イタリアランゴバルドの紀元568年-774年の繁栄を伝える地域
6世紀から8世紀にかけてイタリア半島の多くを統治していたランゴバルド王国の足跡を残す地域として、現在7つが確認されています。
最も保存状態がよいものとしてはサンタ・ソフィア大聖堂。中世初期のベネヴェント絵画が飾られ、一部はサムニウム博物館となっています。他の地域には教会関連施設群や、ランゴバルド建築の代表例とされている古典的ローマ様式と中世の石工による装飾細工が施された建築物などがあります。
パドヴァの植物園(オルト・ボタニコ)
1545年に設立された世界最古の植物園です。当時の配置を残したまま、実用的な施設や装飾が後に加えられていきました。園内には1585年に植えられたヤシの木を初め多様な植物が植えられています。
ガリレオが教え、コペルニクスが学んだパドヴァ大学付属の薬草園として設立されました。当初から現在も、学術的研究所として近代学問の発展に貢献しています。
アグリジェントの遺跡地域
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アグリジェントは紀元前6世紀からギリシャの植民地であり、重要都市の一つでした。アーモンドの木や果樹が広がる丘の上に、壮大なドーリア式の神殿が20近くも建ち「神殿の谷」と呼ばれています。
コンコルディア神殿、ジュノー神殿、ヘラクレス神殿などが見所で、一帯からは古代ローマ時代の都市遺跡や前キリスト教時代の埋葬遺跡なども見つかっています。
パエストゥムとヴェリアの古代遺跡群を含むチレントとディアノ渓谷国立公園とパドゥーラのカルトゥジオ修道院
21万平方メートルにも及ぶディアノ渓谷国立公園に、2つの古代ギリシャの遺跡と修道院があります。パエストゥムとヴェリアは、紀元前6世紀頃ギリシャ殖民都市として栄えていました。
ヘラ神殿を代表に、城壁、公衆浴場、円形劇場などが残ります。14世紀から18世紀に建てられたバロック式の大修道院、カルトジオ修道院も二つの都市遺跡と共に世界遺産に認定されています。
マテーラの洞窟住居と岩窟教会公園
まるで岩のようなグラヴィーナ渓谷の西側の斜面を多い尽くす建築物群が、数多くのイタリアの世界遺産の中でも独特な雰囲気を持つマテーラの街です。
これらは凝灰岩の岩山を掘って作られた横穴式住居であり、約7000年前から人類が定住していたと言われています。住居だけでなく、サンタ・マリア・デッラ・コロンバ教会を代表とする聖堂もあり、観光客を寄せ付けて止みません。
シラクーザとパンタリカの岩壁墓地遺跡
ギリシャの植民地であったシラクーザと、シチリア島先住民の墓地遺跡であるパンタリカは、共に2005年に世界遺産に登録されました。
シラクーザはアルキメデスの生地でもあり、彼によって街を守る兵器などが作られたと言われています。5000もの墓が残るパンタリカからは、副葬品として鏡や食器などが見つかっており、当時の人々の暮らしを知る手がかりとなっています。
ピエモンテのブドウ園景観:ランゲ・ロエロとモンフェッラート
ワインの王と言われるバローロや、ワインの女王と言われるバルバレスコが作られるピエモンテ州のブドウ園。
ランゲ・ロエロとモンフェッラートにはリズム良く並ぶ棚が広がり、周囲の豊かな緑、美しい川などの自然だけでなく、村や教会、城などとも良く調和しています。その文化的景観が認められ、2014年に新たに世界遺産に登録されました。
フェッラーラ:ルネサンス期の市街とポー川デルタ地帯
エステ家が繁栄した街として有名なフェッラーラは、フィレンツェ同様、ルネサンスの街でもあります。見所はエステ家の権威が誇示されたカテドラルとエステンセ城。
カテドラルはゴシック様式の華やかな外観が印象的で、内部にはフレスコ画とたくさんのシャンデリアが目立ちます。赤レンガ造りのエステンセ城は、堀に囲まれた美しい城で、観光客が自由に出入りできるようになっています。
アクイレイアの遺跡地域と総主教聖堂バシリカ
アクイレイアは、かつてローマ帝国第四の商業都市として栄えました。ローマ帝政の初期には大司教座も置かれたほどですが、フン族のアッティラによって5世紀に破壊され、遺跡の多くが未だに埋もれたままになっています。
総主教聖堂バジリカは4世紀に作られた、床を覆うモザイクが壮観。アクイレイアが宗教的にも重要な都市であったことを示しています。