いので、個人的には「身体にいいことしてるな〜!」と前向きな気持ちになれるのがうれしいポイント。
1. 喉の不調には「マヌカハニー」をそのまま飲む!
マヌカハニーは、その名の通りマヌカの木から採取されるはちみつです。採取できる量が少ないため、高級はちみつとしても有名。
初めて聞いたときは、「マヌカハニーをそのまま飲んじゃうなんてもったいない……」と思ったものの、実際にやってみるとおいしくて、私個人の体験としては、なんとなく喉のイガイガがましになった気がしました。
オーストラリアでは、マヌカハニーはほかのはちみつに比べ、メチルグリオキサールという抗菌作用・抗炎症作用のある成分が豊富に含まれていると言われており、メチルグリオキサールがどのくらい含まれているかを表した「MGO」という指数を参考に商品を選ぶ人が多いそう。
2. 頭痛・生理痛には、ミントの葉をそのまま使った「フレッシュミントティー」を
頭痛や生理痛がひどいとき、温かい飲み物を飲んでリラックスしたいと感じることがありますよね。オーストラリアでは、そんなときは新鮮なミントの葉で作る、フレッシュミントティーが人気の様子。
以前カフェでの仕事中、生理痛がひどく休憩していた私に、オーナーさんがこのフレッシュミントティーを作ってくれたのですが、おなかがポカポカ暖まって痛みが和らぐとともに、ミントの清涼感で気分までスッキリした気がして、感激したのを覚えています。
それ以来、お守りのような存在というか、お気に入りのホットドリンクとなりました。
フレッシュミントティーの作り方はとても簡単です。
冷水できれいに洗ったミントの葉をひとつかみティーポットに入れて、熱湯を注ぐだけで完成。作り方は茶葉のお茶と変わりませんが、乾燥した茶葉やティーバッグで作るミントティーよりもフレッシュな風味を楽しむことができます。
ミントにはいくつか種類がありますが、よりすっきりと爽快感のある風味が好みの方にはペパーミントが、マイルドな爽やかさがお好みの方にはスペアミントがおすすめです。
3. 二日酔いは国民食の「ベジマイト」で吹き飛ばす!
“世界一まずいジャム”や“オーストラリア版納豆”なんて呼ばれてしまうくらい個性的な味がする、オーストラリアの国民食「ベジマイト」。
日常食として愛されるだけでなく、オーストリアでは、じつは二日酔いにも効果絶大な食べ物として有名なのです……!
その理由を聞くと、「ベジマイトにはビタミンBが含まれているからね!」と答える人多数。「ビタミンBは、アルコールの消化に欠かせない栄養素であるため、二日酔いを感じた朝にベジマイトを食べると、不足しているビタミンBを効率よく補充できる」と、積極的に食べる人がオーストラリアには多いのだとか。
定番の食べ方は、トーストにベジマイトを塗るシンプルなトースト。でも、それだと食べ慣れていない日本人には、ちょっと独特の風味が強すぎて、食べづらいかもしれません……。私は、チーズやバターなど乳製品と合わせたり、スライスしたアボカドを乗せたりして食べることが多いです。
4. 風邪のひき始めにはレモンを丸ごと使った「はちみつレモン」
日本でもおなじみの「はちみつレモン」は、オーストラリアでも、風邪の引き始めによく飲まれる、定番のホットドリンクみたい。
オーストラリア流のはちみつレモンの作り方は、まずはレモン汁を丸一個分マグカップに絞って、その後にはちみつを大きなスプーン一杯加え、お湯で割るスタイル。
私は、飲んでいるそばから汗をかいてしまうくらいレモン汁のパンチを強く感じるので、「これは身体が暖まっているな〜!」と実感できるドリンクだと思っています。
仕上げにターメリックの粉末を足して飲む方もいるようなので、少し変わったはちみつレモンに挑戦してみたい方はぜひお試しを。
5. 風邪を引いてしまったら「チキンスープ」で身体も心もあたためる
風邪を引いた時に食べたいものといえば、おかゆや温かいうどん、具沢山の豚汁など、食べていてほっと安心できたり、ちょっと懐かしい気持ちになれたりするごはん、という人は日本でも多いはず。
オーストラリアでは、そんな風な「思わずほっとしたり、懐かしくなれるようなシンプルな食べ物」のことを、コンフォート・フードと呼びます。
そして、コンフォート・フードの代表ともいえる食べ物が、チキンスープ。オーストラリアのスーパーでは、写真のようなレトルトのチキンスープをよく目にします。
チキンスープは、細かく切った鶏肉と野菜をブロス(出汁)で煮込んで作るシンプルなスープです。野菜の種類は何でもOK。冷蔵庫の余り物を使って気軽に作れます。ショートパスタや麺、豆類、穀物などを加えて食べることも多くあるみたい。
また、スープのベースとして使われる「ブロススープ」は、近年「SDGsにも貢献できるスーパーフード」として注目されてもいるようで、フードロスの削減につながるとオーストラリアでは評価されています。
とくに、動物の骨をしっかりと煮出したブロススープにはコラーゲンがたっぷり含まれるため、美容意識の高い人に人気があるという噂。個人的には、風邪の時だけでなく、日常的に食べたくなる料理です。
日本でも気軽に取り入れられるオーストラリアの生活の知恵をお試しあれ
オーストラリアで親しまれている、シンプル&ナチュラルな生活の知恵を5つご紹介しました。
マヌカハニーやベジマイトは、少し探すのが難しいかもしれませんが、輸入食品を扱っているセレクトショップなどで探してみてください。ミントティーやはちみつレモン、チキンスープの材料は日本でも揃えやすい食材なので、気になった方はぜひ作ってみていただければと思います。
All photos by Mayu Edo