ここは東京駅構内。地下にある中華料理屋「餃子百珍 一味玲玲」。今回は、2021年9月にグランドオープンしたばかりの東京駅八重洲口店に、TABIPPO代表・しみなおが突撃インタビューをしてきました。

TABIPPO×「餃子百珍 一味玲玲」


今回の取材先・一味玲玲を展開する「株式会社玲玲」のブランディング、EC、店舗開発、デザインを担当する「合同会社オリエンタルアンビション」の代表・神山保志(以下ジン)さんは、以前からTABIPPOと交流があり、昨年行った10周年記念のクラファンでも支援をしていただきました。

なぜTABIPPOを餃子の名店が支援するのか気になるところですが、どうやらその理由は、コンセプトが「旅」の飲食店だという意外な一面にあるそうです。「飲食店なのに『旅』ってどういうこと?」今回は絶品料理をいただきながら、そんな気になるあれこれも聞いちゃいました!

しみなお

すげえなあ…東京駅に新店舗だなんて!
ようこそ。しみなおに会うのは久しぶり…でもないかな。とりあえずビールでいい?

ジン

しみなお

新店舗オープンおめでとう。もちろんビールでお願いします! ここで食べることを本当に楽しみにしていたから、今日は沢山のメニューを食べながら取材するね


なにやら親しそうに会話するジンさんとしみなお。二人の関係についても記事中で♪

「味の新大陸を目指して」を掲げるお店とは?


店内に入り、さっそくメニューを開きます

一味玲玲の大人気メニューといえば餃子。その数なんと19種類というラインナップには、「トマト」「カキ」「レモン」などの変わり種も多くあります。さらに、調理法は『水餃子・焼餃子・蒸餃子』から好きな方法を選んで味わうことができるため、楽しみ方はまさに無限大!

一味玲玲は、餃子はもちろんなんだけど、それ以外の料理もかなりこだわっているから、ぜひ食べてみてほしいな

ジン

同行した編集部の分も含め、数種類の餃子と料理を注文。待っている間、さっそくお店についてインタビューを開始することに。実はここ「餃子百珍 一味玲玲 東京駅八重洲口店」は、既存店舗から名前もロゴも一新した、新コンセプトのお店になっているのだとか。

しみなお

「一味玲玲」の読み方は「イチミリンリン」で合っているよね?
合っているよ。前までの呼び方は「イチミレイレイ」だったんだけど、もっと呼びやすくて親しみが込めやすい「イチミリンリン」って名前に変更したんだ

ジン

都内にある4店舗と横浜店に続いて、6店舗目となった東京駅八重洲口店。この店舗では、既存の一味玲玲店舗とは違う名前を使用しており、オープンに際して、ロゴも新たに制作したものを用いています。

新店舗の名前は旧名称の「一味玲玲」に売りである「餃子」と「美味」を意味する「百珍」が加えられた「餃子百珍 一味玲玲」に。誰が見ても一目で理解できるのに個性的な字体で構成されたロゴは、ジンさんによるものです。


中国らしさとモダンな雰囲気が絶妙なバランスで取り入れられた、こだわりのロゴデザイン

PROFILE:餃子百珍 一味玲玲(いちみりんりん)
2003年に新橋で創業。「一味」は「わたしの味」という意味を持ち、“手間隙かけた本格的な調理方法の中華料理”が雑誌やメディアでも頻繁に取り上げられるほどの人気店。2021年には屋号を刷新した店舗「餃子百珍 一味玲玲 東京駅八重洲口店」をオープンし、現在は都内を中心に6店舗営業中。SNS:@ichimiringring 公式サイト:https://www.ichimiringring.com/
PROFILE:神山保志(略:ジン)
一味玲玲を展開する「株式会社玲玲」のブランディング、EC、店舗開発、デザインを担当する「合同会社オリエンタルアンビション」の代表。世界一周経験者でもあり、TABIPPOの創設にも関わっている。SNS:@parariraJIN

一味玲玲のオンラインストアはこちら

キーワードは“不便益”。一味玲玲と旅の関係性

注文する料理を選んでいた際に取材チームが気になったのは、メニューに書かれた「味の新大陸、楽しい中華の旅」「餃子を探す、私の大冒険」という2つのフレーズ。

一味玲玲で新しい味を探してほしいという想いから生まれた、この言葉の意味について話を聞くことに。


「餃子を探す、私の大冒険」と、上に書かれた「味の新大陸、楽しい中華の旅」の文字

しみなお

「餃子を探す、私の大冒険」って、一味玲玲の餃子メニューの豊富さにぴったりな言葉だよね。俺としてはやっぱり「楽しい中華の旅」って書いてあるのが気になるんだけど、ここでいう「旅」ってどういう意味なの?
うちが目指しているのは、新しい(中華料理の)世界に“出会える”お店なんだ。例えば、旅ってどこか遠いところに行かないとできないものだと思われがちだけど、一味玲玲に来て、今まで知らなかった餃子の美味しさを知るってだけでも、新しい世界に“出会う”という意味での「旅」になると僕は思っていて

ジン

しみなお

なるほど。料理においても「新しい世界に“出会う”」っていう意味で「旅」って言葉はぴったりってことか! 一味玲玲とTABIPPOの共通点が旅なのも、ジンくんがうちの理念に賛同してくれる理由にも納得がいくね

他にも共通点はあるんじゃないかな。僕はPOOLOの授業を受講させてもらってたんだけど、その講義の中で「不便益」という言葉を聞いて、旅と飲食の業界に通じることが本当に多いなと思ったんだよ

ジン

不便益とは「不便」の「利益」のこと。「便利」は手間がかからなくて済む素晴らしいことではありますが、同時に世の中に溢れるさまざまな情報への気づきを奪ってしまうことにもなります

不便だからこそ良いことは、案外多く世の中に存在しているのです。旅にだって、不便益がつきもの。空港での乗り換えトラブルや、車を使わず徒歩で移動したから見られた景色など、不便を乗り越えて気づくことが旅には沢山ありますよね

飲食においては日本のいわゆる“おもてなし文化”みたいな丁寧なサービスや接客が「便利」の例だよね。でも、たとえ少し雑だったとしても逆にそれが“本場感”として、おもしろいと感じたり、楽しめるものになったりすると思う。それこそが飲食業界における「不便益」なんじゃないかな

ジン

しみなお

わかるよ。知らない言語のメニューを読んで何気なく注文したものが信じられないほど美味しかったり、印象的な接客を受けたお店って、すごく記憶に残るよね。旅の良さが詰まってるというか
印象的な接客の面でいうと、うちはシェフはもちろんスタッフが全員中国人であることにこだわっているから、そういう本場感も楽しく感じてもらえると思うんだよね

ジン

しみなお

本格中華料理で「旅」を味わえるお店として、そういうところにもこだわっているのって面白いね。「美味しい味を探しに来てもらいたい」っていうコンセプトも含め、特に旅好きにはたまらないな!

「餃子百珍 一味玲玲」とTABIPPOの関係性とは!?


取材の最初からずっと気になっていたことを聞いてみます。
−そういえば、先ほどからお二人はとても親しげに会話されていますよね?一体どういった関係なのか、改めて聞かせていただけますか?(編集部)

しみなおとの出会いはー…エジプトだっけ?僕、世界一周したことがあるんですよ。その途中に、エジプトで出会ったのがしみなおで。だから、10年くらいの付き合いになるのかな

ジン

しみなお

そっか、もう10年か。そこでは連絡先を交換して別れたんだけど、お互いが世界一周から帰ってきたあとにもう一度ジンくんに会ったんだよね。そのときに意気投合して、一緒に学生団体TABIPPOを立ち上げようって話になった。ちなみに、最初のTABIPPOのロゴを作ったのはジンくんなんだ


帰国後に活動していた当時の写真
−ジンさんがTABIPPOの創設に携わられていたなんてびっくりです!エジプトでの出会いだなんて、思っていた以上の縁で驚きました。
(編集部)

「味の大冒険」にいざ出発!

話も盛り上がってきたところで、注文した料理がどんどん運ばれてきました。こだわりの「中国家庭料理」を東京駅でいただいちゃいます!

初めて食べる味に感動!看板料理の餃子をさっそく試食

最初にいただいたのは「キャベツ」「トマト」「シソ」「レモン」「赤唐辛子」の5種類の餃子。新店舗の名前にもなっている看板料理の餃子は、まずは何もつけずに、そのまま食べることをおすすめしているのだとか。焼餃子、蒸餃子と調理法を変えて注文してみましたが、なんだか見た目も普通の餃子と違う!

しみなお

うわー、うまい!口いっぱいに肉汁が溢れてくるし、本当になにもつけなくてもしっかり味がする

皮から全て手作りすることにこだわっているという一味玲玲の餃子。一般的な餃子より大ぶりで、皮はもっちり。ひとくち噛むと肉汁と旨味があふれます…!

ちなみに、ニンニクも使用していないのだとか!
餡には30種類以上の薬膳スパイスなどが練り込まれており、使用している豚は富士山の麓で飼育されているブランド豚「LYB豚(るいびぶた)」というこだわり。防腐剤・保存料などの添加物も一切使っていない上に、調味料は少量の塩とほんの少しのお酒のみなんだそう!素材本来の味を生かしているため、口の中で深い味わいが広がる贅沢な餃子になっています!

しみなお

種類によって味の印象が全く違うね。本当に新しい味に出会えてる気がする!個人的には「シソ」と「レモン」が優勝かな。5個入りで700円前後だけど、食べ応えたっぷりで値段以上の価値があると思う。この値段でこんなにも美味しい餃子が食べられるなんて嬉しいね

しみなお

最近はオンラインで冷凍餃子の販売も始めたんだよね!そこで売られている冷凍餃子も今食べているものと同じなの?
全く同じ手作り餃子だね。コロナになる前は店舗用に作るので精一杯でネット販売まで生産が追いつかなかったけど、今はそれをやっと実現できたよ!

ジン

皮から手作りした防腐剤や保存料等不使用の餃子を、家でも味わえるように製造するためには数々の苦難を乗り越える必要があったとのこと。誰にでも簡単に、美味しく調理ができるように研究を重ねたさまざまな技術が、お店と全く同じ手作り餃子のオンライン販売を可能にしたそうです。

保存料や添加物を加えて品質を落とすなんてことは、絶対にしたくない。通販を始めるまでに時間はかかったけど、これからはお店で食べるクオリティの餃子を、さらに多くの人に、少しでもフレッシュな状態で届けたいと思ってる!

ジン

続々と登場!絶品中国料理に舌鼓

続いてやってきたのは、本格中華料理の数々。注文したのは、「かいばしらシュウマイ」に「エビ甘辛チリソース」、「ラム肉のクミン炒め」、「四川風麻婆豆腐」の4つ。

貝の旨味がたっぷりと詰まったシュウマイは大きめだからこそ、口に入れた瞬間旨味がジュワッっとあふれます…!ぷりぷりなエビの甘辛チリソースは、絶対に嫌いな人はいない美味しさ。クミンが香るラム肉炒めはついついビールが進みます。麻婆豆腐は四川風。熱々スパイシーな辛さのなかに、コクや甘味をしっかりと感じるため食べる手が止まりません。

しみなお

どれも美味しかった!特にシュウマイはこれまでの概念が覆されるレベルで気に入ったよ。俺、実はシュウマイがそこまで好きってわけじゃなかったんだけど、これはいくらでも食べたくなるね

綿あめのようにふわふわ!?衝撃のチャーハン登場

このチャーハンもぜひ食べてみて。

ジン

極上の料理を堪能していると、ジンさんの言葉とともに「白チャーハン」なるものが衝撃的なビジュアルで登場。


これがジンさんがおすすめする「卵の白身入り貝柱チャーハン」

しみなお

なにこれ!すごいね。こんなチャーハン見たことない!


なにが入ってるんだろう?疑問と期待を抱きつつ、いざ実食。

しみなお

あー!帆立がゴロゴロ入ってるね。めちゃくちゃ美味しいし、新感覚!プルプルしているけど、なにでできてるんだろう?

ふわふわとした綿あめのような見た目の正体は卵の白身で作ったメレンゲ。「炒飯」という字面の通り、炒めて作るのがチャーハンの一般的な調理法ですが、この白さと質感を保ちながら火を通すのは、かなり難易度が高いとのこと。

「卵の白身入り貝柱チャーハン」は一味玲玲でしか食べることができない、大変珍しいメニューだそうです!高い技術を磨き続けるシェフの腕前によって、一味玲玲では高級中華料理店にも負けないようなクオリティの料理が常に提供されています。

ライター

埼玉県生まれ。あまいものと音楽を愛でるヲタク気質な19歳。高校を卒業し、自分の「好き」と向き合うためにギャップイヤーを謳歌中。一日をちょっとだけ豊かにするアイデアブログ「PEACHY mode」の管理人。夢は 「自由でご機嫌な人生を送ること」。来年からはマレーシア国内の大学に留学予定。

RELATED

関連記事