美術品の宝庫「ラグラージプール村」へ
プリーからおよそ15キロほどの距離に、ラグラージプールという村があります。120軒ほどの家があるこの村では、住民全員が絵画や工芸品で生計を立てる芸術家の村。村人全員が絵描きの村があり、カラフルで個性的なお家が多く連なります。
ラグラジプールは「パッタチットラ」と呼ばれる、オリッサ州で伝統的な細密画が多く並んでいます。パッタチトラは、現地の言葉で「布(パッタ)に描かれた絵(チトラ)」を意味し、着なくなったサリーなどをキャンバスとして絵を描いていきます。
photo by tabizukan
サリーを適当な大きさにカッティングし、木の樹液を厚く塗って表面を石で削り、その上を白は貝殻、黒は煤など、自然物を砕いて色を出して作品を仕上げていくのです。
開放的な家の造りとヤシの木が並ぶ光景は、インドでは珍しい異国情緒溢れる街並みが広がっています。
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ヒンドゥー教やインドの伝統的な神話に所縁のあるモチーフが描かれています。
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色を塗る前に透明色の木の樹脂を下塗りします。
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お店の中に入ると、色づくりから実際に描いている工程を見学できます。
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軒並みのお家は緻密なデザインが施された壁画が多く、街を歩いているだけでインドのアートを堪能可能。
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インドで有名な象の頭を持った神様「ガネーシャ神」をあしらった壁画もあります。ガネージャは障害を取り除いて福を招く神様と言われており、オリッサ州では街の至るところでガネーシャの絵や像を見掛けます。
・名称:Lafrage Pool Village
・住所:Orissa Jaganas Baraba
・地図:
・アクセス:jankidaipur station より徒歩15分
・オススメの時期:暑くない日
お土産のオススメの数々を紹介!
最後に、ラグラージプール 村やピプリ村で購入できる、お土産にオススメのアイテムを紹介します。
ランプシェード
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インドの代表的な民芸品であるランプシェード。明かりを灯すと、カラフルな美しい光を包み、部屋の中に暖かい光が充満します。天上から吊り下げる形式なので、インテリアとしても素敵です。
絵画
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絵画は、ラフラージプール村でよく見られます。自然素材によって描かれた絵は、アクリル絵の具で見る色ではなく、同じ黒でも少し白味がかかっていたり、温かみのある色を出しています。
サコッシュ
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冒頭で述べたようにオリッサ州は歴史的背景から、さまざまな文化の影響を受けて現在に至りますが、かばんのような手芸品のデザインにもその色が出ています。それぞれ全く異なるデザイン・色なのでひとつひとつ見比べて自分好みのものを買ってみてください。
アートの街オリッサ州を散策してみよう
街に行けば、インドの芸術品にたくさん触れられますが、自然の色で描いた美術品や代々職人の手によって作られる民芸品は、どれも素朴ながら繊細で美しい印象を持ちました。また、描き手によってデザインが全く異なり、家の中で細密画とかたくさん見せてもらえたり、お土産物になる工芸品の作っている光景や宗教画を描いているところを見学できたりします。
また、オリッサ州では一年置きに開催されるオディシャビエンナーレを開催しています。絵画がや工芸品のほか、古典舞踊やコンテンポラリーダンスなど、さまざまな芸術村のアーティストたちが世界中から集い、オリッサ州を芸術一色に染めます。
まだ公式な発表はないですが、直近では2019年に開催されたのでひょっとしたら2021年に開催されるかもしれません。インド東部を観光予定の方は、ぜひともオリッサ州にも足を運んでみてください。
・名称:オリッサ州
・地図: